〈2015年 2月 25日発売〉
ランキング
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概要
世界的な株価の暴落を一つのきっかけに、株式市場で"サタン"と呼ばれた男、貝塚剛は、そのあり余る資産を更に拡大させようとしていた。
貝塚の秘書になって三年目を迎えた牧村は、エスカレートする彼の欲望の引き起こす異常な争いに巻き込まれ、翻弄されていく……。
気になるシーン
見渡す限りの土地建物は全て貝塚の持ち物、あるいは抵当権を押さえているものだ。
ドン、と窓を叩くと、窓全体がみしりと音を立てた。ちょうど出社してきたばかりの秘書、牧村が何事かとドアを開ける。憂いを帯びた長いまつ毛が揺れる。
「これが我が国最大の、そして最後の、メガファームだ!」
貝塚の低い声は、プロペラの轟音にも負けず牧村の耳にわんわんと響いた。
「社長ーっ!」
ヘリのパイロットが半分振り向いて叫んだ。
「何だ、栗田」
「レーダーに敵影を発見しました!」
「敵影、だと? 間違いないのか?」
試し読み(Amazonより、ちょっと多め!)
『奇想短編集 そののちの世界7 サタンと呼ばれた男』
©Ryousaku Awanami 2015.