Cyclesの影に色を付ける

ツイッターを見てくださってるBlender好きなひとにはもうお分かりかと思いますが……

先日、漫画家の藤原佑介さんがつぶやいてらして、ちょっと興味を持ったんですよね。

僕の場合、Cyclesでレンダリングするのは
「フォトリアルの表現をしたい場合」と、「アンリアルにしたい場合」の二通り。

こんなですね。

なつかしいな、これ。4年くらい前の画像だ……
なつかしいな、これ。4年くらい前の画像だ……

アンリアルの場合は、こんな。

知る人ぞ知る「とろろ姫のテーマ」のPVですねw
知る人ぞ知る「とろろ姫のテーマ」のPVですねw

で、この中間というのをあまり考えたことがなかったんですよね。
まあ、このへんは別として。

これの制作は、ちょっとずつ進んでます……
これの制作は、ちょっとずつ進んでます……

リアルにしたい場合は、Cyclesは物理系のレンダラーなので自動的に影に色がつきます。環境からの反射光に応じて、影にも色が乗るわけです。
例えば物理スカイを使った屋外シーンであれば、影にはちゃんと空の青味が入ります。
逆に、アンリアルなものの場合は、そもそもレンダリング時間を早くするためというのが一つの目的だったりするので、影を使わなかったりします。
アンビエント・オクルージョンで間に合わせれば充分だったり、接地感の悪さをごまかすためには上の画像のようにへんなリフレクションを入れたり、とか……で。

で、影に色を付けたいというつぶやきを読んで、僕もちょっと調べてみたんですよね。
そんなフェイクがCyclesで出来るのかな? と思いながら。

結論を言えば、簡単に出来ました。
今のところ分かっている方法でいえば、やり方は二通り。

一つは、マテリアルをいじる方法。
もう一つは、レンダリング結果に対してコンポジットでいじる方法。
どちらもシンプルです。

それぞれのノードセッティングと、簡単な解説を載せますね。

Shadow Rayの濃度をマスクにして、ディフューズからーに透明色を乗っけると考えると分かりやすい。
「Shadow Rayの濃度をマスクにして、ディフューズカラーに透明色を乗っける」と考えると分かりやすい。
上の設定でのレンダリング結果。
上の設定でのレンダリング結果。

要は、マテリアルの出口にMix Shaderを追加して、もとのMaterialにTransparent Shaderの色を乗っけるわけですね。それが合成される度合いを、Shadow Rayで調整する。ということです。

さて、このLight Pathノードですが、たくさんアウトプットが並んでいます。いろいろと試してみたくなるのが男心というもので……。

試してみて面白かったのがこの二つ。

Ray DepthをFactorに接続すると、影だけではなくて周囲にも色の影響が出る。より自然な感じがする?
Ray DepthをFactorに接続すると、影だけではなくてオブジェクトにも色の影響が出るので、より自然な感じがする?
Ray Lengthを接続。これは不思議な感じ。擬似コースティクスを生成するのに使えるかも!
Ray Lengthを接続。これは不思議な感じ。擬似コースティクスを生成するのに使えるかも!

マテリアル・ノード、いろいろいじっていると面白いですね。

では次、コンポジットで行なう方法です。

事前にレンダー設定内の「pass」でShadowにチェックを入れておくことが必要です。レンダリングされた影の要素に、Color Rampで着色します。
事前にレンダー設定内の「pass」でShadowにチェックを入れておくことが必要です。レンダリングされた影の要素に、Color Rampで着色します。

オブジェクトのシャドウ側にも色が着くので、リアリティに勝ります。しかも、レンダー後にいくらでも変更できる。
オブジェクトのシャドウ側にも色が着くので、リアリティに勝ります。しかも、レンダー後にいくらでも変更できるのが面白い。影の色だけアニメーションさせるとかも。

道のりは長そうだけど、いろいろ面白い効果が狙えるかも。

ぜんぜんコースティクス風にはならなかったけど、ね。
ぜんぜんコースティクス風にはならなかったけど、ね。

何かの参考になれば……。

じゃ、また明晩!

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