小さな戦い

春先になるといつも
伸び始めたヤブガラシのツルを見て思う

今のうちにすっかり始末すれば
来年は少し楽になるのではないかと

初夏になるといつも
じゃんじゃん葉を増やしている姿を横目に

さあ、そろそろ始めなくては、
と思う

夏の盛りが訪れると
小さな丸い蕾の連なりを見て
淡いオレンジ色の塊に
マメコガネが群がっているのを見て

今のうちにやらなくては、
と思う

夏が過ぎると
さあ、もう外での作業もキツくないぞ
と思う

と思う間に、
日々は飛んで過ぎてゆく

秋が深まり
青い空が高さを増している

今年はとうとう
実をつけさせてしまった

茶色がかった緑の実が
無数の実が
つやつやと
勝利のメロディを奏でている

このままでは種が落ち
来年は深刻な悪影響が出るだろうと
頭を抱える

それでも、
そうやって私は庭を見ている

もし、
このままでいたとしたら、
来年は
目の前がヤブガラシで満たされてしまうのだろうか

心の中で私は
頭を抱えるポーズを取ってみる

いや、
それはあるまい

私は自分に答えてみる

誰も手を入れることのない荒地も
ヤブガラシだけで満ち溢れていることはない

さまざまな植物がせめぎ合って

我が土地を
我が陽射しを

勝ち取ろうとしている

私はただ敗残者として

彼らの小さな戦いを
見つめているだけなのだ

 


戦いの勝者は誰?
『奇想短編集 そののちの世界 4 フローラ』
答えはここに?

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