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ヘイ、9月のKUはどんなもんだった!?

セルパブ作家のみなさん、9月はどうでした?

KU(Kindle Unlimited=Amazonの読み放題サービス)が始まって2ヶ月が経過しました。

さて、出版社がかなりの読み放題本を引き上げ、お試し需要も一段落したKUですが、かなりの利用数低下が懸念されましたね。僕の場合はどうだったでしょう?
悪影響がなかったとは言えませんが、もろに受けた感じでもありません。
8月にどーんと増えたわけでもないので、山谷が小さいだけとも言えますが……。

では、まずは世間の出版社関連状況の観察から。
日本独立作家同盟理事長、鷹野凌さんのツイートを貼っておきますね。

いろいろと減少している中、アダルトの登録点数がかなり増加しています。
これは、アダルトカテゴリーで何百万ページも読まれたという方の存在が大きいのでしょうね。別のチャネルで売られていたアダルトコンテンツが大挙してKUに押し寄せたような感じでしょうか。

そうそう、8月のKENPのレートは多くの方が予測したような超低水準ではなく、0.5円@ページという比較的安心できる水準だったことも書き添えておきます。

では、僕個人の状況です。

KU開始後1ヶ月で書いたこの記事(KINDLE UNLIMITED、どうですかね?)と同じように、グラフ化して見てみましょうか。

先月のグラフに9月分を足しました。KENPページ単価は、仮に8月と同じ0.5円で入れています。

(まあ、単位は今回も内緒w)
(まあ、単位は今回も内緒w)

KENPページ数は8月の半分ほどになったものの、それ以前のページ数と比較すれば、特別低いものではないように思われます。印税額も、低い水準ではありながらもぎりぎり平常運転を維持、という感じでしょうか。

では次に、売上げ冊数と無料DL数の推移です。

kenp_1609_02

これもやはりKUの影響云々というより、長期的な傾向が大きいです。
これまで無料公開していた小説のうち、『壁色のパステル』と『夜啼く鳥』の無料を止めましたが、大きな悪影響は出ていないように思います。KUの影響だけで無料本のDL数が大きく減るということはなかったのではないかと思います。
もちろん、無料キャンペーンという飛び道具を使っていませんので、そのあたりの影響具合は計れないのですが。

最後に、印税額の推移です。
こちらはやはり、悲しいものがありますねえ。

kenp_1609_03

まあ、KUの影響はない。と言い切りたいところですが、やはり有料本の売上げは低いです。価格の高い本もほとんど動いていませんし、この1年以上で最低の印税額になりました。
でも、これからですよね、いろいろと。

10月は新SF雑誌『現実以外 -オルタニア-』も出ますし、それでちょっとだけ知名度が上がったりするかもしれないなんて、期待していたりなんかしています。
(期待してるだけじゃだめだ。自分で動くんだ!)

そんなこんなの今日この頃です。

じゃ、また明晩!

残しておきたいツイート

さて、今週も過去のツイートから残しておきたいものを貼っていきます。
ツイッターを始めた時のものから始めて毎週少しずつ現在へと近づき、今週は昨年の6月19日にタイムスリップしましょう。

1.

いきなり師匠からです。
最近あんまりツイッターを追えていないので、来年の今ごろは残したいツイートがあまりなくなているような気がします。。




2.

これ、僕みたいなタイプが陥りやすい罠な気がします。
気を付けなきゃいけませんね〜。

3.

これもよく分かります。
つい、敵方のキャラクターには自分とはかなり異なる性格を設定しがちなので、ステレオタイプ化してしまうことがあります。これも、気を付けねば……。

4.

この時に無料化した本のうち、『夜啼く鳥』『壁色のパステル』の二冊は先日有料に戻しました。
無料にしたことの効果が低かったり、むしろ逆効果だったりした可能性を鑑みてのことです。
他の本については一定の効果があると(今のところは)思っていますので、無料で公開し続けるつもりです。

『さよなら、ロボット』については「無料じゃもったいない」という声もありますし、そこそこ長いので無料でDLしても積ん読になるだけの可能性も高いと思っています。
だから、完全に無料で提供するのは短編のほうが向いているんじゃないかという気持ちもあるのですよね。

いつまた再び急に有料に戻すか分かったものではないので、無料の今のうちにダウンロードをオススメしますよ。
『さよなら、ロボット』については……。



マサルの父ケンイチは謎の奇病にかかり三十五年にわたり冷凍睡眠ポッドで眠り続けていたが、ある日突然、研究対象として眠りから呼び覚まされた。そんな時、介護兼ペットロボットのシードが突然失踪、時を同じくして世界中であらゆ­るロボットが姿を消した!
異変が続く中、マサルは父を助けるために旅立つ。
東京、バチカン、ロス、シドニー、ボストン。そして、世界には破滅が──?


5.

うん、これはね、今でも自分に言い聞かせてますよ。
しょっちゅう。

6.

このころからの『山彦』の評判はすごいですよね〜。
さすがです。1年以上経ってるのに、売れ行きも衰えないみたいですし。

7.

自分用メモ。
このこと、忘れてました。ちまちま一つずつ縦中横変換してました。
お馬鹿です。
忘れちゃいけないツイート(笑

8.

師匠。
これ、前にも残したかなあ……。
まあ、いい言葉だし、残す残す。

9.

何だろう?
何だか大事なことに思える。
創作する者にとって、デジタルに頼るべき部分と頼るべきではない部分と。

10.

最後は宣伝で締める淡波でした。
いやあ、Kindle Unlimitedが始まってから、本の売れないこと売れないこと。
いやいや、その前から売れてないです。ごめんなさい……。

精進精進、また精進。
これからももっともっとずっと面白い物語を書きますよ、どんどん!

じゃ、また明晩!


植物の大きさって?

tsubaki

この写真、何の木だか分かりますでしょうか?

そう、椿の木です。

椿の高さって、僕は「人の背丈よりまあまあ高いくらい」ってイメージがありました。
何となく、3mくらい。
僕の家の近所には、たくさん椿の木があるんです。住宅街で見られる椿の木って、普通は庭木ですよね。
だから、まあ邪魔にならないように3m前後に選定されていたりします。
それが、庭ではなく公園や共有空間に植えられていたりすると、かなり育っていたりすることがあって。
写真左の椿は、2階の屋根を優に越えるくらいの高さがあります。高さで言うと、5〜6mは軽く超えているでしょう。
(街灯は手前にあるので、写真上で比較はできませんが)

以前から、すごいなー、大きいなーと思っていたのですが、最近もう一つ気がついたことがありました。
近所の遊歩道にある植え込みに、見慣れた実が成っているのを見つけたのです。
──そう、椿の実です。

恐らくは、この両者は同じ頃に植えられたものです。

かたや、伸び放題に伸びて5〜6mを超え、かたや、毎年毎年きちんと刈り揃えられて、膝丈ほどの植え込みとして生きている。
哀しきかな、面白きかな、あわれかな……。
人は植物をコントロールしようとし、植物は順応して生き延びているのですね。

ここで、wikiを調べてみました。
通常は、5〜6m程度で、18mにも及ぶものがあるそうです。
18mと言えば、6階建てマンション程度の高さ。巨木の部類に入る……。すごいですね。
自分の近所で言えば、ケヤキやクスノキよりも大きいくらい。
あの大きさで、赤い花をいっぱいにつけていたら、さぞ壮観でしょうねえ!

今日は、そんなとこ。
じゃ、また明晩!


今日は、この本を紹介しないと、ね……。

歩きながら、歩道の脇に眼をやる。アスファルトとコンクリートの間、ほんの僅かな隙間から、イネ科だろうか、雑草がびっしりと生えている。大半は薄茶色になって枯れていたが、その間からは緑色の新しい芽が伸びている。
「植物こそが真の主役、ね……」
本当にそうだろうか?
「あれえ?」
作業員の上げた素っ頓狂な声は走り去る潤の耳には届かなかったが、他の作業員の一人が何事かと目を剥いて半身を起こした。

お知らせ─無料本を有料にするよ!

Kindle Unlimited云々の話とは直接関係がないのですが、一つ思ったことがあり、すぐに実行しました。

これまで無料配布してきた小説のうち、次の2冊を有料に戻します。

『壁色のパステル』
『そののちの世界1 夜啼く鳥』

それぞれ理由があります。

『壁色のパステル』は、僕が初めて書いた小説。有料にしておいてもほとんど売れないし、淡波亮作を知っていただくために無料にしようと思って無料にしていました。
──でも、気付いたんです。

無料にするのは、自分に興味を持ってもらって、次の有料本に手を伸ばしてもらうため。
ところが、『壁色のパステル』には《その次に読む本》がありません。家族小説で、SF要素もファンタジー要素も一切ありません。もちろん誰も死んだりしませんし(笑)、不思議なことは何も起こらない平和な物語です。
内容にはそれなりの自信がありますし、初めて書いたからといって、別に文章が拙いということもない(はず)。
であれば、無料にしておく意味がないのではないのかな?
そう思ったわけです。
せっかく広橋悠さんをはじめ、素敵なレビューをいただいている本でもあるので、これはこれで一冊の独立した本として考えた方が良いだろう、とも思い。

『そののちの世界1 夜啼く鳥』については、10冊で構成される同シリーズの3冊も無料というのは、お金を出して買うモチベーションを減らしてしまうかもしれないな、というのが一つの理由。
もう一つの理由は、無料にするのは、シリーズ内でも最も面白い部類の本にすべきだろうと。

『夜啼く鳥』はかなり軽い内容で、さくっとすぐ読めて冒頭にはちょうどいいと思いますが、同様に無料化している5巻の『プロテイン・パック』や6巻の『段ボール箱の中の人形』に比べるとちょっと面白さのレベルは落ちます。これを最初に無料で読むと、せっかく無料の5巻や6巻に手が伸びにくくなるのではないだろうかと、思ったのですね。
逆に、5巻や6巻を気に入ってくだされば、「1巻から全部読みたい」と思う可能性も高いのではないかと。

まあ、そういった訳で、この2冊を有料に戻します。価格は元々設定していたとおりの250円(壁色)、99円(夜)です。
さっそく、BWインディーズと楽天KOBOで価格改定の申請を上げました。
『壁色のパステル』は楽天KOBOで出版停止手続きをして、Amazonではセレクト登録出来るようにしました。
これが通り次第、Amazonサポートさんに有料化をお願いする予定です。
(『壁色のパステル』については、セレクト登録を押すだけで良いかもですが)

と、いうことで、この2冊がAmazonで無料なのはあと数時間かもです。数日かもですが。
(この記事が公開された頃には、BWでは有料になっているはず)

もし、まだお持ちでない方は、今のうちにどうぞ!



彰子(しょうこ)はいったいどこへ? なぜ?
何ひとつ不自由なく、だが無為な日々を過ごす専業主婦の瀬口彰子。突然姿を消した彰子に、夫広平は戸惑い、自らを責める。
妻が隠すように持っていた伝説の抽象画家ヒルダ・ヴーハーの額を見つけるが、娘の言葉から、それが自分の不在時にのみ飾られていたことを知る。
──妻の失踪をきっかけに、平凡で平和な家族に訪れた小さな危機と再生を描きます。



いつもと同じ朝、恭一の目の前を飛び去った二羽のカラス──。
右手の青い袋に顔を向けると、そこには一羽のカラスが陣取っていた。この荷物は自分のものだと主張するかのように。
壊れ始める日常と、非日常がいつの間にか日常になってしまう違和感。そして、更なる非日常の連鎖が、あり得ない出来事を招く──。

残しておきたいツイート─025

今日はちょっと特別なんだよ。
何かって言うとね、、

これさ!
500th

けっこう頑張ってたくさん書いているような気もしてるけどたった500回。されど500回。1000回を目指して頑張んなきゃねー。

では、本題に入ろう!

本日はここから。

1.

こうやって時々、CGって大変なんだぜってつぶやいたりするんだけど、逆に便利なところはものすごく便利なんですよね。今日の500回記念の絵だって、1周年記念のデータを再利用。文字を打ち替えてろうそくを増やして動かして、あとはレンダリングボタンを押すだけ。Blenderのシーンデータの中に後処理も埋込んであるから、周囲を暗くしたりソフトフォーカスをかませたり、ちょい歪ませたりとか、何もしなくても自動的に出来ちゃう。これ、フォトショとかだと全部やり直しですからね。
いやあ、便利便利。

何のことだか分からないと淋しいので、《使用前・使用後》のGIFをお一つ。

(ちょっとスペシャル感が出てる気がする──)
(ちょっとスペシャル感が出てる気がする──)

はい、次。

2.

海外の電子本は安いよね、って話。
どうなんでしょ? 大手出版社の電子本がこのくらい安くなっちゃうと、セルフ出版の本は見向きもされなくなる?
いや、そんなことはないんじゃないかなあ。逆に読者の目が電子本に本格的に向くようになれば、セルフ出版の本も(面白ければ!)読むようになるのが自然なんじゃないのか。そもそも、そんな区別はどんどん意味がなくなっていくだろうし。

3.

最近ね、時々言われますよね、雇用を増やすのに移民はどうかって。
悪くないんじゃないかと。文化的な意味でも、多様な人種が入ってくれば、日本人以外の人と接することが当たり前になって、多様な文化が触れ合い、新しいものを生み出す原動力になるんじゃないかって!

4.

ストーリーを回すためだけに、登場人物を勝手に振る舞わせるのは良くないと思った小説があったんですよね、この時。
そう、思いません?
登場人物はその小説の中の世界に生きていて、作家はその言動を追っていくもの。勝手にいろいろさせると、人格が破綻しちゃうんだから──

5.

そうなんですよねー。確かに、知ってもらうために無料でDLしてもらうってのはとても重要なんだけど、ただ、積まれるだけという可能性も大きくて。それでも、それを久し振りに崩して読むということもあり、持ってなければ読めないんだしね。

6.

ちょっと季節感が微妙だけど、せっかく500回記念なので、きれいな写真も貼っておこうかなぁと。

7.

も一つ。

8.

(大先輩のおツイートをお一つ……)
これはとっても大きなこと。なかなか難しいこと。必要なこと。

9.

藤崎ほつまさんが時々このツイートを取り上げてくださってたんだけど、一箇所文字化けがあって気になってた。今回、自分のツイートを掘り出してみて納得。「〜」だったのね。環境依存文字なんだな、これ。僕はMacで藤崎さんはWin。テキストをコピペすると文字コードの関係かなんかで化けちゃうんだ……。

10.

この頃はまだいわゆる常時無料本が一冊もなかった淡波です。
今では、『壁色のパステル』『さよなら、ロボット』『孤独の王 第一部』『そののちの世界 1、5、6』の6冊がプライスマッチを利用して無料になっています。
未読の方、是非どうぞ。
中でも『そののちの世界 6 段ボール箱の中の人形』は、入門編として丁度いいですよー!
(Amazonへのリンクは右上のほうにありますんでっ)

では、今晩はこれまで。

今後とも宜しくですー!

残しておきたいツイート─014

ども。
今日は変なのからスタート。

1.

あの『段ボール箱の中の人形』の表紙は、ここから始まった! というわけで──。

2.

— 淡波亮作@ルルルとリリリ好調連載中! (@RyoAwa) 2015年2月2日

そうそう、ちょうどこの頃は新刊ラッシュの真っ最中。『そののちの世界』の五話目の発売前で、六話目のCGを作り始めてたってことで。

3.

“キャプチャ試し読み”を初めて試したのはコレだったのかも?

4.

5.

今回も、エンデの名言を挟みつつ。

6.

『段ボール箱の中の人形』も人型ロボットだからねえ。

7.

これは人型ロボット絡みの言及なのか、どうなのか。 まあ、いずれにせよ覚えておきたいことだよね。

8.

残念ながらツイートがサイトで表示されなくなっていたので、キャプチャにて
残念ながらツイートがサイトで表示されなくなっていたので、キャプチャにて

(CGネタ)
ポリゴンモデリングの便利さ:3ds max < Blender
UV展開の便利さ:3ds max < Maya < Blender
本当に本当だって──たぶん。三つとも触ってる僕が言うんだからさっ!
(Mayaはあまりにも《プロ仕様》というのが大きな理由だったりする)

9.

うむ。

10.

最後はこんな宣伝で締めたりするわけで。



マサルの父ケンイチは謎の奇病にかかり三十五年にわたり冷凍睡眠ポッドで眠り続けていたが、ある日突然、研究対象として眠りから呼び覚まされた。そんな時、介護兼ペットロボットのシードが突然失踪、時を同じくして世界中であらゆ­るロボットが姿を消した!
異変が続く中、マサルは父を助けるために旅立つ。
東京、バチカン、ロス、シドニー、ボストン。そして、世界には破滅が──?



牛も豚も鶏も絶滅してしまった未来、肉といえば形のない流動食、〈プロテイン・パック〉だけとなっていた。
久々の有形食を求めて体験ファームに訪れた主人公は、他人とは全く違う未来を体験することとなった……。



子供の遊び相手といえば自律型AIを備えた機械仕掛けの人形であった。
毎年発売される最新流行の人形に世界中の親たちが踊らされて、何十年になるだろう。
世界は人形で溢れていた。
そしてある日、娘の人形がおかしな言葉を喋り出した……。


じゃ!

読んでない/ダン・ブラウン著『Diabolus』

たまたま先日ダン・ブラウンの『インフェルノ』の広告を見て思い出した。
ダン・ブラウンは好きな作家の一人だ。売り方としては《ちょっと難しげ》なイメージを押し出してるし、芸術や科学のうんちくが結構盛り込まれているので小難しいイメージを持たれがちだけど、僕は思いっ切りエンタメ系の作家だと思う。
手に汗握るジェットコースター的な展開、いわゆるアンストッパブル(=読み始めると止まんね〜!)とか、アンプッダウンナブル(読んでると本を置けね〜!)とか、もう、ハリウッド映画のよう。だから映画にしやすいのだろうけど。
SF風味のミステリーだったり、理詰めでどんどん進んでいってガラリとひっくり返したり……、もしかして自作と通じる部分があるのかも、ってところも、好きな要因の一つだったりするかな?
(あはは、世界的なベストセラー作家と無名のインディ作家を比べてどうするのさっ!)

感覚としてはマイクル・クライトンとシドニー・シェルダンの間くらいか。そこそこ下世話で読みやすく、知的な味付けもあるから「くだらない」というレッテルを貼られ難いところはマイクル・クライトン寄りか。
近作はちょっとしつこいと言うか濃いというか、『ダ・ヴィンチ・コード』にあった《ちょっと儚げな美しさ》みたいなものがなくなってるのが少々淋しいかなあ。

で、記事タイトルの『Diabolus』。
これ、よほどのダン・ブラウン好きでも知らないと思われる作品名だと思う。実はこれ、『Digital Fortress(邦訳タイトルはパズル・パレス)』のドイツ語版タイトルなのだ。
ダン・ブラウンの作品を読み始めた頃、発売される端からAmazonで購入していた(と言っても数冊しかないが)のだけれど、あるとき全く聞いたこともないタイトルの本をAmazonで見つけたのだ。
「わ、いつの間にか新作が出てる!」
と思った情報砂漠の僕は即ポチ。
事前情報を仕入れないで読む方が好きなタイプなので、作品紹介も全く読まずに作者名とタイトルだけで買ったわけで──。

家に届いたペーパーバックを開いて、びっくり。
「わ、英語じゃない! 読めないじゃん」
そこでAmazonの商品ページに戻り、ちゃんと《German Edition ドイツ語版》と書いてあることに気がついたのだった。
わー、バカだ。バカ過ぎる。
(そもそも、新作だったらハードカバーのはずでしょ!)

でも、そこでくじけたら淡波じゃない。

ちょうどその頃、僕は仕事でドイツの会社とちょいちょいやり取りがあって、挨拶程度でもドイツ語が出来たらいいなあ、と思っていたのだ。

この偶然も何かの必然さ!
そう思った僕は、突如としてドイツ語の勉強を始めていた。

愛用のiPod touchにドイツ語学習アプリをたっぷり入れて、文法の入門書を買って、コツコツと勉強したのだ。
3ヶ月後、何となく初歩的なルールっぽいものが飲みこめた気がしたので、大胆にも『Diabolos』を読んでみた。辞書を引きながら、ゆっくりゆっくり一文ずつ。
「お、意外といける」──1ヶ月ほどかけて、1章分を読んだ。
(ほんの数ページだよw)

これ、頑張って一冊読み切れば、かなり力が付くんじゃないの? と思ったのもつかの間。何だかんだと忙しくなって、いつの間にやら本もどこかへ仕舞い込み、アプリも全く開かなくなった。
でも、今さら英語版で買うのももったいないし、いつかドイツ語でもう一回挑戦しようかなあなどと思いながら、やがてドイツの会社との縁もなくなり……未だに読んでいなかったりするのだ。

まあ、そんなことでね、彼のデビュー作である『Digital Fortress(パズル・パレス)』だけ、まだ読んでないんだよなあ。新作の噂も聞かないし、やっぱり英語版を買っちゃおうかな。

なんてぼんやり考えていたりする今日この頃。
(いや、山のような積ん読の消化が先だろっ!)

と、いうことで、今日の自作紹介は『そののちの世界7 サタンと呼ばれた男』にしよう。
ダン・ブラウンの『インフェルノ』の冒頭には、ちょっとおどろおどろしい感じの映像作品が描写されているんだけど、『サタンと呼ばれた男』の冒頭シーンに置いた映像は、この雰囲気へのオマージュ的なものだったりする。内容は全然違うんだけど、映像の醸し出す空気感って言うのかな。両方読んだ方なら何となく分かるような──いや、自分でそう思って書いただけ、なのかもしれないけど、ね……。



世界的な株価の暴落を一つのきっかけに、株式市場で”サタン”と呼ばれた男、貝塚剛は、そのあり余る資産を更に拡大させようとしていた。

貝塚の秘書になって三年目を迎えた牧村は、エスカレートする彼の欲望の引き起こす異常な争いに巻き込まれ、翻弄されていく……。


ということで、また明晩!

靴底はなぜかかとが厚いのか?

あ〜、ど〜もスンマセン。
また、変なことを延々と考えてたんだけど、ちょっと付き合ってくれるかな?

一般的に考えて、靴底のかかとはつま先よりも必ず厚い。
それは、なぜか?

──あ、ググらないで。正解はいらないから!

これは思考実験であって、事実を追い求めるものではないのだ。

じゃ、行ってみようかっ。

《1》
その昔、ヒトは靴を履いたことがなかった。地面は土か草が大半で、足に優しかったはずだ。特に、骨に。
かかとの肉はあまり厚くなくて、地面が固いと骨への負担が増加するだろう。だから、歩行時の衝撃を吸収するために、固い地面を歩かなければならなくなった《舗装道路発明以降》のヒトは、靴のかかとを厚くすることを考えねばならなかった。
ん、これはなんか違うか──。
地面が舗装されまくるずっと以前から、ヒトは靴を履いていたんだからさ。

《2》
最初に靴を作ったヒトは、恐らくその底を平らに作っただろう。
だって、土踏まずの凹みに合わせて靴の内底を加工するなんて技術は、難しすぎただろうから。
最初は靴というより、足を包む皮だった。うん、これは間違ってないな。きっと。

せっかく足の裏を保護するために靴を作ったんだから、底は厚めに、しっかりと硬く作ったはずだ。
でもそうすると、裸足の時のように靴の裏は地面を掴むことができない。だからきっと歩き難い。かといって靴底を柔らかくしすぎると、尖った石を踏んだときに怪我をしてしまう。

そこで、靴職人は考えた。かかとを厚くすれば、つまさきに自由が出来る。土踏まずが宙に浮いて、裸足の時と同じような足の形になるし、地面を掴む感覚を保ったまま、丈夫な靴底で歩くことが出来るだろう。
──なんて。

どう?
苦しい?

じゃあここで、正解だ。
(うそ)

《3》
大いなる存在は考えた。
進化して二足歩行になり、道具を自在に使いこなし、万物の霊長に近付きつつある人類は、だんだん面倒な存在になりつつある。
──と。

「生意気な人類めが、勘違いしないように何とかせにゃあならぬ」

「よし、こうしてみるか。足を包む靴ってやつのかかとを、分厚くした方がいいと思わせてやれ。常に体重が前へ向かうように。前進しやすいようにな!」

「それ急げ、歩け、前のめりに進むのだ!」

──大いなる存在は、まず靴職人の心を操り、それを流行に仕立て上げさせたのだ。
プランは順調に進み、人々の心は前のめりに、先へ先へと急ぐことを美点だと考えるようになった。前へ前へと進み続ける意識に、文明は進化させられていった。そして機械文明は、どんどん前のめりに複雑さを増した。
人類は様々な破滅的で暴力的な科学を生み出し、対立を深めた。
自ら生み出したコンピューターサイエンスは、身体も頭脳も、使う必要さえなくしてくれた。
当然の帰結として、人類の退化が始まった。

自らの手を汚さずに人類という種を滅ぼすための準備は万端整ったのだ。今では、10,000を優に超える種類の方法で、人類は自滅のストーリーを描くことができるだろう。
文明という名の堕落を知ってしまった人類種は、地球の歴史のためにはもう不要なものなのだから──。

ね。
かなり納得できるでしょ?
(なわけないか!)

そんな淡波の書いた人類の破滅的な未来は、こちらですがね──。
(最後はどうも自作の宣伝に走ってしまうなあ……計画的犯行じゃないんですよw)




人類はいったいどこまで行ってしまうのか……?
どんなに奇想天外な未来でも、明日にも起こり得るのではないかと変に納得してしまうことの恐ろしさ。 科学万能とも思える世界で暮らす人類が、実は常に、滅亡の縁にいたということが様々な視点から語られます。
科学と文明の過剰な発達がもたらすかもしれない様々な「そののちの世界」の出来事を、SFタッチで、ダークなタッチで、またはユーモラスに描いた短編集です。


《『そののちの世界』は、
各話をバラでも販売しています》
しかも、第一話第五話、人気の第六話は無料です。この機会に是非どうぞっ!
パソコンでこのページをごらんのあなた、ちょうどこの右側辺りに→
リンクがありませんか??
ね。


じゃ、また、明晩をお楽しみにっ!

残しておきたいツイート─012

OK、じゃ、今週も行くぜ!

敬愛するミヒャエル・エンデ氏の遺した言葉から。

1.

2.

深い。取っておきたい。説明・捕捉の必要、なし。
もう一つ。

3.

4.

たまにはこんな音楽ネタも。

5.

これ、大事! つい、似たようなことを言ってしまうことがあるけど。
自戒自戒。

6.

きっと、前ツイートを読んで考えたことだな……。

7.

自著の話。 最近、こんな風に熱烈に書くことが減っている気がした。この気持ちと勢いは大事にしなきゃな!

8.

ちょっとしたTips的な。備忘録として。

9.

10.

最後はいい話で締めましょ。


 

そして、ツイート7.8.9.で触れた自作品が、これですね。
僕の作品の中で最もDLの多いのがこの作品。
無料だから、というのもあるけど、もしかしたら、書いた時の熱が何かに乗って伝わっていたりして?



子供の遊び相手といえば自律型AIを備えた機械仕掛けの人形であった。

毎年発売される最新流行の人形に世界中の親たちが踊らされて、何十年になるだろう。

世界は人形で溢れていた。

そしてある日、娘の人形がおかしな言葉を喋り出した……。


おまけ。
(ここまでスクロールする人はあんまりいないでしょうけど……)
『段ボール箱の中の人形』表紙の変遷をお楽しみください。

初代表紙
初代表紙
帯付き2代目
帯付き2代目
人形がアップになった3代目
人形がアップになった3代目
「人形をもっと魅力的」に、と手を入れた最新版
「人形をもっと魅力的」に、と手を入れた最新版(やっぱり怖いけど──)

じゃ!

猫になりたい──3

お腹がこんなにたぷたぷしていても
めやにはなくそたっぷりたまっていても

生まれてこのかた
一度もお風呂にはいっていなくても

一日、何もしないで転がっていても
食べたい分だけ食べて放っておいても

好きなときに好きなように鳴いても
トイレの砂をぐちゃぐちゃに散らかしても

障子をびりびりに破っても
カーテンをびりびりに破っても
ソファをばりばりに破っても
柱や扉にぎりぎりと傷を付けても

じゅうたんを毛だらけにしても
一張羅を毛だらけにしても

撫でられて嫌な顔をしても
おいでと言われて逃げても

爪を立ててちょっとした怪我をさせてしまっても
花瓶を倒してじゅうたんを水浸しにさせてしまっても

もしわたしが猫だったら、
誰にも叱られることはない

もしわたしが猫だったら、
何も気にせず

ただ愛されて

幸せな日々を過ごせるのに




お茶の間のアイドル、ネコのミーム。人気はCMに始まり、ミームをあしらったチョコレートは飛ぶように売れ、テレビもネットも可愛いネコで溢れていた。さらにどういうわけか、時を同じくしてハリウッドからはネコが主役の映画が同時に2本も届けられた。世界は、ネコの一大ブームに沸いていたのだ。
降って湧いたネコブームに乗り、俺の会社もついにネコ業界へと乗り出したらしい。街を散歩する犬の姿が眼につかなくなった頃、世界の歯車は、大きく狂い始めたのだった。