『ティプトン』連載第5回

“だが、センターの定めたハイパースリープ期間を破るだけに留まらず、人口調節の規律をも破ってしまうことになるだろう。それは、犯罪なのだろうか? ソーは自問した。”

『ケプラーズ5213』より


── 5 ──


バースコントロールは
簡単だ

この船の人口を
将来の安定を
約束するために

コントロール・センターはコントロールする
コントロール・センターはいくらでも嘘を吐く

平気な顔で

彼らは
いとも簡単に不足した人口を補う

私たちに
知らされる事は決してない

事実
真実
私たちは──何者か?

この船のほんとうの出生率は
記録に残されているものより
はるかに高い

不足する若年人口を
人知れず補わなければ

この船に未来は無いのだから


本連載は、原則として毎週木曜日に掲載します。


地球を旅立って三千年後、人類は尊い犠牲を払いながらも、計画通りに492光年彼方の惑星ケプラー186fに到着した。
人類は惑星の各地に入植キャビンを送り込み、水と緑に溢れた美しい新天地に入植地を築きつつあった。
だが、人類の生息環境として申し分ないその惑星に、先住生物が存在しないはずはなかった。


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *