執筆モードを切り替える

長編、短編、お伽話。
ここ何年かで僕が徐々に獲得してきた執筆モードだ。
今、ショートショートのモードを手に入れるべく、格闘している。

星新一賞に応募するための作品を書いた時は、短編執筆モードだった。文字数制限が10,000字だったから、これまでの短編のやり方で大丈夫だったからだ。結局はなかなか10,000字に収まらなくて相当苦労したけれど、まあ、それでも何とか書き上げることはできた。

群雛の増刊号でSFショートショートの賞が創設されると聞いて、僕はピクリときた。応募してみたいなと思った。でも、応募のレギュレーションを読んでびびった。

・45字×20行を1ページとして、4ページまで

これは、僕にしてみればとんでもなく短い制限だ。文字数にすれば3,600字で、今まで書いてきた短編(しかも短い部類)の3分の1しかない。
ちょっと考え方を変えて、とにかく短く書いてみようと思った。
全編クライマックスの連続で、だれるところが一切ない、説明も描写もない、盛り上がりだけのショートショートなんてどうだろうと思って書き始めてみた。ちょうど、短編〜中編向けのアイデアで向いていそうなものがあったのだ。

電車で書き始めた。
説明を省き、どんどんどんどんクライマックスだけを書いていった。ん、面白いな、こういうの。と思いながら、1日目を終えた。その時点で約2,000字。筋としては多分、全体の半分弱だ。ちょっと長いけど、まあ、削ればいいだろうと思った。

家に帰ってHagoromoに流し込む。書式を45字×20行に変更すると……、あれ? 既に5ページ目に入っているじゃないか。ストーリーの半分弱なのに、文字数はもうオーバー。

何でだろ? と考えてみた。

そうだ、20行で1ページを4ページまでということは、たった80行だ。文字をびっしり埋めれば原稿用紙8枚分の文字量だけど、改行の多いスピーディーな展開では、原稿用紙4枚分しか書けないのだ。
しかもタイトルとエンドマークで4行取られてしまえば、そこで5%は消えている。物語の転換部では空白行を入れたいし……、と考えていくと、内容は70行程度だろう。短いセリフの応酬を数回入れると、もう数分の1は埋まってしまう。

と、考えたところで撃沈だ。
この話はショートショートに向いていない。そう思って諦めた。だって、まだまだ書きたいことが山のようにあって、イメージは膨らむ一方だ。これを無理やり短く収めたって、誰も楽しめない粗筋にしかならないよ。

そうだ。

ショートショートってのは、今まで僕が書いてきたものと根本的に違うのだ。

モードを、切り替えなければいけないのだ。

(明日へ続く!)

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