カテゴリー別アーカイブ: Blender

『かんたん万華鏡メーカー』をリリース!

Twitterでフォローして下さってる方にとっては、
「また言ってるわ」
そうでない方にとっては、
「なんのこっちゃかわからん」
という感じかと思います。

この度、懲りずにWebGLを使って開発したアプリをリリースしましたのでお知らせします。

『かんたん万華鏡メーカー』は、1枚の写真を読み込むだけで自動的に万華鏡っぽい画像を生成してくれるアプリです。万華鏡は三角柱の内側に貼られた鏡に次々と風景等が映り込んで変化しつつ模様が繰り返されるようになっていますが、その振舞いをBlenderでシミュレートしてアプリ化しました。

こんな画像や
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こんな画像や
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こんな画像を瞬時に作れるほか、
youtube04

こんな画像や
Kaleidoscope_19_51_45

こんな画像の作成も思いのままです!
Kaleidoscope_20_30_39

パソコンやタブレットでキーボードが使えれば、矢印キーを用いてノンストップで模様を変化させられますので、VJやインスタレーションのようなことも可能です。

Mac用とWindows用アプリは300円でBoothにて販売開始(本日!)、$3でGumroadでも発売しました。
また、無料の体験版としてWebでそのまま使えるバージョンも用意しています!
体験版はこちらからどうぞ。
(有料版は10種類のプリセットつき、体験版は1種類のみで切替はできません)

美しい画像を作れたら、ぜひTwitterやインスタでシェアして下さいね!

ではまた!

アプリ「スモールプラネットメーカー」をリリース

Twitterでフォローして下さっている方はとっくにご存知のことと思いますが、初めての「実用的な(!?)」アプリである『かんたんスモールプラネットメーカー』をリリースしました。

スモールプラネットって、ご存知ですか?
風景写真をくるっと丸めて、まるで小さな惑星のように加工した写真のことです。

smallplanet_14_09_55
写真はUnsplashより

普通の風景写真からこういった形に加工するためには、Photoshopなどといった画像編集ソフトが必要です。
これを、誰でも簡単に楽しめるようにと作ったのが本アプリ。

アプリに画像を読み込む(Openメニューか、画面へのドラッグ)だけで、自動的にスモールプラネットに加工してくれます。まさにワンタッチ!

smallplanet_20_27_51

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スモールプラネット写真のみならず、ちょっと不思議な写真、アートっぽい写真を簡単に作れます。ちょっとしたバランスの調整や、背景色の変更もごく簡単な操作で可能です。

BoothGumroadでMac版・Windows版のアプリを販売していますが、無料のWeb版もあります。
アプリの作成自体をVerge3Dで行なっていますので、元々はWebGLの(=ブラウザ用)アプリです。Verge3Dの最近のバージョンではパソコンやスマホ用のアプリに書き出すための機能がついたので、さっそくそれを利用してアプリ化したというわけです。

Web版を使ってみたい方は、こちらのリンクからどうぞ!
Boothの販売ページにはアプリを使っている様子の動画もありますので、参考になるかと思います)

使ってみてステキなスモールプラネット写真が出来たら、ぜひSNSなどにアップしてみて下さい。
もしアプリを気に入って下さったら、有料版のご購入をご検討くださいますと嬉しいです(たった300円です!)。

そうそう、スモールプラネットの写真を作るには「画像編集ソフトが必要」と書きましたが、アプリはBlenderで作成したCGデータを元にしています。画像編集ソフトがなくても、Blenderがあればスモールプラネットを作ることは出来ますね。ただ、このアプリのようにあちこちを調整出来るようにするのはかなりたいへんじゃないかと思います。

最初のバージョンをリリースした先週の時点では、画像の保存に時間が掛かるというVerge3Dのバグに拠る不具合がありました。
私の方からVerge3Dの開発元に報告しましたところ、すぐにバグフィックスされたため、即、再リリースの運びとなりました。
ぜひぜひ、お楽しみ下さいね!


あ、そうそう、Blender99シーズン1.5の07〜10合冊版ですが、発売記念価格999円は本日まででしたね!
明朝、定価の1,2991,250円に再設定しますので、ご購入予定の方はお早めにどうぞ。
(本ページの右上にリンクがありますので!)


では、Happy Blending !!!

NPR:ちょっと面白いフェイクシャドウの作り方

《本記事は、Blender Advent Calender 2020、12月24日の参加記事です。入門者向けとしてはちょっと難しいかもしれない内容も含みますので、ご了承下さい》

「シャンパンなんか開けてる場合じゃないぜ、Blenderを開くんだ!」

えーさて、Blenderのマテリアルプレビューを見ながらアニメーションなどを作成していて、そのままビューポート表示をレンダリングすることもあるかと思います。そのまま作品として使っても良いくらいマテリアルプレビューの表示がきれいなのは周知の事実ですね。
Eeveeのさらに美しいレンダリング表示も良いですが、マテリアルプレビューだと性能の高くないPCでも相当な高速できれいに表示されますし、とても魅力的です。

ここからサクッとレンダリング!
ここからサクッとレンダリング!

 

でも、ひとつ淋しいポイントがあります。左がマテリアルプレビュー、右がレンダリングプレビューですが、宙に浮いている足と接地している足の区別が付きません。そう、光の影響がないため、影がありませんね!

 

そこで、マテリアルプレビューのインスタントな美しい表示に、《フェイクでそれっぽいシャドーを追加する方法》を考えてみました。

結果はこちら。

 

空の色や靴の色を影の中に映り込ませるGIの効果も盛り込んでみました(やり過ぎですが!)

なかなかきれいでございましょう?

では、設定など。左足から行います。

 

■影用オブジェクトの用意

・左足のシャドウ用オブジェクトとしてプレーンを用意、UVを調整するために1回だけ割りを入れる(図を参照)
・左足の子にする(Ctrl+P)
・Shrinkwrapモディファイアを掛け、floorオブジェクトに貼り付かせる
・プレーンは真上からUV展開する

床との隙間を2mm開けています
Shrinkwrapは、床との隙間を2mm開けています

 

■プレーンを影にするため、マテリアルを設定
基本の構成としてはシンプルなものです。
Shadow03

 

透明なマテリアルに暗い青色のEmissionマテリアルを合成し、マスクで抜いています。ポイントは、Facに繋がるマスクをプロシージャル・テクスチャーで作っているところでしょうか。

SphericalのGradientテクスチャーを用いると、白黒の円形マスクを得ることができます。マスクの階調をMap Rangeで調整し、望みのボケ足をにしています。

次の動画は、たった1回の面分割でも、靴と影が概ね似た形にUV調整可能なことを示しています。

 

あとは靴にアニメーションを付ければ、それっぽい影の完成です。影用のプレーンはShrinkwrapによって地面から2mmの高さに固定されながら、前後左右の足の動きには追従しますので、これだけでもしっかり影らしく見えますね!

動画は、左足がここまでの設定、右足はこの先の設定(色と形の変化)を含んだものです。

 

■足の動きに対応して影の色と形を変化させる

2つのオブジェクトを関連付けたうえで異なった動きをさせるには、Driver機能を使います。Driverの深い部分については私自身もしっかり理解していないので、「とりあえず使える」レベルの使い方ですが……。

足が接地している状態のZ座標をコピーしておきます。

 

shadow6

 

影用のマテリアルにColorRampとMap Rangeを追加してEmissionのColorに接続します。ColorRampは3分割程度にし、右端を足が上がりきった時の影の色に、左端を接地した時の影の色(=間接光の影響で、影に靴の赤色が付く想定です)にします。shadow7

 

Map RangeノードのValue枠内で右クリックしてメニューを表示。
Add Driverをクリックすると、Driverの設定が開きます。
Shadow8

 

先ほどコピーした足の座標値をExpression:の数値としてペーストし、頭にマイナス記号を付けます。「var(=変数=足の位置のZ座標)から1.1546を引いた値(=0)が変化の初期値」というような意味になります。

Objectとして足を選択し、TypeでZ Locationを選択します。

これで、「足がZ軸上を上に移動すると、影のColorRamp色設定が右側の色へ変化する」ということになるわけです。
Shadow9

 

左足のここまでの仕上がりです。

 

最後の工程です。足(=靴)が地面から遠ざかると、影が弱くなって消えていくように、Driverを設定します。

Shadow11

 

という値になるよう、From MaxにDriverを追加し、設定します。

足が接地している時、図の下に見えるValue(=Zの座標)は1.155(1.1546の四捨五入値)です。Driverを追加直後(図の左)のDriver Value(=影響を受け取る側の値)は1.355になっています。これが0.2(Driverを追加する前のFrom Maxと同じ値)になるよう、Expressionの値(緑色の部分)を調整します。

0.2から1.155をマイナスした値=-0.955が適正値です!

※この時、足が地面に接地している状態で行なって下さい。そうでない場合は、値がずれてしまいます。

左足が出来上がったら、右足用の影にも同じマテリアルをアサインした上で複製して別マテリアルとし、Driveする元のオブジェクトとして右足を指定し直します。

マテリアルの内部にDriverの設定を行なっているため、同じマテリアルのままだと全く同じ振舞いになってしまいます。マテリアルを複製後、別物として編集し直すことを忘れないようにして下さい。

出来上がったものをもう一度、見てみます。

 

今回使用したBlenderファイルは、こちらで無償配布(クリスマスプレゼントにしてはちょっとしょぼい?)させて頂きます。影の色を自由に変化させるなどして、遊んでみて下さいね!

【FakeShadow_by_driver.blend】

なお、本記事で解説した以外にも、靴の内部が暗く見えるように頂点カラーを合成したり、靴の飾りのためにオブジェクトインスタンスを使ったりと、ちょっとした小技も埋込まれていますので!

ちなみに、地面が平らでなくともこの方法は有効です。影をさらにサブディバイドした上でちょっと試してみた動画をどうぞ。ただし靴にはボーンの設定も何もしていませんので、靴はめちゃくちゃ減り込んでますし、地面の凹凸を大きくしすぎて影も破綻していますが……!

 

上手に使えば、なかなか便利そうだと思いませんか?


最後までお読み下さいましてありがとうございます!

では、年末年始もHappy Blending !!


 

Blender Advent Calendarに戻るのは、こちらからどうぞ。

 

ゲーム『ザ・スザンヌ・アタック』をアップデート

ぼくの作った初めてのゲーム(クソゲー)である『ザ・スザンヌ・アタック』をアップデートしました。作業は一昨日完了した積もりだったのですが、本日見直したらまた結構ダメな部分が残っていて(アプデ前よりダメになってたところもありました…)、本日またアップデートをしたのです。
ご存知の方はご存じかと思いますが、Twitterをやっていない方にとってはなんのこっちゃか分からないかもしれませんね(笑

『ザ・スザンヌ・アタック』は、ぼくがここ1年ちょっとハマっている最高のWebGL開発ソフトであるVerge3Dで開発したアクションゲームです。まあ、宇宙空間を飛び回っているスザンヌをクリックまたはタップするとスコアが増えて、ミスったり火に触れて火傷するとスコアが減るという他愛ない内容です。
自分で何度かプレイしてみてちょうど良いくらいの難易度に設定したつもりですが、何しろ普段全くゲームをやらない人間なので、バランス的にはよく分からないのです。

アップデートでは、内容や難易度は変わらず、いくつかバグフィックスを行なったのと、エンディングにアニメーション+音楽を加えました。
ほんとうはスタート画面にもBGMがあるのですが、ブラウザゲームというものの宿命なのか、音の自動再生が機能しないみたいなのですよね(環境によっては鳴るみたいです)。で、タイトルをクリックすると鳴るようにはしていますが。

ただ、せっかくアップデートしてもブラウザ上のゲームというのは辛いもので、ユーザーさんがブラウザのキャッシュをクリアしないと新しいデータにならないんですよね……

ちなみに、Verge3Dの開発画面はこんな感じのものです。
verge
パズルという仕組みを用いて、ごく小さなプログラムの命令の塊を繋いでいきます。パズルは、GoogleのBlocklyをベースに開発されているようです。非プログラマーにとってありがたいのは、文字の打ち間違いやコロン、カッコなどの過不足によるエラーが皆無なことです(htmlのプロパティをテキストで入れたりすることはありますが)。これは非常に大きくて、エラーが出て動かなかった時に、その原因の明確化がかなり早いです。
絶対に繋げられないパズル同士は繋がらないようになっていますし、それぞれの役割によって色分けされているのもありがたいですね。

ご興味のある方は是非、無料のトライアル版(商用利用不可ですがフル機能です←ウォーターマークが入ります)を使ってみて下さい。Blenderの他に、Mayaや3ds Maxのプラグインとして機能するエディションもあります。リンクはこちらからもどうぞ。
(情報は英語、中国語、ロシア語しかありませんが……)

では、また!

進捗──0215

バレンタインとか知ったこっちゃありませんよねえ、チョコ会社の販促キャンペーンなんか!とすら考える暇もなく、ひたすらBlender99を書いている淡波でございます。
さて、明日がXデーの可能性ですが・・・どうにも怪しい雲行きであることはきっと一万人(÷100)くらいの読者さんにはもうバレているのではないかと思います。

今日もずっと作業していましたが、まだ見直しの一周目が終わらない状態です。もちろん、動画リンクページもまだ少ししか作っていませんし、表紙も完成していません!

でもまだ諦めていませんよ。
「ごめんなさい、間に合いません」と書くタイミングを計っているわけでもなく、ほんとうにまだ「間に合うかも」という一縷の望みに光明を見出して頑張っている状況です。とだけ言っておきましょう。

世間は《Blender2.82リリースされたよ祭り》の真っ最中ですが、ひたすら書きます、直します。

また明日、報告します。

では、Happy Blending!!

どうもありがとうございます!

昨日無事にリリースされた新作『イン・ザ・フォグ』ですが、20名もの方にお買い上げ頂いて、非常にありがたい気持ちでおります。まことにありがとうございます!
おかげさまで、Amazonの新着ランキングで良い位置につけております(ロマンスとSF/ホラー/ファンタジーのカテゴリー)。

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Amazonの読み放題にも登録しているので、そちらでも既に3冊ほど読まれています。

さっそく、Twitterでレビューをいただきました。


嬉しい限りです!

でも、問題はこれからですよねえ。
いつも発売直後に少し売れて、それ以降はぱったり。という感じなので。
(Blender99は例外中の例外ですね)

昨日から、少しずつプロモーションビデオを作り始めています。普通は発売前に用意するものなのでしょうが、まあ、そこまで余裕がないので仕方がありません。
今回はあまり凝ったことは出来ないので、表紙に使ったCG素材を中心にちょこちょこ動かしたりしてつくろうかな、と。

と、それとは全然関係ないのですが、たまたまTwitterでのちょっとしたBlenderノウハウのやり取りで、デスクライトを簡単にモデリングしたのですよ。
それが楽しかったのでいじっていたら、『イン・ザ・フォグ』の宣伝も兼ねた短い映像が出来ました。

どうぞ。

立体視用の映像にもなっていますので、得意な方はぜひ立体視してみて下さい。
平行法用です。

では、今日はこんなところで。

また、来て下さいねー。
んがんぐ。

長年のあの疑問を一気に解決する日が来ましたよ!

《こちらは2018年 Blender Advent Calender 参加記事です》

さて、気になるタイトルですね。
私にとって十数年のあいだ気になっていた疑問が、今年になって溶けたことがあったのです。
今まで様々なレンダラーを使用してきましたが、いわゆる『物理的に正確』と言われるものが持っている表現上のある死角について、ずっと気になっていました。

それは、ガラスの表現です。
コースティクスの話ではありません。コースティクスについてはもうレンダラーの作りの問題ですので、気にしても仕方がありません。
(良いフェイクの方法も各種ありますし)
もっと基本的なことです。

こんな画像、見たことがありますか?

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スザンヌでしょ? それが何か?

じゃなくて、質感です。スザンヌはガラス、奥のシリンダーはグロッシーなメタルです。でも、何かがおかしいと思いませんか?

そう、スザンヌの中の黒ずみはまだガラスだから納得いきそうな部分があるとしても、シリンダーの側面にある真っ黒い部分はおかしくありませんか?

周囲は物理スカイで囲まれており、真っ黒な場所など全くありません。金属反射の中に真っ黒なものがある理由はないはずです。

この現象、CyclesだけではなくMaxwell Renderなどでも起こります。ずっと忘れていたのですが、先日たまたま困っている人がいたことで思い出して、ガラスシェーダーのことをWEBで調べていました。すると、Cyclesシェーダーの不具合じゃないかと(過去に)海外で話題になっていたものを見つけたり、「ガラスの表現がどうしても上手くいかない」と嘆いている人を見つけたりしました。

そこで言われていた解決法は、従来型のレイトレーサーにおけるガラス表現の向上法でした。

つまり、

「透過のレイを出来る限り増やせ」

「レイが届かない時の色(=エンドカラー)を設定せよ」というもの。

グリーングラスなどの場合、エンドカラーを深緑や環境色に設定することで透過の屈折が足りない部分を誤魔化すことが出来ますが、Cyclesでは少々シェーダーノードに手を入れないとエンドカラーの設定は出来ません(それを解説をしている人もいましたが、私には少々ハードルが高いものでした)。それより何より、「Lightpaths」「Transparency」をやたらと増やしたり、「Glossy」のバウンスを増やしたりしても、この黒ずみに対する改善効果はないのです!
「Glossy」のバウンス数を100以上、150程度まで上げると黒ずみが解消されます。レンダリング時間にもさほど影響はないようです。下記の方法も有効ですが、簡単に黒ずみを解消する方法として、Glossyの値を大きく増やすのが良いでしょう。《2020年11月追記》

それに、問題が起こるのは透過だけでなく、メタルの質感も同様なのです。そこにはまた別の問題と解決方法が、あるはずなのです。

──そろそろ勿体ぶるのはやめますか(笑

15年ほど前にSubdivisionサーフェスが登場して以来、CGにおける滑らかな形状の表現は飛躍的に向上しました。ただ、それと並行して従来の法線スムージングによる疑似的な滑らかさの表現もそのまま残りました。それは当然ですよね。ゲームなどのリアルタイムCGでは様々な再生端末やネットワーク帯域上のボトルネックもあり、ポリゴン数を少なく抑える方がいいという事情に変わりはないのですから。

そこで、法線スムージングの問題が起こることになったわけだと思います。

要するに、次の画像と同じ(全く同じではありませんが)問題が、Cyclesのレンダリングでも起こるわけです。

ローポリオブジェクトの法線をスムーズシェーディング
ローポリオブジェクトの法線をスムーズシェーディング。シリンダー天面の奥が不自然に黒ずんでいます。

先ほどのレンダリング画像は、シリンダーをスムージングした上で「EdgeSplit」モディファイアを掛けることでエッジを立てています。「EdgeSplit」を外すと次のような結果が待っていることは、誰でも想像が付くことですね。

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シリンダー天面のエッジが消え、無理やりスムーズシェーディングを掛けた結果として、《現実世界ではあり得ない黒ずみ》が発生しています。マテリアルをガラスにしていると、

「光が屈折しあって暗くなる領域があるのだからそんなものか」と考えてしまいがちですが、この現象と同じだったのですね。

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少し実験をしてみましたので、結果を報告しますね。

スザンヌやシリンダーのようなソリッド形状ではなく、ワイングラスです。

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画像の中の文字は判別出来ますでしょうか。センターの手前、青い文字で説明を書いているグラスが、ほぼ理想的な見え方です。曲面に厚みがあって複雑な屈折をする部分では黒っぽい部分がわずかにあり、それ以外には不自然な要素はありません。

フラットシェーディングになっているのはもう2つ、後列のものです。左はポリゴンではなくカーブを回転体にしたもの。右はポリゴンです。どちらも面の角は目立ってしまいますが、明らかに不自然な黒ずみはありません。手前の左右にあるスムーズシェーディングの2つは、トップ部分が妙に黒ずんでいます。

2脚だけをアップでレンダリングしてみました。左右ともスムーズシェーディングを掛けた状態にしています。

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コースティクスがオンなので、サンプル数が足りないのはご容赦くださいませ

どちらのグラスも見た目の曲面は十分にきれいですが、実際のポリゴン数は右の方が遥かに多いものです。もう1つ、見て下さい。次は、左右で同じポリゴン数でシェーディングのみの違いです。黒ずみはどうなるでしょう?

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ね、同じ条件だと違いが顕著ですね。さすがにカットガラスでもない限りフラットシェーディングでは絵になりませんが、グラスの表現で黒ずみを抑えたかったら、嘘のシェーディングをなくす、つまり、実際の法線とシェーディングによって滑らかにされる法線の角度を出来る近づけることです。もっと簡単にいえば、法線スムージングで作られる滑らかな面と同じくらい滑らかにポリゴンを分割することです。

【改めて結論】

・ガラスの黒ずみは透過のレイが足りないのではない。ましてやエンドカラーを設定しても意味はない。原因は、実際の面法線とは異なるスムーズシェーディングによる法線にある。
足りないのはGlossyのレイ。ただし、ちょっとばかり増やしても効果はない。形状によるが、ワイングラスのようなものなら150程度にすると劇的に改善する《2020年11月追記》

 

【具体的な解決方法】

・面を分割すること、これに尽きる。Subdivision Surfaceを掛けられるオブジェクトなら、レンダリング時に 独立した面法線が判別出来ない程度に細かくSubdivisionすること、です。

最後に、スザンヌ(Subdivision=4、スムーズシェーディング)とシリンダー(曲面の分割=256面、フラットシェーディング)をレンダリングしたものをどうぞ。

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いずれも十分にきれいですね!

 

これでもう、

「ガラスがどうしても黒くなる!」

なんていう悩みで眠れないことはなくなりますね!

皆さまの制作に、少しでもご参考になれば幸いでございます。


あ、そうそう、これはもう偶然の賜物としか言いようがないのですが、私の著書である『Blender99 きっと絶対に挫折しない3DCG入門』のシリーズ最終巻が、ちょうど12/9発売なのですよ!

いや、もう本当に狙ってませんから。偶然の一致です。

当ブログ記事は12/9になると同時の公開ですが、Blender99は12/9の陽が暮れる頃に発売されるのではないかと思います……。

じゃ、今日はこんなところで!

!!!!! Happpppy Blending !!!!!


Blender Advent Calender 2018、次はgotz_zampachさんの『コンポジットノードは怖くない!小学校数学と実践VFXで基本から理解!』です。

(あ、これちょうどBlender99の最終巻でも少し触れている内容と近いかもしれません……。)

MacでBlenderを始めたひとへのちょっとしたお知らせ

WEB上にアップされているBlenderの操作画像・動画を見ていると、Windowsを使っている人のほうがずっと多いように思います。
ぼくはずーっとMac派なので、ショートカットなどの操作が世間と少々違うかもしれないと考えていました。

例えば先週、こんなツイートをしました。

これはショートカットではなくて初期設定の話ですが、Ctrlキーの替わりにCommandキーを使ったり、Ctrlキーのままだったりと、Mac使いにとって、Blenderの各種キーなどはちょっと思い通りにいかないこともあります。

──ところが、です。

あの有名な【@BLUGjp(Blender日本ユーザー会】さんのTwitterアカウント主さんって、Macユーザーですよね。
そのBLUGjpさんは頻繁にBlenderの「ちょっと役立つ機能やTips」をツイートしてくださってますが、ちょっとした気付きがありました。

最近BLUGjpさんがツイートした中でAlt+Fという自動面貼り&三角化機能がありますが、僕は使っていませんでした。
というのも、Alt+Fというショートカットが、僕のMacでは効かないのです。

まあ、そんなこともあるだろうとPreferenceを開いて設定を試みましたが、これが設定出来ないんですよ!
ショートカットを設定しようとしてキー入力待ちにして、AlfとFを押してもボタンが反応しない!
(しかも、ちゃんと元からAlt+Fになっている……)

ただ、Alt+Mのマージ機能などは普通に働くので、Altが機能していないわけではないのです。
調べたら、答えは簡単でした。

僕のMacには、「かわせみ2」というIMEを入れています。小説などを書くためにMac標準ではないものを入れているわけです。
(かわせみ2は、Mac日本語環境の黎明期にあったEGBRIDGEの流れを汲むすぐれもののIME)

スクリーンショット 2018-08-25 14.24.40

ところが、これのショートカット設定がBlenderとぶつかってしまうのですね。

「かわせみ2」では、Alf+Fに和英変換という機能が当てられていました。

日本語で打ってAlf+Fを押すと、こんな風になります。

まあ、役に立つこともあるでしょうが、この機能は別のキーに引っ越しして、Alt+FはBlenderのためにとっておくことにしました。
Blender側のショートカットキーを変更する手もありますが、それだとチュートリアルを書いていてこんがらがってしまいますからね。

それからもちろん、Blenderを使う時には「かわせみ2」を使わない手もあります。

もしかすると、これはWindowsや、別のIMEでも起こり得ることかもしれませんね。
 

そんなことで、本日の教訓

ショートカットキーが効かない時は、同時に動いているソフトのショートカットキーを調べてみよう。中でもIMEは常時動いているから怪しいぞ!

以上です。

じゃ、また!

Happy Blending!!

MANUEL BASTIONI LABを使おう! その27:いよいよVer.1.61だっ!

さてさて、先週鼻の差で公開されたVer1.61ですが、もう皆さんはお使いになりましたか?
僕もようやくインストールして使い始めたところです。
(ダウンロードはこちらから

さて、ここで早速1つ、注意点があります。

以前のバージョンアップでもそうだったような気がしますが、このManuel Bationi Labは、旧バージョンのデータが残っているとインストールしても動作しないことがあります。インストール時に意味不明なPythonエラーが出て困ってしまったひと、原因はここですよ!

まず、Ver1.6をリムーブして、Blenderを再起動しここ重要!、更な状態になっているのを確認してからインストールしましょう。

はい。
ちゃんと動きましたね。

では、大幅にアップデートされた内容を見ていきましょう。

新機能としてリリースノートに書かれているのは、以下の8つ。

・Assets library, with four hair models
 アセットのライブラリー化。4種の髪の毛形状を含む!
 しかもこれ、将来的にどんどん拡充するとのことです!

・Automatic transfer of rigging weights from body to proxy
 リギング(つまり骨設定)の頂点ウェイトを、プロキシ(つまり服や髪の毛)に自動転送!

・Improvement of human base models
 人体モデルのベースを改善! →いつもの、「解剖学的により正しい」というやつですね。

・Improvement of proxy fitting process using a subset of polygons
 ポリゴンのサブセットを用い、プロキシをフィットさせる工程を改善!

・Human hair shader for Cycles
 Cycles用のヘアシェーダーを実装!

・Toon hair shader for Cycles
 Cycles用のトゥーン・ヘアシェーダーを実装!

・Custom name for finalized characters
 ファイナライズしたキャラクターに、カスタムで名前を付けられるように!

・Expressions parameter for eyes rotations
 眼の回転が、表情設定として行える!

たっくさんありますねえ!
これ以上便利になると、人体を自分でモデリングするモチベーションがますます下がってしまいそうです(笑


髪形は、この四種。
・女性用ポニーテール
・古風な男性ヘア(なんじゃそれ
・アニメ女子用ショートヘア
・アニメ男子用ショートヘア
それぞれの髪形は、タイプが違うモデルには使用出来ないそうです。つまり、キャラクターのカテゴリーが決まったら髪形も1種類の固定になっちゃうということです。まあ、贅沢は言っちゃいけません。将来的に拡充する計画なんだし。

順に見ていきましょう!

まずは基本の「北欧お姉さん」でスタート。
161_01

おっと、ここでいきなり引っ掛かります。

髪の毛を出すためのメニューが、どこにも見当たりません!
髪の毛を出すためのメニューが、どこにも見当たりません!

髪の毛全種類どころか、どうやって髪の毛を出すのか分からない。
さすが、マニュエルさん、今回もやってくれます。きっちり僕の出番を残しておいてくれたわけですね!

……簡単でした。
前回もたしか同じところで引っ掛かりましたね。
プロキシを適用するためには、モデリングを確定して、「ファイナライズ」を行う必要があります。
すると、メニューに「アセット」が現れるのです。
161_03
 

アセットの中から現在のモデルに合う髪の毛を選択し、ロードボタンを押します。

161_04
ほら、こんなに簡単に髪の毛が出来ちゃった!

でも、ちょっとアップにしてみると……

耳のところ、髪の毛が突き出てしまってます。
耳のところ、髪の毛が突き出てしまってます。
GIFアニメが再生しない場合はクリックしてください

覚えていますか?
こういう場合に自動修正してくれるのが、「プロキシ・フィット」ツールでしたよね。

人体と髪の毛を選択して、「Fit Proxy」ボタンを押すと、ほらこのとおり! 耳の部分がきれいに直りました。
人体と髪の毛を選択して、「Fit Proxy」ボタンを押すと、ほらこのとおり!
耳の部分がきれいに直りました。

(まあ、ほんのちょっと被ってますけど、これくらいなら全然オッケーの範囲ですよね)

男性です。
高身長のエルフにしてみました。

髪の毛を加えた時はかなり下の方にあります。プロキシをフィットさせると、ちゃんと頭に乗っかりました!
髪の毛を加えた時はかなり下の方にあります。プロキシをフィットさせると、ちゃんと頭に乗っかりました!

ちなみに、アニメヘアをエルフさんに乗せようとすると……

ぜんぜんフィットしません。
ぜんぜんフィットしません。三角マークで「このヘアは選択したキャラ用に作られたものではありません」とメッセージが出ていますね。

アニメキャラとリアル人物ではトポロジーが異なりますし(頂点の数、構成が違いますね)、そもそもモデリングの手法もシェーダーもまったく違うので、無理やり当てはめる意味はなさそうです。

残りのアニメ少女ヘアはこんな感じです。


 
シャドウに反射、輪郭線の感じもいいですね。

新機能の2つめと4つめにあたる「リギング頂点ウェート自動転送」は、ポーズを変えてもプロキシの形状がしっかり変形されて付いてくる、ということ。前バージョンでは、ポーズを変更するたびにフィットし直さなければなりませんでした。今回のバージョンからは、ボーンを動かすとプロキシも追従します。
つまり、服や髪の毛がちゃんと付いてくるアニメーションを作成出来るようになったというわけです!

3つめは、いつものやつですね。素人目には違いがよくわかりませんが、より「解剖学的に正しい人体」の形状に近付いた。のでしょう。

5つめ、6つめがヘアシェーダーでしたね。
アニメは先ほど見たので、リアルのヘアを見てみましょう。

161_10
シェーダーのネットワーク全体を見ると、こんな感じ。
重要なのは、「main Color」ですね。
カラー設定と実際の髪の毛の色が同じになっています。
161_11

髪の毛の色の編集は、こんなに簡単。


 

これは便利ですね。
ノードエディターで立った1つのパラメーターをいじるだけで、簡単に色を変えることが出来ます!

一方、アニメ調ヘアのシェーダーはパラメーターが複雑。
見栄えの全てをコントロール出来ます。


 
面白いですね!
どのパラメーターが何をコントロールしているか、まあこれは説明の必要はありませんよね。理屈より、結果の見栄えでいじれば良いのではないでしょうか。

7つめ、ファイナライズしたキャラへのカスタムネーム設定です。
キャラクターを作ってファイナライズすると、Manuel Labでは「MBlab_bd1517132758.466452」のような名前(パラメーターの数字を元にしたユニークなランダム数字)がメッシュに付けられます。
これでは分かりづらいですよね。

ファイナライズ時に名前を付けると……
ファイナライズ時に名前を付けると……
オブジェクト名、ボーン名としてそれぞれ設定されます。
オブジェクト名(ボーン名にも!)として設定されます。

最後、目の表情ですね。
Jamesくんの動画でどうぞ。


 

眼の回転に合わせて、ちゃんとまぶたやら周囲の皮膚が動いています。これはリアルな動きですね。
いやあ、もうこれだけで何かドラマが出来ちゃいそうです!

さてさて、今回のバージョンアップもなかなかに凄いです。
次はどんな進化を見せてくれるのか、ほんとうに先が楽しみなアドオンです。
Blenderユーザーで良かったなあ!!

では最後に、アイキャッチ画像では見えない金髪女性の指先の表情も分かる画像をどうぞ(笑
いい雰囲気でしょ?
161_eyecatch

では、またバージョンアップした時に!

Happy Bationing !!!

シンチョク──0121

週末はようやくBlender-99の電子書籍化作業に手を付けることが出来た淡波です。

Vol.1として電子書籍化するのは、第1回〜7回までを予定しています。この週末で、なんとか第3回めの分まで編集が進みました。とはいえ、実はそこまでは以前にワープロ上である程度まとめ直してあったんですよね。
つまり、正味進んだのは僅かばかり……。
それというのも、ブログの記事と電子書籍はやはり違うメディアなので、そのままデータを移せばいいというわけにはいかないのです。

GIFアニメの埋込みも出来ないからリンク化しなければいけないし、それにはサーバーに上げ直す必要もありますし、ものによっては作り直したり、とか。
静止画を張り直すには新たに画像を用意しなければいけないですし。

それに、改めて読み直してみると、極限まで分かりやすく書いたつもりが、結構分かりづらいところや不親切な書き方が散見されます。
そんな部分も今回は全て書き直しています。
究極のBlender入門書を目指して!
(大げさ)

掲載する画像もちょくちょく直して差し替えているので、思ったより時間がかかっています(この記事のアイキャッチみたいにシードくんロボットを使った画像を作ったりして)。
連載を開始した頃はバージョンも2.78だったので、バージョンに依存しているキャプチャ画像も今後差し替える必要が出てきます。
発売まではまだまだ時間がかかりそうですねえ。
まあ、その分、ここで連載していた記事よりグレードアップしたものになりますから、どうぞご期待くださいませ。
(書いている側と読んでいる側では読み込み方も違いますし、ディティールの違いなんかどうでも良かったりするかもしれませんから、「え、全然変わらないじゃん」と思われる可能性もありますが……)

Blender関連は、こんな感じです。

あ、そうそう、例のアルバム『Struggling』のプロモーション用クロスフェード・ビデオですが、完成してYouTubeなどにアップしました。
ここにも埋込んでおきますね。たった3分で全曲のハイライトを聴けるので、どうぞちょっとだけお時間下さいな。
アニメーションは全編Blender製ですし!

 

それから、Manuel Labについて。
昨日見に行ったときにはまだVer.1.6.0だったのですが、たった今見たら、とうとう1.6.1が公開されていました!
いよいよ髪の毛が実装されるバージョンですよね!
来週末、なんとか時間を作って解説記事を書きたいところです。
(公式ビデオを見るとだいたい分かっちゃうところが辛いですが……)


小説は、一進一退という感じでしょうか。
ウィークデイはほぼ毎日、『イン・ザ・フォグ』を執筆しています。
基本的に、電車に乗っている時だけしか書く時間を取れないので、多くても2,000字程度@日。少ない時は数百字しか書けないので、一週間分の合計でも恐らく10,000万字には届かないでしょうね。
それでも、ちょっと今まで引っ掛かっていたストーリー上の大きな矛盾点が解決出来たり、どうにも書き進められなかったりしたエピソードをクリア出来ました。
明日からも、どんどん書きますよ!


もう一つ報告したいことが!

昨年発売した童話『とっても小さな九つの国』の最終巻である『魔女と王様』に、Amazonで5つ星レビューが付きました!
実際にレビューが付いたのは先々週のようですが、発見したのが先週でした。
いやあ、嬉しい限りです!

先週の進捗は、こんなところでしょうか。

では、また次回!