Tag Archives: さよなら、ロボット

シンチョク─1030

ここ最近でいちばんのトピックは、何といっても新SF雑誌『オルタニア -現実以外-』の創刊ですよねー。
ということで、まずはこちらの話題から。

【オルタニア】
僕もいち編集部員として発刊ギリギリまで各種作業に参加して楽しく過ごさせていただきました。
ちょうど、本日Amazonでの販売も始まりました。いきなり有料本で1,000位台に突入です。なかなかのグッドスタートですね!

先日もちらっと書きましたが、このvol.2用の原稿も既に書いてあるんですよ。まだ推敲が途中なので完成まではほど遠いんですが。

それから、オルタニアのティーザー動画を3本作らせていただいていますが、vol.3に使っている曲のフルバージョンを作りたくて仕方がない最近なんですよね。
そんな時間がどこにあるのさ! と脳内ディレクターに怒られながら、なんか良い感じのポップチューンになりそうだもんと思わずにはいられなかったりして。

【ティプトン】
こちらで連載してきたSF叙事詩の『ティプトン』ですが、いよいよ今週で最終回を迎えます。
まあ、最終回らしい最終回でもなく、ただティプトンさんが現実と頭の中のギャップを淡々と書きつづったものですから、いつもの調子なのですが。
いったんは書き終わっていた作品ですが、やはり連載するにあたって見直していると、必ず修正の手が入ります。
何度も書き直したり削ったり足したりして、小説より直す余地って大きいかもしれないですね……。ケプラーズ本編のディティールを既に忘れている部分とかがあってティプトンさんの気持ちになりきれていなかった部分を直したり、事実関係を直したりとかもあって。

電子書籍化も予定していますが、きっとまたまとめる段階で直したくなるんでしょうね。もう、目に見えるようです。
だから、いつ発売かは不明な状態。
表紙絵はまた、ティオセノス号でいいかなあ……手抜き?

【CG画集】
今も絶賛レンダリング中で、この作業の裏でBlenderくんがウインウイン回ってます。

すでに完成済みのCGデータを再利用して、
「サイズを大きく」
「レンダリング品質を上げて」
静止画を作るだけだと思って始めた省エネ企画でしたが、やはりそうは問屋が卸しません(笑。

もともと小サイズ前提で、各シーンが動いてすぐに通り過ぎる予告編映像用に作ったCGは作りが甘いですし、そもそも当時のスキルが問題。
最初のPV『さよなら、ロボット』予告編を制作したのはもう3年も前ですから、まだまだ全然Blenderの制作ノウハウがなかったんですよね、当時はまだ仕事でもほとんど使っていませんでしたし。

で、マテリアルの設定を見直しはじめて、泥沼に突入です。
質感を見直すと今度は形状が気になって、ライティングが気になって……。全部が気になるスパイラルという。

なんとか『さよなら、ロボット』はレンダリングまで上がり、今は『孤独の王』のCGを修正中。
これが全部終わったら、いったんレンダリングまでの作業は終わりにして、コンポジットなどの画像調整に移ります。
まだ、何点になるかは不明ですが、『孤独の王』までの作品で最初のCG画集にしようかと思っています。

画像だけでなく、ちょっとしたメイキング的なものも載せようかと思っていますが、そちらの内容は未定……。

【魔女と王様】
こんな調子で挿し絵の進捗はゼロ。
前回の反省から、少しずつコツコツと挿し絵を書き進めようと思っていたのに、この体たらくです。
連載は現在全体の3分の1ほどですから、気持ちのどこかでは「まだ全然ヨユーだぜ」と思っているふしがあるんですが、そこがやばいですよね。
うーむ……。

しかし、楽しようとしてもろくなことがないよね、というのが今週の教訓!

じゃ、また明晩!

残しておきたいツイート─025

今日はちょっと特別なんだよ。
何かって言うとね、、

これさ!
500th

けっこう頑張ってたくさん書いているような気もしてるけどたった500回。されど500回。1000回を目指して頑張んなきゃねー。

では、本題に入ろう!

本日はここから。

1.

こうやって時々、CGって大変なんだぜってつぶやいたりするんだけど、逆に便利なところはものすごく便利なんですよね。今日の500回記念の絵だって、1周年記念のデータを再利用。文字を打ち替えてろうそくを増やして動かして、あとはレンダリングボタンを押すだけ。Blenderのシーンデータの中に後処理も埋込んであるから、周囲を暗くしたりソフトフォーカスをかませたり、ちょい歪ませたりとか、何もしなくても自動的に出来ちゃう。これ、フォトショとかだと全部やり直しですからね。
いやあ、便利便利。

何のことだか分からないと淋しいので、《使用前・使用後》のGIFをお一つ。

(ちょっとスペシャル感が出てる気がする──)
(ちょっとスペシャル感が出てる気がする──)

はい、次。

2.

海外の電子本は安いよね、って話。
どうなんでしょ? 大手出版社の電子本がこのくらい安くなっちゃうと、セルフ出版の本は見向きもされなくなる?
いや、そんなことはないんじゃないかなあ。逆に読者の目が電子本に本格的に向くようになれば、セルフ出版の本も(面白ければ!)読むようになるのが自然なんじゃないのか。そもそも、そんな区別はどんどん意味がなくなっていくだろうし。

3.

最近ね、時々言われますよね、雇用を増やすのに移民はどうかって。
悪くないんじゃないかと。文化的な意味でも、多様な人種が入ってくれば、日本人以外の人と接することが当たり前になって、多様な文化が触れ合い、新しいものを生み出す原動力になるんじゃないかって!

4.

ストーリーを回すためだけに、登場人物を勝手に振る舞わせるのは良くないと思った小説があったんですよね、この時。
そう、思いません?
登場人物はその小説の中の世界に生きていて、作家はその言動を追っていくもの。勝手にいろいろさせると、人格が破綻しちゃうんだから──

5.

そうなんですよねー。確かに、知ってもらうために無料でDLしてもらうってのはとても重要なんだけど、ただ、積まれるだけという可能性も大きくて。それでも、それを久し振りに崩して読むということもあり、持ってなければ読めないんだしね。

6.

ちょっと季節感が微妙だけど、せっかく500回記念なので、きれいな写真も貼っておこうかなぁと。

7.

も一つ。

8.

(大先輩のおツイートをお一つ……)
これはとっても大きなこと。なかなか難しいこと。必要なこと。

9.

藤崎ほつまさんが時々このツイートを取り上げてくださってたんだけど、一箇所文字化けがあって気になってた。今回、自分のツイートを掘り出してみて納得。「〜」だったのね。環境依存文字なんだな、これ。僕はMacで藤崎さんはWin。テキストをコピペすると文字コードの関係かなんかで化けちゃうんだ……。

10.

この頃はまだいわゆる常時無料本が一冊もなかった淡波です。
今では、『壁色のパステル』『さよなら、ロボット』『孤独の王 第一部』『そののちの世界 1、5、6』の6冊がプライスマッチを利用して無料になっています。
未読の方、是非どうぞ。
中でも『そののちの世界 6 段ボール箱の中の人形』は、入門編として丁度いいですよー!
(Amazonへのリンクは右上のほうにありますんでっ)

では、今晩はこれまで。

今後とも宜しくですー!

残しておきたいツイート──010

さ、このシリーズも10回まで来ましたよ。
今晩は皮算積人さんのこちらのツイートよから!

1.

ですね、ですね。言葉は生き物。
先日の新聞にこんな話も載ってました(細かな内容は忘れたので大ざっぱな意味のみ)。
──「こだわり」という言葉は、もともと「重要ではない細かなことに力を注ぐ」という意味合いだった。「そんな些細なことにこだわって……」という文脈で用いられる言葉だ。
それが今では、「こだわりの逸品」など、良い意味で使われることが多い。
でも、これを間違っていると考えるのもどうか──
そんな感じでした。
ね、言葉は生きている。変化している。退化でも進化でもなく、世につれ人につれ、自然に変わって行くのが言葉なんだよなあ。

2.

なんだかとっても勇気づけられるツイート!

3.

これは、よく言われることですよね。僕も朗読するように読んでしまうので、遅いです。文字で書いてあることを目の前でリアルタイムで起こっている出来事と考えると、セリフは喋る以上の速度では読めないし、それに引っ張られて地の文も同じような速度になる。
時々、倍速とか三倍速で読んでみる。読めないことはないし、普通に内容は頭に入るんだけど、後がね……。
すっごく疲れてしまうのだ。
普通に早く読める人が羨ましいな。

4.

こういう自分向けのツイートは、極端に読まれないか気に入ってくださるかどっちかだ。
これは、全然気付かれなかった部類。

5.

これは素晴らしい話。Twitterでもプラグインなどで使えるようになってたりするのだろうか?

6.

ポジティブでなくてもいいんだ。ネガティブな自分が発する《何か》をちょっとだけ封じ込めよう!
(出来る時と出来ない時があっていいけどね〜)

7.

怖い。

8.

控え目に宣伝に繋げる……。

9.

カクヨムで拙作『さよなら、ロボット』を読んでくださっている方にはタイムリーですねー。これ、主人公の父親である森池ケンイチが眠っている冷凍睡眠装置です。

10.

その通りと言うか、身につまされると言うか……プロットを無視し始めるタイミングはこのあたりかなあ、と。

ええ〜、お後が宜しいようで……ちゃんちゃかちゃん。

じゃ、また明晩!

『さよなら、ロボット』を改訂!

カクヨムで公開中の『さよなら、ロボット』を改訂した。
先日もお知らせしたとおり、あのカタカナばかりで何とも言えない読み難さを持った第一話を、何とかしたのだ。

物語を損なわず、文体も雰囲気も損なわず、自分を捨てることもなく(大げさ!)、読みやすさをちゃんと追求して冒頭を書き直したのだ。なぜ、もっと早くやらなかったのか、と後悔しても遅いけど、ずっと放っておくよりはずっといい。

まあ、そんなこんなで、第一話の始めでいきなり離脱されてしまう確率がほんの少しだけ軽減された『さよなら、ロボット』を、是非カクヨムで確かめてみて欲しいなあと思う、深夜の淡波。

たしかに、カクヨムは若い人向けなのだろうし、自分の小説は浮いているかも知れない。でもね、オープン以来、全然知らない若い方が十人以上もフォローしてくれたんだよ。これを素晴らしい成果と言わず何と言おう。

こんなこともあるけど。

こんな発見もあった。

だからね、このまま続けるよ。
時々、手を入れたりするかも知れないし、ね。

興味持ってくれた?
ここだよ!

じゃ、また明晩!

朝令暮改でいこう!

はい。言うことがコロコロ変わる淡波です。
カクヨムに出している『さよなら、ロボット』なんだけど、やっぱりジャンルを戻すことにしたのだ。
やっぱりこいつはSF。それ以外のものではないんだから。

というのも、カクヨムがオープンされ、ミステリーのページで色々な作品の紹介をざっと見ていて。すごい違和感に襲われたのだ。
僕の作品、まったくミステリーじゃないわ。ここに並んでいたって、読みたい人に全然届かないじゃないか……。ってね。
(まあ、こういう作品を読みたい人がいれば、だけど──)

そりゃあそうだった。たしかにミステリー風味はあるかも知れないけど、僕みたいにロクにミステリーを読んだこともないような物書きが書いたものが、ミステリージャンルの中に並んでいて馴染むはずがない。
検索にかかるためのタグを見ても、もう、SFとしか言いようがない。
で、迷わず登録ジャンルを変更。たった二日間のミステリー区分だったわけ──。

そしてもう一つ。

これはずっと以前から気になっていたこと。

物語は、主人公のジャーナリスト森池マサルが、取材から帰ってきたところから始まる。
それを迎えるのが介護兼ペットロボットのシードだ。ロボットらしい喋り方を表現しようとして、シードのセリフは仮名を全てカタカナにしている。これがもう、極端に読み辛いのだ。
セリフの流れも滑らかじゃないし、内容もこなれていない。小説を書き始めてまだ1年かそこらの頃に書いたものだから、まあそれも仕方がないかも知れないけど、当時から心のどこかで気になっていたのだ、ずっと!

カクヨムへの投稿をきっかけに、ちょっと第1話を読み直してみたら、その読み辛さに閉口した。
これじゃ、読み始めて投げ出す人続出じゃないか? と、正直思った。
実際、PVを見ても、第1話だけで離脱している人が多いかも知れない。まあ、まだ分からないけど──。

有料で売っていた頃は、有料だから読み進めないともったいないと思って読んでもらえていたかも知れない。だから、好意的なレビューだとか感想を目にして安心し切っていた。
昨年無料にしてから、あまり感想を聞くことがないのは、第1話のせいじゃないだろうか? と、思い当たったのだな。

無料だったら、読み始めてすぐに投げ出してももったいなくないからなあ……。

で、書き直す時間も気力もないと思いつつ、僕はカクヨムのサイトの編集画面から第1話をiPadのテキストエディタにコピペして、もう書き始めていた。どんどん削って、ちょびちょび書き直す。

さて、これを先へ進めるかは分からないけどね。

──悩みつつ、強烈に思ったこと──
【冒頭だけ変えたって、物語の本質は変わらない。
 逆に言うと、物語の本質を変えずに冒頭を修正することなんか、簡単なんじゃないのか!?】

まだ読み始めていないあなた。
もしかすると、もう二、三日待った方がいいかも知れませんよ……。

ってことで、じゃあまた明晩!

よし、ミステリーで決まりだ!

今日は2月28日、ということは、明日は2月の最終日、つまり「カクヨム」のオープン日だ。
ということで、今夜の話題はもちろんカクヨム。

兼ねてから表明してきたとおり、僕は既発表作品で参加。そして、登録の際、当然のようにジャンルを「SF」とした。
作品はご存知『さよなら、ロボット』(あ、知らなかった方、ごめんなさい……)。
僕のプロフィールアイコンやTwitterの背景にも使っている、とても思い入れのある作品だ。

データはepubになっているから、WEB上の投稿システムであるカクヨムに載せるためにはテキスト部分をペーストする必要がある。最近の作品では、行頭の一字下げは普通に全角スペースを入れているのだけれど、この作品を書いていた頃は全角スペースを使ってはいけないと思い込んでいて、一字下げは全てCSSの設定で行なっていた。
そのため、epubを構成するxhtml書類を開いて文字をコピペすると、一字下げは全てなくなってしまうのだ。
それにもちろんルビもなくなって、「漢字+ルビのかな」という構成になってしまう。それを、全て手作業で修正する必要が生じたわけだ。

いやあ、辛かった。
丁度、何年ぶりかで風邪を引いてぶっ倒れて(いや、実際には倒れてはいないよ)30時間ほど爆睡した後、「今やらなきゃいつやる!?」と急に何だか分からん啓示を受けたような気がして手を付け始めたのだ。
(面倒だし、やっぱ参加するの見送ろうかな〜という悪魔の囁きに負ける直前だったわけで──)
全14章のこの作品、1章目を終えた時点で、やっぱやめよう、と真面目に思った。でも、もう1章分だけ頑張ってみるか、と思ったのが運の尽き、もう、突き動かされるように最後まで──。

で、字下げとルビと引用部分を修正しながら、斜め読みしていて思ったのだ。これ、SFって言ってたけど、違うんじゃない? って。

もちろん未来の話だし、ロボットや冷凍睡眠なんかが出てくる。でもそれは舞台装置に過ぎないのではないか、と。

物語が始まると、まず最初の謎が提示される。
主人公マサルの父ケンイチは、不治の奇病「グラマン氏病」で冷凍睡眠していたが、急に覚醒させられ、研究対象として監視されている。
何か、裏がありそうだ。
そして、介護を行なうロボット、シードが突然失踪する。だがシードだけでなく、ロボットの失踪は全世界で同時発生していた。
続いてマサルの「恋人になれていたかも知れない友達」スミカが、バチカンで突然の爆発事故の犠牲になる。
行方不明になった大量のロボットが地下に蠢いていたという証言を残して。

ジャーナリストであるマサルは、ロボット失踪と奇病の謎を解くために世界へ飛ぶ──。

これ、ミステリーじゃん!
(ミステリーファンの皆様、ごめんなさい。僕はロクに読んだこともありませんっ!)

そう、思ったわけだった。

いやあ、こんなことに文字数を費やして済みませんです……。
と、いうことでですね、『さよなら、ロボット』の登録ジャンルはミステリーにしたのだった。

もしかしたらこれで、新たな層に届けることが出来るかも知れないぞ、とか、調子のいいことを思いながら!


ここのところ急に投稿のレギュレーションが話題になっているけれど、基本的には「有料で販売されている限り」参加できない。という基本ルールを信じることにしている。それなら、無料作品ならストア公開作品でも問題ないと考えられるので。
もちろん、大前提を言えばそれも怪しい。そもそもAmazonさんで無料になっているのは、他のストアで無料にしている関係で《Amazonさんの好意によって無料化されている》のだ。
著者ページにおける作品の登録では、0円という設定は不可能で、必ず99円以上の値段を付けなければならない。
そこを《本来の契約内容》を捉えると、Amazonさんで無料化している作品は本来無料ではないということになり、カクヨムの応募規定における「商業的利用について無契約の作品」という部分に抵触する可能性があるのだ。

──これをカクヨムさんがどう考えるかは、まあ、公開期間が始まってから様子を見るしかないと思うので、何かあったらまたこの場かTwitterなどで報告しようと思う。

ではまた明晩!

──この話には、何とも言えない続きがあるのだ、が──

『さよなら、ロボット』最新情報!

楽天KOBO電子書籍ストアにて、いよいよ『さよなら、ロボット』の無料配信が始まりました。kindle storeへのプライスマッチ申請がこれからなので、お急ぎの方(いないか?)はこちらからどうぞ!

『さよなら、ロボット』は、大人も子供も楽しめる空想科学小説です。
舞台は、謎の奇病「グラマン氏病」が蔓延する近未来。この不治の病によって、人類は存亡の危機にさらされようとしていました。
主人公の森池マサルはジャーナリストで、グラマン氏病に冒されている父ケンイチの命を救うため、この奇病の謎を追って世界を駆け巡ります。治療法が確立するまで冷凍睡眠によってその命を永らえさせられているケンイチですが、あるとき《財団》の医師によって、目を覚まされます。
取材旅行から帰ってきたマサルは自分より見掛けの若い父と再会します。が、そんなとき、介護兼ペットであるロボット、シードが突然姿を消します。
でも、姿を消したのはシードだけではなかったのです。数千万体にもおよぶ世界中のロボットたちが、突然大移動を始めたのでした。そして、誰も予想しなかった大事件が巻き起こります。
ロボットたちは、いったいどこへ?
マサルはグラマン氏病の謎を解くことは出来るのか?
そして、世界は……?

こんなお話、いかがでしょう?
(ストアにある小説の紹介文より上手く書けたかも!)

本当はこの機会に表紙も差し替えたいと思ったのだけど、そうするとせっかくのARコンテンツ(ここ参照!→作品ページ内なのでご安心を)が動かなくなってしまうので、今回は見送ることにしました。知ってる人は知っているジュナイオのサービスが12月15日で終了するので、それまでは同じ表紙で行こうかなと思っています。まあ、表紙の画像認識に悪影響を及ぼさない範囲で帯などの改変はしようかと思っていますが。
さて、ここでいきなり話題が変わりますが、ちょいと振り返っておきましょうか。

・まずはARって何?
スマホやタブレット(昔はPCにWEBカメラという組み合わせだった)、はたまたグラス型端末のカメラに写っている映像に、デジタルコンテンツを重ね合わせて表示し、《現実を拡張する》こと、ですね。
日本では最初に流行ったのが《セカイカメラ》に代表されるジオタグ型でした。今は画像認識から動画や3DCGを出すタイプが主流です。今どきは立体認識、環境認識などもありますし、塗り絵タイプなんてのも流行っていますね〜。

・ジュナイオって何?
ドイツのメタイオ社が展開していた世界的なARアプリとそのサービス。何しろ機能が豊富で、追随するものがないほどのすごいアプリでした(個々の機能では優れたものもあるけど、その開発性、機能追加のしやすさ、シナリオの自由度、オープンな開発環境など、最高のARと言っても過言ではなかったのです)。
そしてこの春、アップルがメタイオ社を買収したことによってジュナイオのサービスは終焉を迎え、世界中のAR開発者にものすごいショックを与えました。僕も仕事上、大変な思いをしました。これで食えなくなった開発者も大勢いると言います。
僕は個人的にもその開発者登録をしていて、『さよなら、ロボット』と『孤独の王』でそれぞれコンテンツを制作して公開しています。

・『さよなら、ロボット』のARコンテンツってどんなの?

詳しい説明はこちら(画像をクリック)
詳しい説明はこちら(画像をクリック/冒頭のリンクと同じですが……)

 

ね、面白そうでしょう?(強引)
残念ながら、このジュナイオサービスはこの冬の初めで終わってしまうのだけど、日本でメタイオ社の代理店をしていたサイバネットさんから素敵なお知らせが届きました。ジュナイオ用に作られたARコンテンツの多くを移植できる独自サービスを始めるんですって!

これを個人向けにフリーで開放することは無さそうなので、やはり『さよなら、ロボット』のARコンテンツはいったん終了せざるを得ないんですけど、ちょっと将来に希望を残してくれた感じがします。それに、来年になればアップルがメタイオの技術を基にした、オープンで新しいARプラットフォームを始めてくれそうな予感も大きいですしね!

今日はちょっとITな感じで迫ってみました……。

では!

よし、何とかなった。しかし……

さんざん苦しまされた『そののちの世界』のePub編集ですが、ようやく終了してAmazonさんにデータを提出する直前まで来ました。
何がそんなに大変だったかというと、この短編集は途中から執筆環境を変更したことによって、生成するePUbの構造が全く異なったものになっていたからなのです。

以前の環境は:
執筆/iText Pro
変換/easy epub
これが、短編集の前半を執筆・変換した環境です。

現在の環境は:
執筆&変換/Hagoromo
これが、短編集の後半を執筆・変換した環境です。

あ、もちろん、移動中のテキスト打ちはiPod touchでPlainText2ですが。

Hagoromoは完成時と同じ縦書きで執筆しながらルビをふり、圏点をふり、相対的な文字サイズや行揃えなど、最終的なePubデータとほぼ同じ状態で書き進めることができます。これはとても素晴らしいことなのですが、一つ盲点がありました。
それぞれの物語は短編で、基本的にePub内の文書本体データは1ファイルのみでした。今回の合冊化では、当然のこととして各短編ごとに文書データ(xhtml)を分割する必要がありました。全ての文書を1ファイルにまとめてしまうと、Kindle端末のメモリーを圧迫してしまい、ページめくりがもたついたり表示がスムーズでなくなったりするのだそうです。
そこで、Hagoromoの機能を勉強し、章ごとにデータを分割するようにしました。Hagoromoにはアウトラインプロセッサの機能があり、章タイトルをアウトラインの親要素に指定すると、ePub書き出し時に改ページさせることが出来るのです。基本的にePub3では改ページ=別ファイルと考えられましたので、これで問題は解決、と思ったわけです。

ところが、これが違っていました。たしかにアウトライン機能を用いて書き出したePubは改ページされていました。でも、ファイルは分割されず、一つのままでした。実はこのHagoromoは、古いePubリーダーにも対応できるよう、旧形式互換のデータを吐き出すような仕組みになっているらしいのです。(まあ、技術的なことはよく分かりませんが……)
ePub2(もしくは古い仕様のePub3?)の中にはtoc.ncxというファイルがあって、これが端末上での改ページをコントロールしています。tocとはTable of Contents、つまり目次を制御するファイルということなのでしょう。これでコントロールされているため、文書ファイルを分割する必要がないのです。

前述のように執筆の前後半で環境を変えていたので、書き出されるePubも全く違うものになっていました。これを同じ構造に合わせない限り、一冊の本としてまとめることは出来ません。
書き出す環境が違えば、改ページだけでなく、cssの記述も全く違いますし、ファイル名のつき方も違います。一見同じようなePubファイルですが、中身をみると完全に異なったものです。
そこで、いったん書き出したePubファイルをバラバラに分解し、cssを全て書き直し、ファイル名を付け直し、圏点や縦中横の記述も書き直しました。

まあ、そう書いてしまえばそれだけなのですがね、何せ十作分、300ページを超える分量なので、修正を入れる度に何かしらエラーが発生します。それを直しているうちに不注意でデータを壊してしまったり、一括検索置換で間違った修正を入れてしまったり、いろいろなことがありました。

教訓:一冊の本は一種類の環境で書け。当然ですね。
それから、章で分ける必要のある本は、Hagoromoの書き出し機能を使うな。(アウトライン機能で分割すると、勝手にインデントが付いたりしますし)

こうして無事、『そののちの世界』の原稿はePubからmobiファイルに変換し、Amazonさんにアップできました。(刊行はまだですが)

さて、これが完了したら次は、後二冊の無料化作業です。そのうちの一冊『壁色のパステル』は、すでに有効なePubに編集済み。楽天KOBOへのアップもすぐに出来ました。

もう一冊残った『さよなら、ロボット』。これが問題でした。

この本は、通常のePubにはないmobi用の構造になっているのです。Amazonのヘルプを見ながら、手作業でmobi用のタグを埋込みながら作ったファイルなので、通常のePubとは互換性がないのでした。具体的な点を挙げると、この物語にはコンピューターに隠された過去のライフログ・ファイルを閲覧するシーンが多く出て来ます。その表現を、囲み罫を使って書いているのです。つまり、段落全体を罫線で囲った状態で表示させているのですね。
下記がそのキャプチャ。

囲み罫を多用している『さよなら、ロボット』
囲み罫を多用している『さよなら、ロボット』

 

これのePub版を考えなきゃ、というわけです。そもそも、『さよなら、ロボット』のePUbはiBooksで開いてもePub Checkを掛けてもものすごい数のエラーが出るので、相当な手術が必要かなあと思っています。Pタグ、Divタグのエラー以外に、Fontタグなんかも使ってるようですし。元は2013年に作ったファイルですからねえ……。

罫囲みをePubで再現する方法があるかどうかは分かりませんが、恐らくはインデントと斜体プラス引用符か何かでそれっぽく表現することになるのでしょうね。

いい方法をご存知の方がいましたら、教えてくださらないかなあ。なんて夢見ている淡波でした。

これから群雛用の原稿も書かなきゃならないし、『さよなら、ロボット』の無料化にはいろいろと越えなければならないハードルがあるようです。というお話でした。
無料になるのを待ってくださっている方、もう少し気長にお待ちくださいませ!

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!
(久し振りの決め文句だ)

近々無料化する予定の淡波本、5作

果たしてどちらのタイミングが読者さんのためになるのだろうと迷いつつ、予定の6月末がジワジワと近づいて来ている。

短編連作『そののちの世界』をまとめた短編集を出すにあたり、この中の3冊を無料化しようと思っているんだ。(もちろん価格の決定権はAmazonさんにあるので、これはあくまでも自分としての予定だけど)
無料化する予定の3作は、もうKDPセレクトが終了し、いつでもその手続きに入ることが出来る。
まずは楽天koboさんで無料化し、その価格をもとにAmazonさんにプライスマッチ申請をすることになるだろう。

10作の短編は今までそれぞれ99円で、合計では990円もの金額になってしまうから、まとめてお求めやすくしようという計画だ。今のところの予定価格は350円。強気価格の部類に入ってしまうかもしれないけど、ボリューム感はたっぷりだし、淡波本の価格基準(?)で言えば標準的なところかと思う。
この連作の今までの売上推移を見ると、有料版を数冊以上ご購入くださった方はほとんどいないのではないかと思われる。そりゃそうだ。月1冊の刊行程度であればお小遣いへの負担も大きくないけれど、月に3冊ずつ出ていたこの連作をコンスタントに買うとKDP本としては高額商品と感じる部類に入ってしまうのだから。

さて、短編集のうち、無料化対象がどの作品かというと、下の画像にあるように第1話の『夜啼く鳥』、第5話の『プロテイン・パック』、第6話の『段ボール箱の中の人形』だ。

やはり導入として、第1話は欠かせない。どれを最初に読んでもいいようにはなっているけれど、やっぱり1話目から読みたいという需要はきっと大きいだろう。一番人気の第6話も外せない要素。もう1作をどれにしようかは、結構悩んだ。段ボール箱〜に引き続き五つ星レビューをいただいた『五感の嘘』も考えたけど、無料で五つ星2作を読むとそれより《評価が低いように見える》作品には手が伸びない可能性は否めない。そこで、自信作だけどあまり読まれていない『プロテイン・パック』にスポットを当てようかと考えた。
これで気に入れってくれれば、短編集にはもっと評判のいいものも入っているじゃん、と思って触手を伸ばしてくださる可能性があるのではないかと。
よし、そこまではいい。そこで文頭の悩みに立ち返ると、大事なのは無料化のタイミング。勿体ぶらないでとっとと無料にしなよ、という声が聞こえてくるけど、ちょっと考えさせて欲しいんだ。
無料の3作を読んだ読者さんが、有料の本に興味を持ってくださる。1冊が99円だから、まあ、そう高い買い物ではない。でも、面白いからどんどん読んじゃおう、って思ったとき、残りを全部読みたかったら693円もの買い物になってしまう。これからおトクな350円の合冊版が出るというのに!
だから、やっぱり合冊版の刊行と同時に無料化するのがフェアじゃないかと思うんだ。合冊版の宣伝のために無料化するという側面に目をやると、それはせっかくのタイミングを逸するようにも思われる。宣伝開始と刊行開始が同時なんて、普通に考えると意味がないわけで。

だから、まあ少なくとも前述の無料化3冊については、「今はポチらないでくださいな」というのが僕からのお願い。

短編集以外でも、無料化するためにKDPセレクトの期限が切れるのを待っていたのがもう2冊。『壁色のパステル』『さよなら、ロボット』だ。
壁パスについては処女作だし、生まれて初めて書いたまともな小説だから、無理にお金にしようとすることもないんじゃないか、と思った。これまでお金を出してくださった読者さんには申し訳ないけど。でも壁パスは僕の作品の中で、これだけ全く違うカラーの作品。《家族小説》とうたっているとおり、SF要素もファンタジー要素も、殺人も何にもない。ほんのちょっと恋愛の要素とミステリー仕立(?)の要素が入っているくらいで、ほんわかした平和で暖かい物語だ。自省的で内面的なもの。これはこれで気に入った作品だし、読者さんからの評価もいただいている。断じて投げ売りなんかではないのだ。
でも、この作品が初めて触れる淡波亮作だった場合、そのイメージが別の作品を有料で読むことへの抵抗になるかもしれない。ほんわかしたライト文芸が好きな人が、例えば『ケプラーズ5213』みたいなSFに手を伸ばしてくださるとは思えないもの。
そうでなくても全く違うイメージの有料作品を手に取ろうとするかは微妙だし、壁パスの想定読者とその他の作品の想定読者はかなり異なるものだから。

そこで、もう一つの入り口として『さよなら、ロボット』の出番が来るわけだ。エンタメ系で、読者さんからの評価もいい。エンタメ《系》ではあるけど、ゴリゴリのノンストップ・エンタメではなく、何も考えずに楽しめるストレートなものでもない。そこには重さや暗さが潜んでいるし、ひねくれた視点や耽美的な愉しみも盛り込んでいるつもり。ここで淡波小説の世界観を堪能していただければ、次へ進むのも楽しみになるかな、との期待を持っているのだ。

この五冊が無料化予定!
この五冊が無料化予定!

 

もう一つ、この無料化を決めた重要な要素があることを忘れてはいけない。僕がKDPで初めて著作を刊行してから、もうすぐ2年半になる。なんとかして読者さんの数を増やそうと自分なりに工夫して頑張っているつもりだ。だけど僕の知名度と言ったら、《悲しいほど》を通り越して《あわれを誘うほど》低い。マネタイズを急ぎ過ぎたと言われても言い返す言葉はない。全然ない。当時はフリーミアムなんてイカした考え方も知らなかったし。

知られる努力が足りないんじゃないのかと言われればその通りだろうし、努力の方向がずれてるんじゃないのかと問われれば、それもその通りだろう。でももし、一度僕の本を手にとってもらえたら、きっと好きになってくれる人はいるんじゃないか。少しだけ、その自信はあるのだ。僕の作品は決して万人受けするようなものではないし、メガヒットを狙えるような部類ではない。でも一定数の読者をガッチリつかむことができる面白さは備えているんじゃないかと、信じているのだ。
だったら、子供のお小遣い程度をチマチマ稼いでああだこうだ言ってるんじゃなく、手に取ってもらう機会を少しでも増やすことこそが、今、僕の取るべき道なんだ。そう思うようになった。(全てを無料化して、時々美味しいワインを飲む愉しみをなくすようなところまでは割り切れないけれど……)

この5冊を無料化すれば、これまで出してきた全シリーズのエッセンスに無料で触れることができる(『ケプラーズ5213』は『そののちの世界』と姉妹作だと言っておこう)。
そうやって僕の作品世界を少しでも気に入ってくださる読者さんの数を増やすことができれば、この先もっともっと面白い本を出版した時に、有料でも手に取ってもらいやすくなるはず。ね、あなたもそう思うでしょう?

さあ、無料化までもう少し!

どうか、この記事を読んだ方の何人かでも、無料化を楽しみにして待っていてくださるといいんだけど(≧∇≦)//