火の鳥を読んでいます

久しぶりに読書のお話。

紙の本で読んでから三十数年ぶり、ひょっとすると四十年近く経っているかも知れません。火の鳥のKindle版が出ているのを知ったので、読み始めています。Kindleのサービスが開始されてしばらく経った頃に読みたくて探したのですが、当時はまだkindle版がなかったので、そのまま忘れていました。先日、一巻の99円キャンペーンが一日だけ行われており、それで知りました。現在は通常価格の216円ですが、あの名作がこの安さというのは魅力です。
二巻以降も270円で、大変お得!
一、二巻の『黎明編』に続き、三巻の『未来編』を再読了したところ。
黎明編も素晴らしいですが、未来編のスケール、想像力、大きな愛、そしてなんと最後には黎明編と繋がってしまうという構想力。
ただもう脱帽、ひれ伏すしかありません。

いやあ、本当に素晴らしい。スタンダード(=名作)は決して古くならない、という見本です。今の若い方にとっては絵が古いと感じられるかもしれません。
でも逆に、僕には今流行っているものがあまりにもどれも同じように見えてしまい、一時の流行に過ぎないのではないかと思わざるを得ないのです。
もちろん、今も色々な画風やスタイルがあります。でもメインストリームとしてクールジャパンの代表のように扱われている、いわゆる萌え風の絵。僕にはどうにもなじめません。

こんなことを言っているからおっさんなのでしょうが……。

読んでいて強く感じたのは、いかに自分がこの素敵な作品から大きな影響を受けていたか、ということです。
子供の頃にインプットされたものは、知らずにずっと残っているのですね。あの頃に読んでいて本当に良かった!

未来感、科学に対する考え方、命……。もしこの作品を子供の頃に読んでいなかったら、きっと僕の小説は随分違ったものになっていたのではないか、薄っぺらなものに? そう感じながら読み進めました。

未読の方、一生に何度も出会えないような作品の一つです。
是非、読んでみてくださいね!

短編:Amazonと楽天のはざまで

現在刊行中の短編、『そののちの世界』のシリーズですが、Amazon Kindle Store と楽天KOBO電子書籍ストアの二カ所に置いていただいています。Amazon では99円、楽天では三話目までは0円です。少しでも多くの方に読んで欲しいと考えて経験値の全くない楽天では無料で出しているのですが、無料にも関わらずダウンロード数は極めて少ない状況です。
Kindle Storeの場合は、初めから無料という設定はできず、無料キャンペーンをやれば数百人の方にダウンロードしていただけるのですが…。

楽天では、現在、短編三本分でまだ一桁なのです。やはり、無料にしただけでは人目につかないということなのですね。これでは、気軽に読める新作をじゃんじゃん出して多くの人に手に取ってもらうという計画が、全くの無駄に終わりかねません。
そのため、次の手として、第四話の『フローラ』は楽天でもAmazonと同じ99円に設定。発売後、無料キャンペーンを打つ予定です。これで結果を見て、楽天におけるダウンロード数が伸びなかった場合、その次からは楽天には出さないかも知れません。

Amazonでは独占販売にしない限り無料キャンペーンを打つことができないので、このままでは、せっかく10日ごとに新作を出しても、Amazon でも全く注目されることがありません。せっかくの集客力を無にしてしまうので、ここらが判断のしどきなのかな、と考えている次第。。
→1/20追記、これは、全く無名の僕だからという事情にすぎません。売れている方はちゃんと楽天でも注目されていますね…。せっかく初期から参加したのだし、あまり早く決めつけるのは良くない姿勢かな、と思い直している最中。

ところでこちら、制作中の第五話目、『プロテイン・パック』の表紙です。子供の頃に科学雑誌や図鑑、子供向けSFなどで夢想した<懐かしい未来>のイメージです。まだ途中なので、出来上がったらまた画像を載せますよ。こちらもお楽しみにお待ち下さい!

Work in Progress『プロテイン・パック』
Work in Progress『プロテイン・パック』

 

さて、第四話の配布数はどうなりますことやら…。結果の報告にご期待下さいね!

この記事が、いつか独立系作家の方の役に立てるといいのですが。

短編第四話の表紙が完成

短編集『そののちの世界』の第四話、『フローラ』の表紙が完成しました。今回は一日であがり、ほっとしています。

フローラ
フローラ

 

今回はサクッと出来たので、途中の画像がありません。それが分かるくらい僕の作品に詳しい人はいないかと思いますが(笑)、実はこれ、過去の作品からのシーン流用です。

地形、木、草と石は全て『孤独の王』で作った予告編の大枯れ木のシーンから持って来ています。今回変更したポイントは…

・大枯れ木は焦げて真っ黒い木なので、テクスチャを普通の木に差し替え
・元々あった丘を無くすため、地形を平たく潰して変形
・砂利道をアスファルトの道に変更(全然分かりませんね)
・頂点ペイントをやり直して、草の分布を変更

そしてもう一つ、花は『Waiting』というショートアニメーションから持って来ています。
三色の花を、上述の草原にバラまき直しています。

さて、Twitterで三種のパーティクルを使用、と呟きましたが、もう分かりましたね。
1.草 240万株(12万+Children各20ヶ)
2.石 900個
3.花 3000本 です。
草、石、花とも何種類かずつを作成してグループ化し、それぞれ別のパーティクル・システムでグループをピックしてバラまいたものです。草は一株6本セットで、今数えてみたら一株あたり26クアッドポリでした。つまり、合計では草だけで6240万ポリゴン!

こうなったら、全部数えてみよう。石は3つセットで32ポリ。32×900個で28,800ポリ。花も3本セットで287ポリ。287×3,000本で861,000ポリ。その他に、木が11,167ポリ、地面と道路で1,914ポリ。。。あ、これ、もう誰も読んでないですね。

で、合計は、63,302,881ポリゴン!

しかも、マシンはMacbook Proですから。いやあ、Blenderって凄いですねえ。

今日は訳の分からん投稿でした。

(この記事は誰の役にも立ちません! ← きっぱり)

短編集第三話の表紙用に猫を制作中_2

ようやく続編です。というか、表紙画像完成の報告です。

奇想短編集 そののちの世界 第三話『可愛くてしかたがない!』

 

今回はかなり苦労しました。可愛くなったかどうかは別として、ようやく完成です。まあ、主役として目力のある猫にはなったんじゃないかと…。

うちの子(ブリティッシュ・ショートヘア)とは全然違う種類の猫にする積もりが、ちょこちょこ参考に見ているうち、やっぱりそれっぽくなってしまいました。

前回のウェイト・ペイント後にパーティクルで毛を生やした直後のレンダリング画像が下図。多少、長さは調整できているのですが、法線からまっすぐ毛が生えているため、固い針金のようです。

呪われそう?
呪われそう?

 

パーティクル・エディットの中でコーム機能を用いて毛を梳かしてみたのですが、どうにも難しく、上手くいきません。ここで、コームを用いると頂点ペイントの値が無視されることが発覚。結構時間を掛けた作業が無駄に…。

毛に覆われた変な化け物?
毛に覆われた変な化け物?

 

パーティクル・エディット機能で、梳かしたり短くしたりカットしたりしながら調整。だんだんそれらしくなってくるも、全く可愛くない、犬みたいという問題に遭遇!再度スカルプトモードに入って顔全体の形を整え、Photoshopでちょこちょこと整えたのが最終の表紙画像となりました。

犬ねこ?
犬ねこ?

 

さて、楽しんで頂けましたでしょうか?

肝心の小説は1月15日の刊行予定です。これまで通り、Amazon Kindle Storeでは最低価格の99円、楽天Booksでは無料で配信します。タイトルには「可愛い」と入っていますが、実は、ちょっと怖い話です。猫好きの方はご用心かも!

 

短編集第三話の表紙用に猫を制作中

奇想短編集『そののちの世界』の第三話として予定している『可愛くてしかたがない!』の主役は猫です。表紙のために猫のCGを制作し始めました。

まだまだ途中ですが、適宜、状況をアップしたいと思います。

第一段階はフリーのCG彫刻ソフト Sculptris で形を作ります。ソフトを起動すると、こんな球体が現れます。Blender ではキューブですが、彫刻ソフトの場合はこんな球体が多いです。球体からだとキャラクターの頭などが作りやすいんですよ。

作り始め
作り始め

途中のスクリーンショットを撮っておかなかったのですが、Sculptris ではこの辺りまでざっくり作り込みました。ざっと二時間ほどでしょうか。今一つ猫っぽくないですね…。

Sculptris
Sculptris

全体の大きさや位置を調整するために、一旦 obj で書き出して、Blender にインポートします。

Mirror
Mirror

編集モードで左半分(X軸のマイナス側)を完全に削除し、Mirrorモディファイヤで左右対称に編集できるようにします。いきなり Sculpt モードにしてX軸対象にしてもいいのですが、そうするとScultprisから Blender にせっかく持ってきた意味があまりありません。

こうして下ごしらえすれば、編集モードで頂点をずらしたり部分で拡大縮小したり出来るため、Sculptris で行うより効率良く全体のバランスを取れるのです。

Dyna topo オン
Dynatopo オン

Sculpt ツールバーにあるDynatopo 機能をオンにすれば、 Sculptris と同じようにメッシュを増やしたり減らしたりしながら彫り込んでいけます。ただし、Mirror がかかった状態でDynatopoをオンにすると、Sculpt 時には図のように Mirror 側が非表示になります。しかも、Mirrorのセンター付近を編集すると、センターがずれて隙間が空いてしまうので、注意が必要です。

間が空いてしまったら、一つ上の図のようにMirror センターのエッジをぐるりと選択(編集モードで Alt + クリック)し、X軸方向に0縮小をかけてから、プロパティのTransformでX Locationを0と数値入力します。これで、Mirror軸の隙間がぴったり埋まります。

スクリーンショット 2015-01-04 22.56.07

さて、Blenderに持ってきてからかれこれ1時間。何だか人間ぽくなってしまったかな…。でも、最後は毛も髭も生やす予定なので、気にせず先へ進みます。

ウェイト・ペイント
ウェイト・ペイント

次は毛を生やすための準備、ウェイト・ペイントを行います。毛のないところは青、最も毛の長いところが赤で、毛の長さの分布を考えながら、頂点カラーを塗り分けてゆきます。

さて、今日はここまで。続きはまた数日(?)後に!

『完全なテロメア』:発売準備完了!

完全なテロメア
完全なテロメア(前回と同じ画像ですみません…)

淡波亮作の新刊ラッシュ第3弾。奇想短編集『そののちの世界』の第二話『完全なテロメア』をAmazon Kindle Storeと楽天KOBO電子書籍ストアに登録完了! 発売はどちらも一月五日ですが、Amazonは明日から予約出来ます。(楽天では無料にしているので、1/5を待ってくださいね)

紹介文は下記の通りです。

第二話の本作は、『完全なテロメア』

21世紀半ばのこと、生物学上きわめて重要な二つの発見がなされた。第一は、三流生物学者のジェーン・マンスフィールドによる<普通でない冬眠と、そのメカニズムの発見>であった。そして、ジェーンの死から18年後、ジェーンの設立した基金を得てサラ・ロウェルがなした第二の発見こそが、人類の姿を根本から変えてしまう<テロメアを完全に制御する方法>であった。
ついに人類は、あらゆる文明が有史以来夢に見てきた理想郷へと足を踏み入れることになったのだ…。

すぐに読めて、でもずっとどこかに残ってしまう。ちょっと不思議でほろ苦い読書体験が、あなたを待っている!
本シリーズは末尾に5が付く日に最新話が刊行されます。各短編にストーリー上の関連は一切ありませんので、どの回からでもお読みいただけます。

よろしくお願いします!

新作短編『完全なテロメア』:表紙が出来あがりました!

完全なテロメア
完全なテロメア

 

一月五日刊行予定の短編集二話目、『完全なテロメア』の表紙が完成しました。CG部分は昨日のチュートリアルからほとんど変わりがありませんが、全体デザインは『奇想短編集 そののちの世界』のシリーズでずっと同じものを踏襲します。

今回のレンダリングはCyclesで。20分ほど掛かっています。白く浮いているダストは別レンダリングでのコンポジットですが、同じ長辺4800pixのレンダリングでも、ダストは数分でレンダリング完了しています。被写界深度を浅くして、サンプル数も500くらいに上げていますが、Cyclesのレンダリングは速くなりましたねえ!

レンダリング後、最初はPhotoshopで加工し始めたのですが、Dispersion(レンズ収差)の表現がきれいにいかないのでBlender内でのコンポジットに切り替えました。Vignet(ヴィネット=周辺減光)やちょっとしたフレアの感じもBlenderのCompositorで処理する方がいい雰囲気になりました。最後に文字や色網などのレイヤーを重ねる部分だけPhotoshopに戻しています。

まずは予定通り、二話目まではデータ完成です。

DNAの作りかた:Blenderチュートリアル

DNA
DNA

短編集『そののちの世界』の第二話、『完全なテロメア』の表紙用に、DNAの二重螺旋構造を制作中。BlenderならCGにほとんど縁がなかった方でも簡単ですよ!
こちらではBlender自体の紹介、入手やインストール方法、基本的な使い方を書いてはいません。まだ一度も触ったことのない方は、藤堂++さんの分かりやすいチュートリアル・シリーズをこちらからどうぞ!

以下、形状の作りかたを簡単に解説します。
(もちろん、科学的には全く正確ではありません。念のため)

オブジェクト等の選択は左クリックに変更している前提です。右クリックのままにしている場合は、ご注意下さい。
一般的なマウス操作と違和感なく作業するには、左クリックへの変更が必須です。Blenderには高尚な哲学があって右クリック標準になっているのですが、使いにくいものは仕方がない。最初から左クリックに変更しましょう。変更の仕方はこちら(当サイト内)へどうぞ。

始まりはデフォルトキューブ。
始まりはデフォルトキューブ。Blenderを開くと始めから置いてある四角い箱です。

 

tabキーでエディットモードに入り、S, Z, 12と順にキーを押し、Z方向に12倍に拡大します。SはScale、つまり拡大縮小の頭文字ですね。
tabキーを押してエディットモードに入り、S, Z, 12と順にキーを押し、Z方向に12倍に拡大します。S は Scale、つまり拡大縮小の頭文字ですね。

 

Ctrl + R でループカットします。マウスホイールを回して、カットする箇所(=赤紫の線)を11に増やします。
オブジェクトの長手方向のエッジ近くにマウスカーソルを置き、Ctrl + R を押してループカットします。マウスホイールを回して、カットする箇所(=赤紫の線)を11に増やします。背景にあるグリッドとカットした線の位置が合っていれば OK。右クリックでループカットを終了します。

 

ループカットを行った後はエッジモードになっているので、Ctrl + tab でモード変更。ポリゴンモードにします。
ループカットを行った後は編集がエッジモードになっているので、Ctrl + tab でモード変更。ポリゴンモードにします。

 

もちろん、画面下中央あたりのポリゴン選択ボタンを押してもいいんですよ。

 

図のように面を選択し、Shiftを押しながら2つおきに選択します。
図のように面を選択し、Shiftを押しながら2つおきに選択します。

 

Iキーを押してから少しずつマウスを動かし、ポリゴンのエッジを図のようにインセットします。動きが大き過ぎて上手く出来ない時は、マウスを動かす時にShiftキーを押せばゆっくり動きます。
I(アルファベットのアイ)キーを押してから少しずつマウスを動かし、ポリゴンのエッジを図のようにインセット(内側に新たなエッジを作る)します。マウスの動きが大き過ぎて上手く出来ない時は、マウスを動かす時に Shift キーを押せば選択範囲がゆっくり動きます。

 

インセットされた内側の小さいポリゴンを全て選択します。
インセットされた内側の小さいポリゴンをクリックして全て選択します。二つ目以降は Shift + クリックですね。選択後、そのポリゴンをデリートします。(Delete キーか X キーでデリートします)

 

図のように穴が空きましたね?
図のように穴が空きましたね?

 

tabキーを押してエディットモードから出た後、Shift + D でオブジェクトを複製します。その際、Ctrlキーを押しながら、10グリッド程度離れたところに移動しましょう。
tabキーを押してエディットモードから出た後、Shift + D でオブジェクトを複製します。その際、Ctrlキーを押しながら、10グリッド程度離れたところに移動しましょう。(ここまでは遠近の全くないオルソビューで作業している前提です。もし、図のようにグリッドとオブジェクトの大きさがぴったりあっていなければ、それはパースビューになっているのかも知れません。5のキーを押して、ビューの見え方を変更してみましょう。図の左側のようになりましたか?)

 

5キーを押してビューポートをパースペクティブビューにし、遠近感が付くようにしておきます。コピーした方のオブジェクトは穴が外を向いていますので、穴が向かい合うように回転させます。 R(回転)、Z(Z軸を中心に)、180(180度の回転)と順に押しましょう。
(オルソビューになっている場合は)5キーを押してビューポートをパースペクティブビューにし、遠近感が付くようにしておきます。コピーした方のオブジェクトは穴が外を向いていますので、穴が向かい合うように回転させます。
R(回転)、Z(Z軸を中心に)、180(180度の回転)と順に押しましょう。

 

再びtabキーでエディットモードに入り、穴を空けた箇所の周囲のエッジを選択します。Altキーを押しながらエッジをクリックしましょう。ぐるりと選択出来たら、そのままShiftキーを押し、先ほどと同じようにAltキーを押しながらクリック。向かい合わせになった二箇所のエッジが選択出来ましたか?
再び tab キーでエディットモードに入り、穴を空けた箇所の周囲のエッジを選択します。Alt キーを押しながらエッジをクリックしましょう。ぐるりと選択出来たら、そのまま Shift キーを押し、先ほどと同じように Alt キーを押しながらクリック。向かい合わせになった二箇所のエッジがぐるりと選択出来ましたか?

 

画面左下のMeshメニューからEdgesを選択、その中の Bridge Edge Loops をクリックしましょう。
画面左下の Mesh メニューから Edges を選択、その中の Bridge Edge Loops をクリックしましょう。

 

図のようにポリゴンが繋がれば正解です。
図のようにポリゴンが繋がれば成功です。

 

引き続き、他の箇所も繋ぎましょう。今度はメニューからでなく、Ctrl + E のショートカットを使ってみましょう。すると、先ほど操作したメニュー項目が、予めハイライトされています。すかさずそこをクリック。さっきより素早く出来ましたね。
引き続き、他の箇所も繋ぎましょう。今度はメニューからでなく、Ctrl + E のショートカットを使ってみましょう。すると、先ほど操作したメニュー項目が、予めハイライトされています。すかさずそこをクリック。さきほどより素早く出来ましたね。

 

同様に、全部の穴を繋ぎましょう。
同様に、全部の穴を繋ぎましょう。

 

次は、この段階では効果の分からない編集です。後ほど全体を丸める処理をしますが、その時に隣のDNAと隙間が空いてしまわないように、角を丸めないための編集です。
次は、この段階では効果の分からない編集です。後ほど全体を丸める処理をしますが、その時に隣の DNAと隙間が空いてしまわないように、隅を丸めないための編集です。梯子の最上部と最下部にあたるエッジのすぐ内側に、エッジループでエッジを作ります。Ctrl + R ですね。今回はエッジは各一本のみなので、ホイールは回転させません。そのままマウスを動かすと、エッジの入る場所がスライドします。図は、最上部のエッジぎりぎりに新しいエッジ(オレンジ色)をスライドさせているところです。動かしている最中は画面の左下にエッジの移動距離が出ています。これを見ながら、1未満で出来るだけ大きい値にします。

 

次は、横長の4つのポリゴンの両端に新たなエッジを作ります。まずは Ctrl + R でエッジループを作り、マウスホイールを回転させてエッジを2本にします。右クリックでエッジループのモードを抜け、次々と4箇所でエッジループを作ります。この時、エッジループの場所が動いてしまわないように注意して下さい。動いてしまっても右クリックでモードを抜ければ位置は元通りになりますので、心配はいりませんけどね!
次は、横長の4つのポリゴンの両端に新たなエッジを作ります。まずは Ctrl + R でエッジループを作り、マウスホイールを回転させてエッジを2本にします。右クリックでエッジループのモードを抜け、次々と4箇所でエッジループを作ります。この時、エッジループの場所が動いてしまわないように注意して下さい。動いてしまっても右クリックでモードを抜ければ位置は元通りになりますので、心配はいりませんけどね!

 

新たに作ったエッジループを全て選択します。Alt + クリックでぐるりと選択し、続けて Shift + Alt + クリックですね。選択が完了したら、ポリゴンの長さ方向に沿うように、エッジを移動させます。図の場合は左右方向がY軸になっていますので、S + Y キーを押してからマウスを動かします。画面左下の数値を見ながら、左右端のエッジに重ならないぎりぎりの場所までエッジを移動します。
新たに作ったエッジループを全て選択します。Alt + クリックでぐるりと選択し、続けて Shift + Alt + クリックですね。選択が完了したら、ポリゴンの長さ方向に沿うように、エッジを移動させます。図の場合は左右方向がY軸になっていますので、S + Y キーを押してからマウスを動かします。つまり、左右方向にエッジを拡大することで移動するのです。画面左下の数値を見ながら、左右端のエッジに重ならないぎりぎりの場所までエッジを移動します。

 

さあ、これで基本形が出来ました。いよいよDNAっぽい形に編集していきましょう。
ここから下の説明では、図の右側には、予め3本のDNA鎖が出来上がった状態が表示されています。左側の新しく作る鎖に注目してくださいね。

 

modifiers
オブジェクトを選択した状態で、画面右側の Properties パネルからスパナアイコンの Add Modifiers を表示させ、そこをクリックします。様々な Modifier が並んでいますので、その中から Subdivision Surfaceモディファイヤを選択します。

 

Subdivision Surfaceモディファイヤをかけて、角を丸めましょう。梯子の上下や手を掛ける部分が丸くならないよう、ループカットでエッジを立てておきます。
すると、角が丸まりました。Subdivisions : の設定で Viewを 2 にすると、画面表示上、さらに滑らかに見えます。Render : が 2 になっていれば、レンダリングする時にはきれいに丸まります。画面表示や操作がもたつく場合は、View を 1 にしておきましょう。(図は、丸める前と丸めた後の違いが見やすいよう、エディットモードにしています。)

 

面にスムージングを掛けます
画面左側にあるツールバーからShadingの Smooth ボタンを押し、面にスムージングを掛けます

 

ArrayモディファイヤでZ方向に並べます。
先ほどと同様にAdd Modifiers から Arrayモディファイヤを掛け、Z方向にオブジェクトを並べます。Count を15 にします。15個並べる、という意味ですね。図の紫の線で囲んだ部分の右下のボックスに1と入力します。最初から1が入っている二つ上のボックスは X 方向なので、ここは0にしましょう。これで、 Z 軸方向へ、オブジェクトの大きさと同じだけ移動したオブジェクトが並びます。この数値を増やすと隙間が空き、減らすと間が詰まります。つなぎ目が気になる場合は、0.99くらいに設定しても良いでしょう。

 

Twist
同様に Simple deformモディファイヤで Twistを掛けます。5周分ひねるということで、Angleの数値を1800度に設定しています。でも、少し形が変ですね。ひねりが均等に入っていないため、DNAというより螺旋階段状の梯子になっています。

 

この原因は
この原因はオブジェクトの左右センターにオブジェクトの原点(ギズモ矢印の根元にある小さなオレンジ色の丸印)が位置していないことにあります。原点は、最初に形状を作り始めたキューブのセンターに残ったままなのです。ここで一旦 Simple Deform モディファイヤの効果を切ります。モディファイヤ名の右にある目玉アイコンをクリックして明るいグレーにすると、一時的にモディファイヤが無効になるのです。

 

エディットモードに入り、オブジェクト全体を選択します。ショートカットでは、A キーです。
エディットモードに入り、オブジェクト全体を選択します。ショートカットでは、A キーです。画面下の Select メニューから、Select All でもOK。選択後、オブジェクトの左右センターにオブジェクト原点が来るよう、オブジェクトを移動します。

 

っっっv
オブジェクト原点の位置がセンターに揃いました。

 

ここ
目玉を再度クリックして濃いグレーにし、Twist の効果を戻します。

 

DNA
ホラ、DNAになりました!

 

Empty
全体をぐにゃりと曲げるために、そのカーブを調整するための Empty オブジェクトを作ります。Empty という形のない「調整用オブジェクト」を用い、その位置を基準にして曲げ具合を調整するのです。画面下の Add メニューからEmpty, Plain Axis を選択します。

 

Empty がシーン全体の原点に作られます。
Empty がシーン全体の原点に作られています。

 

このEmptyをカーブの
このEmptyをカーブの調整に用いるために、DNAのオブジェクトを選択します。Add Modifiers から Simple Deform の Bendをクリックし、Origin と書かれたところの下にあるボックスをクリックします。調整に用いることの出来るオブジェクトの候補が出ますので、そこから Empty を選択します。

 

見やすいように、Empty をオブジェクトから少し離します。この距離によってもカーブのかかり具合が変化しますので、後ほど位置を調整します。
Empty をオブジェクトから少し離します。この距離によってもカーブのかかり具合が変化しますので、後ほど位置を調整します。

 

Empty を移動した方向を軸として、DNA のオブジェクトを90度回転させます。すると、オブジェクト全体がぐにゃりと弧を描いて曲がります。
Empty を移動した方向を軸として、DNA のオブジェクトを90度回転させます。すると、オブジェクト全体がぐにゃりと弧を描いて曲がります。Empty の位置を少しずつ動かしてみて、DNA が好みのカーブを描くようにしましょう。

 

DNA の鎖を複製します。DNA オブジェクトと調整用の Empty 両方を選択し、Alt + D でインスタンス複製し、適当な見やすい位置に移動します。
DNA の鎖を複製します。DNA オブジェクトと調整用の Empty 両方を選択し、Alt + D でインスタンス複製し、適当な見やすい位置に移動します。(回転・位置の調整がしやすいように、トップからのパースが付かないオルソビューにしています)

 

そのまま新しい鎖を90度回転させ、一つ目の鎖と接続するように位置を調整します。
そのまま新しい鎖を Z 軸基準で90度回転させ、一つ目の鎖と接続するように位置を調整します。

 

座標系をローカルモードにすれば、思い通りにオブジェクトを回転させられます。鎖は長いので、ビューを左右二つに分割し、回転ギズモをアップで表示させるためのビューと実際に接続される部分をそれぞれ注視しながら回転させます。

 

DNA_03_17
微妙な位置合わせをするために、画面を3つに分割しています。色々な方向から見て、ずれが最小限になるよう、調整します。この時は、移動のショートカットキーである G を使うと便利です。各ビューで G のキーを押して、マウスを少しずつ動かしてみて下さいね。

 

出来上がった DNA の鎖と Empty 全てを選択し、さらに Alt + D でインスタンス複製します。複製したら X 軸を基準にして180度回転させます。
出来上がった DNA の鎖と Empty 全てを選択し、さらに Alt + D でインスタンス複製します。複製したら X 軸を基準にして180度回転させます。

 

最後にZ 軸を基準に、適度に回転させて二重螺旋構造を完成させます。
最後にZ 軸を基準に、適度に回転させて二重螺旋構造を完成させます。

 

Displace
形状が出来上がったら、雰囲気を出すためにDisplaceモディファイヤを掛け、表面をデコボコにします。デコボコの形を設定するため、Displace モディファイヤの Texture 設定で New ボタンを押します。

 

Texture パネルに移動し、Texture のタイプをClouds に設定します。
Texture パネルに移動し、Texture のタイプをClouds に設定します。

 

Clouds の大きさを調整します。Size のパラメーターの値を好みで調整します。1〜2の中間あたりが良さそうです。
Clouds の大きさを調整します。Size のパラメーターの値を好みで調整します。1〜2の中間あたりが良さそうです。

 

最後にもう一回Subdivision Surfaceモディファイヤを掛けて、表面を滑らかに整えれば出来上がり。
最後にもう一回Subdivision Surfaceモディファイヤを掛けて、表面を滑らかに整えれば出来上がりです。

 

いかがでしたか?
自分好みの二重螺旋が出来たでしょうか?
長い長いチュートリアルを最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございます!
3DCGでの形状の作成方法は一通りではありません。人によって様々な方法やノウハウがありますので、もっとずっと効率良く作れる方法がきっとあると思います。現時点で、僕の出来ること、ということでご了承下さればと思います。

質感設定とレンダリングについては、機会があればまた書きたいと思います。リクエストがあれば、お寄せ下さいね。(こうやればもっといいよ! というご意見もお待ちしています)

それでは、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

初期設定の変更:Blenderチュートリアル

無料で何でも出来る統合型3DCGソフトのBlender。3DCGに縁のなかった方のためのチュートリアルを作り始めましたが、やはり避けて通れないのが初期設定。最初が肝心です。

ダウンロードやインストールについてはWEB上にチュートリアルや説明が山ほどありますので、それは置いておいて、こちらでは少しでも使いやすくするための、特にテンキーのないノートPCで使いやすくするための初期設定を解説します。

1.左クリック設定

ほぼ全てのコンピューターソフトウエアは、画面上で何かを選択するのは左クリックですね。Blenderの場合、これが右クリックの標準設定になっています。これが、Blenderが変態だと言われてしまう由縁の一つなのですが、そこには高尚な哲学があり…。なんて話をするとややこしいのでやめましょう。
Blenderの中でも左クリックで選択するべきものと右クリックで選択すべきものがあり、相当慣れないと間違えてばかりいます。これが初心者殺しの一つの大きな要因かと僕は思っています。
操作に慣れていなくともマウスクリックの仕方で迷ったり間違えたりしまわないよう、左クリック標準に変えてしまいましょう。

初期設定をメニューから選ぶ
初期設定をメニューから選ぶ

Blenderを起動したら、画面上のメニューから File / User Preferences を選択します。一番上のタブで「Input」が選択されていれば、下図のような画面が出ます。そうでない場合は「Input」ページに移動します。

初期設定画面
初期設定画面

初期設定画面が出たら、図の紫の線で囲った部分、「Select With : 」で Left をクリックします。これで<左クリック標準>に設定完了です。

画面下部にある「Save User Settings」のクリックを忘れずに。これを保存していないと、次回の起動時に設定が戻っています。また、この初期設定変更は、必ず作業前に行って下さい。初期設定を保存すると、その時のBlenderの状態を完全に保存してくれますので、何かの作業中にこれを行うと、起動するたびにその作業状態を再現してしまいますので。

2.テンキーのないキーボードでの設定

上の図で、先ほど左クリック設定をしたボタンの二つ下にある「Emulate Numpad」にチェックを入れて下さい。これで、文字キーの上に並ぶ数字キーがテンキーの数字と同じ働きをします。
テンキーの数字はビューを変更するため常に使用しますので、この設定は必須です。(これをしないと、数字キーはレイヤー切替ボタンとして機能します。キーを押した途端に画面から何もなくなってしまう、なんてことが起きますので、必ずチェックして下さいね)

Emulate Numpad でテンキーがなくても便利にナビゲーション出来るようになりましたが、まだ足りません。ピリオドのキーが非常に重要な役目を持っているのですが、このキー割り当てはそのままなのです。ピリオドの役目は、その時に選択されているオブジェクトやポリゴン内の要素が画面の中央になるようにビューを変更する、というものです。(下図参照)

オブジェクト・モード:隅に行ってしまったスザンヌ(猿の名前です)も、ピリオドキーで中央に
オブジェクト・モード:隅に行ってしまったスザンヌ(猿の名前です)も、ピリオドキーで中央に
エディット・モード:隅に行ってしまったスザンヌの眼も、ピリオドキーで中央に
エディット・モード:隅に行ってしまったスザンヌの眼も、ピリオドキーで中央に

 

この機能をテンキーなしキーボードで使えるようにしましょう。

ショートカットの当てられた機能を探す
ショートカットの当てられた機能を探す

先ず、初期設定画面のInputページで、紫の線で囲んだ「Name」の右に View Selected (選択したものを見る、という意味ですね)と入力します。全部打たなくとも、View Sまで打てばその機能の一覧が下に並びます。

if04
ショートカットキーの割り当て

紫の線で囲んだボタン(初めは前の図のように「Ctrl  Numpad .」となっています)をクリックすると、ボタンが濃いグレーになり、「Press A Key」という文字に変わります。これは、機能を割り当てたい任意のキーを押してね、という意味です。
文字キーのピリオド「.」を押しましょう。英字入力モードでなくとも大丈夫です。

. キーに変更
. キーに変更

これで変更出来ました。

全てのモードで使えるように
全てのモードで使えるように

この機能は形状作成だけでなく、様々なモードで利用出来ますので、ずっと下に続いている「Numpad .」を全て「.」に変更してしまいましょう。

最後に「Save User Settings」のクリックを忘れずに。

これに似たもので「/」スラッシュキーを使った Local 切り替え機能がありますが、これは複数のオブジェクトがある時に、選択オブジェクトだけを残して一時的に他を非表示にすることが出来ます。非常に便利ですが、機能がトグルになっているため少し慣れないと迷子になることがあります。まずはこちらの機能から慣れても良いでしょう。

3.Mac限定。Functionキーのショートカットを変更

Macをお使いの皆さん、Function キーには画面やデスクトップに関する便利な機能が色々と割り当てられていますよね。これ、Blenderを使うときにはショートカットの邪魔をしてしまうのです。
特に頻繁に使うレンダリングの機能がF12キーに当てられていますので、F12キーを押すとMacのダッシュボードが出てしまうのは非常に不便。これは僕の場合の設定ですが、Macらしく、Command + R をレンダリングキーとして設定しましょう。

レンダリングを Command + R に
レンダリングを Command + R に

「2.」での変更と同様、初期設定画面の「Input」ページで、Nameに「Render」と入力し、レンダリング機能が当てられているショートカットキーを表示させます。

F12となっているボタンをクリックして「Press A Key」の表示になったら、Command を押しながら R を押しましょう。さあ、これでOK。
レンダリング機能が二つありますが、下段はアニメーションレンダリングです。これを同じショートカットキーにしてしまっては不便ですので、Shift + Command + R にしましょう。ちなみに、同じように見える機能でも、名称の左側にある白い三角ボタンを押して設定内部を開くと詳細が分かります。下の方にある Animation にチェックが入っていますね。

最後に「Save User Settings」のクリックを忘れずに。

これで、初期設定の変更方法は終わりです。Blenderは頻繁にバージョンアップがありますので、将来のために設定を書き出しておくと便利です。「Save User Settings」の右側にある「Export Key Configuration」ですね。

では、Happy Blending !!

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

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