BLENDER-99-10/ビューポート操作をもう少し

いやあ、早いもので、このシリーズも10回目を迎えました。
全99回でBlenderの基本を学んでいこうというこの企画ですが、既に進捗は10%。
このままのペースでいくと、99回では収まりませんよね。
でも、そこはもう、文字数ページ数は気にしなくていい電子コンテンツの強みです。

週に1回だと約2年の長期連載になるわけなのですが、まあ、毎週追わなくてもいいのです。
ちょっと溜まってから、〈毎日1回分、5日連続で挑戦〉のような取り組み方で良いと思います。

長くなりますが、これからもお付き合いくださいね!


さて、今回も前回からの続きですが、今回はキューブを使ったモノづくりではありません。
もう一歩進む前に、学んでおかなければ効率が悪化することがあるのです。

では、早速はじめましょう!

【Blender-99 絶対に挫折しない3DCG入門 -10 ビューポート操作をもう少し】

まずは、Blenderを起動しましょう。いつも見慣れた起動後の画面です。

斜め上からキューブを見下ろしています
斜め上からキューブを見下ろしています。

 

さて、キューブを真っ正面から見てみましょう。

マウスのホイールをグイッと押し込んで正面に持ってこようとしますが……
マウスのホイールをグイッと押し込んで正面に持ってこようとしますが……

 

どんなに頑張っても〈完全な真っ正面〉にすることは出来ません。
まあ、なんとか出来たとしても、パース(=つまり遠近)感がついていて、今回求めているような、〈正確にキューブを移動する〉ための画面の見え方にはなっていません。

ここで、新しいキーワードが出てきました。
「パース」です。
正確にいうと、「パースペクティブ」です。
人間の目は、何かを見るときに遠近を感じます。当然ですよね。
近くのものは大きく見え、遠くのものは小さく見えます。
これが、「パースペクティブ」。

Blenderの画面で見てみましょう。
キューブを手前から奥にかけて、ずらりと並べてみました。

Perspectiveビュー(=パースあり)
Perspectiveビュー(=パースあり)

 

手前が大きく、奥が小さくなっています。
このことによって、奥行き感がわかります。
画面の左上に注目すると、「User Persp」と書かれていることがわかります。

これは、「カメラから見たのではなく、ユーザー(=つまりあなた)が3Dビューポートを直接見ている、〈パースあり〉の画面です」という意味です。

パースあり、ということは、パースなしもあるのでしょうか?

もちろん、あります。パースをなくした画面を見てみます。

Orthographicビュー(=パースなし)
Orthographicビュー(=パースなし)。オルソビューといいます。

 

ありゃりゃ、なんだか変ですね。遠くへいっても小さくならないので、手前の7つしかキューブが見えません。どちらが手前でどちらが奥かも分かりませんし、ほとんどのキューブは、画面の外にあふれています。

こんなに見にくいのに、どうしてこんなものがあるのでしょう?

それは、物の形を正確に知るため、正確な距離や角度を知るためです。

さ、「5」のキーを押してみましょう!(押して、すぐ離します)
これが、パースのありなしを切り替えるキーです。
繰り返し、何回も押してみましょう。

 

5のキーを押すたびに、「パースビュー」と「オルソビュー」が切り替わります。
5のキーを押すたびに、「パースビュー」と「オルソビュー」が切り替わります。

5キーの役割、覚えましたね。
実は、この数字キー、他の数字にもビューポートの見え方に関する各種機能が割り当てられています。
いっぺんに見てみましょう!

奇数のキーには、それぞれ正対するビューが割り当てられています。
奇数のキーには、それぞれ正対するビューが割り当てられています。
次々に押してみましょう!

 

右側から見るためのキーは3が割り当てられていますが、左側からのものはありません。
さて、不要なのでしょうか?
いいえ、そんなことはありませんよね。真左からだって、見たいです。
そんなときは、「Ctrl」キーを押しながら、数字キーを押します。
そうすると、数字キーの役割の180度反対側からのビューになります。

?がありますが……
?がありますが……

 

出来ましたか?
さて、カメラビューの逆は何でしょう?
これは、「現在選択されているオブジェクトをカメラにしたときの見え方」ということになります。
こんがらがりますね。この機能はまだ当分使うことがないと思いますので、忘れてしまって問題ありません。
(実際、僕もほとんど使うことがありませんから!)

さて、今度は偶数キーの役割が気になりますね。
え?
もうやってみましたって?
何だか、意味が分からなくなかったですか?

やってみましょう。
2キーを連続して押してみます。

押すたびに、ちょっと(=15度)ずつ視点が回転します。
押すたびに、ちょっと(=15度)ずつ視点が回転します。

 

自分が下に回り込んでいくのですが、見た目からいうとバームクーヘンを焼くようにオブジェクトが向こう側にぐるぐる回っていくような感じですね。
これが、2のキー。
では、4は何でしょう?
もう想像がつきますよね。
4は、時計回転にビューが15度ずつ回転します。
6は、反時計回転です。
同様に、8は2の逆回転です。

Ctrlキーを押したときはどうなるかって?
やってみましょう。
Ctrlキーを押しながら、偶数のキーを順に押してみます。

これは、カメラで言うと「パン」という動きです。
これは、カメラで言うと「パン」という動きです。

 

自分は真直ぐ前を向いたままで、上下左右に動く感じです。
この動きは、マウスだと「Shift + ホイールのドラッグ」ですね。
(「ShiftもしくはCtrl+ホイールの回転」というやり方もありましたね。忘れてしまった方は、第7回に戻って再確認しましょう!)
この場合のShiftも「パッと押す」のではなく、「押したまま」です。

◇〈押しながら〉と〈押す〉の違い◇
マウスでのショートカットの扱いに慣れていないと、この二つの違いに戸惑います。
CtrlやShiftキーを使って〈押しながら〉というときは、キーから指を放してはいけません。「+」以降のキーは、ShiftやCtrlキーを押し込んだ状態で、〈押し〉ます。この〈押す〉は、パッと押して放すことです。ちょっと混同しやすいポイントですが、しっかり覚えておきましょう。

 

3Dビューでのオブジェクトの見方、マスター出来ましたか?
自由自在に見られるようになったら、もう一つやっておかなければならないことがあります。

zキーを押してみましょう。
(そう、いつもどおり、3Dビューポートの上にマウスカーソルがあることを確認してからですよ!)
10_09

zキーを押すたびに、キューブが線だけになったり、元に戻ったりします。
この〈線だけの状態〉が「ワイヤーフレーム表示」です。
聞いたことのある言葉かと思いますが、〈針金のように、縁だけが見える〉という意味です。

ワイヤーフレーム表示にすると、形がはっきりと分かります。
ワイヤーフレーム表示にすると、形がはっきりと分かります。

 

さて、ここまでしっかり覚えられましたか?

次回は今回学んだいろいろな見え方を駆使して、キューブを移動したり複製しながら椅子の形にしていきますよ。

 

【本日の学び】

・3Dビューポートの様々な表示と操作
【次回の学び】(1/22、予定変更しました)

・ファイル操作
【次々回の学び】

・オブジェクトの移動
・オブジェクトの複製
・トランスフォームのリセット

それでは、次回をお楽しみに!

Happy Blending!!

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *