Category Archives: Blenderチュートリアル

MANUEL BASTIONI LABを使おう!(その18):1.3 キタ!

来ました来ました、待望のVer.1.3
まずは追加機能を並べましょう。

・Skin Shader
読んで字のごとく、肌の質感をつかさどる設定。目の色も自在に変えられるし、なんど細かな筋肉や血管の表現まで搭載されているのだ。

・Age
年齢の設定がつきました。パラメーターは0〜1なので、具体的に○歳、というのはないのですが。

・Cycles対応、Lighting設定搭載
ここは微妙です。初心者向けに敢えてBlender Internal前提でこれまではチュートリアルを書いてきましたから、自動的にCyclesに置き換わってしまう本バージョンは、微妙な面もあります。

では、起動後の画面を。

Cyclesを使うか、尋ねてくれる
Cyclesを使うか、尋ねてくれるので、チェックを外せば Blender Internalで今までと同じように使えます。

 

このままキャラクターを作成すると、こうなります。

スクリーンショット 2016-07-30 17.28.24

画面最上部を見ると、レンダラーがCyclesに変更されていることがわかります。

光源も複数設定されています。WEBサイトの説明を見ると、プロのスタジオ・ライティング・セット、となっています。うーむ、ちょっと微妙ですが、ね。

──ところでCyclesって何?
  Blenderに内蔵されている、もう一つのレンダラー(CGデータを画像化するための計算を行なう心臓部)。光や影、質感の設定など、見栄えに関わるすべてがレンダラーによって計算されます。標準で設定されているBlender Internalは古いタイプのレンダラーですが、計算が速く、凝ったことをやろうとしない限りややこしいことがありません。初心者が計算能力の高くないパソコンでCGを作る時には、まだまだこちらの方が向いているのです。
  Cyclesは最新の技術を搭載した、フォトリアルな画像を作れる素晴らしいレンダラーです。でも、パソコンの計算負荷は非常に高く、短時間ではノイズだらけの画像しか得られませんし、初期値では更に時間のかかるパラメーター設定になっている(その分、時間をかければリアルになる)ので、ちょっとお薦めしづらい部分があるのです。
  (もちろん、僕が小説の表紙などで制作している画像はすべて、Cyclesによるものです)

何もいじらずに、ビューポートの表示設定を「Rendered(レンダリング・プレビュー)」に変更してみましょう。

画面下、中央あたりの白い球アイコンをクリック
画面下、やや左の白い球アイコンをクリック

 

僕のMacBookの場合、約18秒待つとこんな表示になります。

スクリーンショット 2016-07-30 17.41.14

リアルですね、すごいですね。今までとは次元が違います。

でも、ちょっと待って!
右手の下、なんだか赤い粒々がありますよね。これは、計算時間が充分でないため、光のノイズが残っているのです。「サブ・サーフェス・スキャッタリング(SSS)」といって、《透明でない物体の内部に侵入した光が拡散と反射を繰り返す計算》をさせています。リアルにするためには仕方がないのですが、これでは絵として使い物になりません。
試しに、どのくらいの時間できれいになるか試してみました。
画像が大きいと時間が掛かりすぎますので、画像サイズは小さめで。

全体の大きさを400×600ピクセルに設定(小さいです)しています。

完璧ではありませんが、概ねノイズが消えて滑らかな階調になっています。この画像のレンダリングに6分13秒掛かりました。僕のMacBookはCore i7のデュアルですし、それなりに高性能です。
で、この結果ですから……。

例えば電子書籍の表紙にキャラクターを使いたいと思ったら、天地2,500ピクセルほどで計算しなければなりません。長さ4倍強ですから、面積比は16倍。面積が倍になると概ねレンダリング時間は1.5倍になりますので、レンダリング時間は概ね30分です。

どうでしょうか。意外と現実的な時間で終わるかも、と思うか、そんなに待てない、と思うか……。

ただし、この画像の指先を見ると、ちょっとSSSの設定が深すぎるかもしれません。背後から光を受けた時、こんなに光を透過しなさそうですよね。このあたりを調整すれば、もう少し速くなるかも。

ちょっと設定を見てみました。

Skinの設定で下から2番目にあるSSSが、これ。
Skinの設定で下から2番目にあるSSSが、これ。

 

ちなみに、設定の奥ではこんな複雑怪奇なことが行われています。

このキャラクターの質感設定はこんな感じ。枠がオレンジ色にハイライトされている部分がSSSの設定です。

 

では、ちょっと実験してみましょう。

(僕はManuel Labメニューにあることに気がつかなくて、node editorからいじってしまいました。実際は、これを開く必要はありませんので、念のため)

sss1
デフォルト設定の1.0。28.57秒。
sss0
SSS=0.0、効果をなくした状態。22.38秒。
sss0.3
SSS値=0.3。25.73秒。
sss0.5
SSS値=0.5。27.39秒。

SSS値が0.5くらいが一番リアルな感じがします。レンダリング時間では、数パーセントしか変わりませんね……。

※ちなみに、Node Editorの出し方はこちらです。

画面左下の「3D View」となっているアイコンをクリックすると、各種エディターにアクセスできます。
画面左下の「3D View」となっているアイコンをクリックすると、各種エディターにアクセスできます。

さて、脱線(!)はこのくらいにして、Ver.1.3の機能をもう少し追いかけましょうか。

■Character Age(年齢設定)

設定はここ。
設定はここ。

デフォルトは0ですね。最大値である1.0にしてみます。

おおお。
おおお。マンマミーア!(なにもこんなに太らせんでも……)

お次は、中間の0.5です。

マダム!
マダム!

 

実際は、これで年齢を設定したあと、体型のパラメーターを細々といじって作り込んでいくと思います。でも、数字を1ヶ所変えるだけでこれだけのものが出来てしまうのですから、さすがです!

次、行きましょ。

■Skin editor tools(肌エディター)

チェックボックスをクリックするとこんな設定が広がります。

お、注意書きがあります。
お、注意書きがあります。

注意書きにある「Subd.」というのは、Subdivision Surface(=再分割曲面)のこと。Manuel Labは、レンダリング時には角張らず滑らかな曲面で、操作時にはローポリゴンでサクッと動作するようにSubdivision Surfaceのモディファイヤが始めから設定されています(ちょっとCG用語が多過ぎるか……)。

ま、要するに、Subdivision Surfaceのプレビューになってると計算時間がかかって、画面表示がのろくさくなるから注意してね、ということです(前回もちょっと触れましたね)。

subd_off
「Enable subdivision preview」を押していない状態。subdがoffです。おでこのエッジが角張っています。
subd_on
「Enable subdivision preview」を押していない状態。subdがonです。おでこのエッジが滑らかな曲面です。

細かな表情をいじる時以外は、これはoffでいいかと思います。

髪の毛がないのって、どうしても寂しいですよね。今後のバージョンアップでは髪の毛やベーシックな衣服も含まれる予定になってますから、そこは今後のバージョンに期待したいところです。

さて、次は目です。

・目の設定はこの三つ

スクリーンショット 2016-07-30 18.58.01

色相、再度、明るさ、ですね。

hue(=色相)が0.5でこの色。

eye_hue=0.5
eye_hue=0.5

1が最大値ですから、彩度と明るさはこれ以上にはならないということです。hueの値だけ変えてみます。

eye_hue=0.0
eye_hue=0.0, 1.0も同じ色になります(色環をぐるりと回って1周するので)。
eye_hue=0.2
eye_hue=0.2
eye_hue=0.4
eye_hue=0.4
eye_hue=0.6
eye_hue=0.6
eye_hue=0.8
eye_hue=0.8

単純に瞳の周りの色相を回しているだけのようなので、今一つリアルな色ではありませんが、ちょっと調整してブラウン・アイを作ってみます。

eye_hue=0.5, saturation=1, value=0.5
eye_hue=0.5, saturation=1, value=0.5

うーむ。今一つですね。

実はこの目、元からManuel Labに仕込まれているテクスチャ・マップの色を変えているだけです。どんなテクスチャが使われているのか見てみると……。

eye_map

これです。hue=0.5, saturation=1.0, value=1.0、つまりデフォルト設定の時に、この色が現われるようですね。

(サイズは半分に縮小しています)
全体を見るとこんな感じ(サイズは半分に縮小しています)

 

そう、お気づきですね(強引)。

Blenderはテクスチャ画像のペイント機能も持っています。この画像をBlender上でペイントして上書き保存することで、Manuel Labの設定にはない色に調整することもできますし、もちろん、保存した画像を別の画像編集ソフトで開いて目の色を描くこともできます。

ちょっとやってみたところ、Blenderで行なうより別のソフトでやる方が良さそうです。いろいろできるとは言え、レイヤーを持てないのは辛いですし。

Blenderのペイント機能で目の色を編集。へたくそです。
Blenderのペイント機能で目の色を編集。へたくそです。

 

さて、機能を網羅しないうちに、お時間が来てしまったようです。Manuel Lab、楽しいですね〜。

ちょっと長くなってしまいましたので、あとは来週に回しましょうか。

では、次回もお楽しみに!

 

MANUEL BASTIONI LABを使おう!(その17)

Manuel Labは、フェイシャル・アニメーションを簡単に作れるんですよ。ご存知でしたか?

さて、今回はとっても簡単なフェイシャル・アニメーションの方法を解説しますね。

顔の動きはとても繊細なので、いつものビューポート表示よりきれいで、レンダリングをしなくてもディティールがよくわかる《Matcap》表示を使いましょう。
(PCのグラフィック・ボードによっては使えない場合があります。その際はご容赦下さい)
01

1.いつものようにManuel Labを起動してキャラクターを作ります。

2.Nキーでプロパティーのウィンドウを表示し、Shadingと書かれたロールアウトを開きます。

3.□Matcapにチェックを入れます。いきなり、きれいな表示になりましたね!

4.球体のサムネールをクリックすると、Matcap画像を選ぶためのサムネール・ウィンドウが出ます。

5.お好きなものを選んでください。

6.これだけだと表情を大幅に動かしたときにカクカク汚くなってしまう場所が生じるので、サブディビジョンサーフェスの表示をオンにします。

モディファイヤ・パネル(スパナのアイコン)の中にあります。目玉をクリックすると、キャラクターの角張りがきれいに丸まります。
モディファイヤ・パネル(スパナのアイコン)の中にあります。目玉をクリックすると、キャラクターの角張りがきれいに丸まります。

7.キャラクターの顔をアップで見たときにニア・クリップが起こらないよう、クリップのスタート値を0.01くらいに小さくしておきましょう。

スクリーンショット 2016-07-24 17.53.43

 

さあ、これで準備は完了です。いきますよ!

1.Manuel Lab設定の下の方に、《Finalize》というところがあります。チェックをして開きましょう。
スクリーンショット 2016-07-24 17.15.59

2.Finalizeボタンを押します。
スクリーンショット 2016-07-24 17.16.11

3.画面右の《Object data》パネル(逆三角形のアイコン)に、Shape Keysという項目があります。これまでは空っぽでしたが、何やらたくさんのデータで行が埋まりました。
スクリーンショット 2016-07-24 17.16.29

4.Expressions_blow…の文字の右側が隠れていて何のことだかよくわからないので、パネルの横幅を広げましょう。パネル同士の境目にマウスを動かすとポインタの形が変わりますので、そこでドラッグします。

5.顔の各パーツに対して、《動きの程度》が設定数値です。デフォルトでは0.000になっています。

6.「Expressions_brow03L_max」というパーツの値をゼロから1に変更してみましょう。

02_1
眉毛が動きます!

7.楽しいですね! どんどんやってみましょう。

頬、右目、唇、口、とどんどんパラメーターを「1」にします!
頬、右目、唇、口、とどんどんパラメーターを「1」にします。みるみる表情が変わって面白いですね!

見本のように出来ましたか?

ご自分の好きなようにいじってみてくださいね。いろいろな表情が簡単に作れますので。

もちろん、これをアニメーションにするのも簡単です。

03_2

1.表情が1秒で変化するアニメーションを作ります。既にいろいろと動きを付けているので、これが《変化後の結果》になるようにしましょう。画面左下のタイムラインにある緑色のバーをドラッグして、30のところへ持って行きます。これが、30フレーム後、つまり、1秒後の状態を表わします。

2.Shape keysで動かしたパラメーターの数字の上にマウスポインタを移動し、iキーを押します。すると、その数字の周囲が黄色くなります。これで、パラメーターに《キーが打たれた》、つまり、その数値が記憶されました。Blenderでは、アニメーションのキーを記録した場所は黄色くなります。タイムラインのバーも、緑色の中に黄色い棒が加わっています(ちょっと判別しづらいですが)。

3.表情を動かしたパーツの全設定値にキーを打ちます。数字の上で右クリックして出るメニューから《Insert keyframe》を選択してもいいのですが、上述の方法の方が簡単・シンプルですね。

4.全てのキーを打ったら、タイムラインのバーを0にドラッグし、最初の表情を作ります。

5.今回は無表情から開始したいので、全ての設定値をゼロにし、設定値の上でiキーを押してキーを記憶させます。

6.全てのキーを打ち終えたら、再生してみましょう。
おっと、ちょっと待ってくださいね。初期状態ではタイムラインがゼロから250まであります。今回は30までしか使用していないので、FrameのEnd値を30に変更します。
スクリーンショット 2016-07-24 18.41.11

7.さあ、再生です。

表情が動くと、生きている様ですね!
表情が動くと、生きている様ですね!

 

はい。上手くいきましたか?

では、今回はこれまで!
また、次回をお楽しみに〜!
(次回は何をやろうか、まだ何も考えてないんですけど……)


MANUEL BASTIONI LABを使おう!(その16)

よし、クレームがつかないうちにフォロー記事行きますよ!

さて、何回かに分けて作った服がありましたが、あれは動かせないことが分かりました。もちろん、前提としては「形状やポーズが確定してから、服を作る。アニメーションは考えない」というものなのですが、やはりポーズの調整などは後からやりたいことがありますよね……。
いろいろとやってみたのですが、現在の僕の技術ではうまくボーンと関連付けできず、スカートが足の動きに付いてくるようには設定できませんでした。とほほ。
いくらアニメーション用ではないとしても、ポーズを調整することも出来ない服ではちょっと困りますもんね……。

 ちょっと技術的なことを言うと、Manuel Labで作成したモデルは、なぜかウェイトペインティングを受け付けてくれないのですよね。恐らく、何か内部的なコントロール機能が残っていて、勝手にいじることをキャンセルさせているのではないかと思うのですが……。

と、いうことで、今回は
《ちゃんとポーズに付いてくる(だろう)服の着せ方》
をやってみたいと思います。

今回は長いです。一緒に頑張りましょう!

では開始。

最初から掟破りです。服を作るのは大変なので、今回はMake Humanの力を借りましょう。
(本末転倒感、ハンパない!)
DLはこちら。
スクリーンショット 2016-07-17 15.21.05

現在DL出来る最新版は1.1。これより新しいですね。
現在DL出来る最新版は1.1。これより新しいですね。

 

1. Make Humanを起動

2.ジオメトリー/衣服のタブを選択
服しか使わないので、パラメーターは何も触りません。

3.今回はWorkSuit(=ツナギ)を選びます。クリックするだけですぐに服を着ます!(変更したい時は、まずもう一度同じ服名をクリック。そうしないと、どんどん重ね着してしまいますので)

4.ファイル/エクスポートのタブを選択

5.書き出すファイル名と書き出し場所を指定

6.メッシュフォーマットをWavefront objに、単位をメートルに指定。まあ、フォーマットはBlenderで読めれば何でもいいんですが、Manuel Labのドキュメントに倣いました。

本当はBlender exchangeというフォーマットがあるのですが、それはあくまで人物モデル全体をボーン込みで持っていきたい時に使うもの。add onのインストールも必要なため、今回はobjとしました。

7.エクスポートボタンで書き出し

OSなどにもよりますが、エクスポートフォルダに保存された.objファイルを、Blenderのインポートから読み込みます。

 

☆次の作業に移る前に、Manuel Labで新規モデルを作っておきましょう。

1.Blenderを起動し、Manuel Labタブを選択

2.デフォルトキューブを消してモデルを作ります。
今回は、Caucasian Femaleにしました。

3.モデルを選択してアップにし(.キー)、正面ビューにして(1キー)、オルソビュー(パースなし=5キー)にします。

4.Manuel Labのポーズ・ツールにチェックして設定を開き、「Reset pose」をクリックします。これで、Tポーズになります。

5.Importメニューから、書き出し済みのobjファイルを選択して読み込みます。

6.読み込んだ状態だと、モデルの2人が重なっていますので、Make Humanのモデルをレイヤー2によけます。Mキーを出すと出るレイヤー移動メニューで、左から2番目の■を選択します。

02
画面下部の四角が並んだものが、レイヤーです。デフォルトでは1のレイヤーに全てが入ります。複数選択はShiftキーを用います。今回の編集はレイヤーを使わなくても出来ますが、便利ですし、今後のためにも覚えておきましょう!

 

※ここで、簡単なTips。各GIFアニメはループ再生になっています。最初から再生させたいときはクリックして、別画面表示にすると便利です。

では次に、モデルの形状と衣服の形状のずれを修正していきます。

1.衣服のレイヤーに移動します。画面下のレイヤー表示で、左から2番目の■をクリックします。アクティブなレイヤー(=選択中のオブジェクトを含むレイヤー)は、■の中の・がオレンジ色になります。

2.いや、ちょっと待って!
この工程は面倒なので、止めましょう。良い方法があるんですよ!
(自分ではやってみたので、GIFアニメは流しておきます。まあ、元にしたMake Humanの服が男女比50%のデータなので、女性らしくない体型ですよね。その部分が気になる人は、衣服を女性らしい体型に編集しましょうか──)

プロポーショナル・エディットをオンにして、頂点を移動させます。
プロポーショナル・エディットをオンにして、頂点を移動させます。

 

3.とはいえ、袖だけは大きくずれていてごまかしようがないので修正します。

袖は大きくずれているので、きちんと修正します。
気になるところはきちんと修正します。
※実を言うと、Manuel Labのドキュメントによれば、Proxyの機能を用いて簡単に衣服とモデルデータを関連付けることが出来ることになっています。
 ところが、何度か試したところ、どうにも上手くいきません。Mac版にバグがあるのか、使い方が悪いのかは分からないのですが、関連付けてからポーズを付けるとどうしても形状が破綻したりずれたりしてしまいます。そのため、ここではモデルに埋込まれているアーマチャー(ボーン=骨組み)に直接結び付ける方法を取ることにしました。

4.足下に細い棒が1本あることに気がついていましたか?
これがボーンの一部です。目立たないように「Wire」表示になっていますが、これを選択して、見やすいように状態を変更しましょう。右側のツール群の中に、人型のアイコンが表示されたタブがあります。ここを選択すると、アーマチャーのメニューが出ます。

5.「Display」から「Octahedron」を選択し、その右下のチェックボックス、「X-Ray(=ボーンを優先表示し、オブジェクトで隠さない)」にチェックを入れます。これで、見やすくなりました。

6.衣服を選択し、次にShiftを押しながらボーンを選択します。後で触った方がオレンジ色になるので、順番を間違えないようにしましょう。

7.この2者を関連付けます。Ctrl+Pキーを押し、そこに出たメニューから、「With Automatic Weights」を選択します。
(オレンジ色のオブジェクトが親になりますので、ご注意を)

8.ボーンだけ選択し、ポーズモードにしてみます。ボーンが水色になりました。

9.ボーンを動かすときは、回転を使うのが基本です。ボーンの一本一本には固有の向きがあるため、回転させるときはワールド座標基準でなくボーンそれぞれの向きを基準にします。そのため、ギズモのアイコンが並ぶ選択メニューから「Local」を選択しましょう。

さて、これで各関節を回転したときに《一応》衣服も付いてくるようになりました。
でも、このままでは体が服を突き抜けてしまいます──。

それを防ぐために、Maskという機能を使います。

1.editモードに入り(tab)、肌が見える部分の頂点を 全て選択します。いつものように、サークル選択が便利でしょう。少しだけ服の中まで選択しましょう。袖の隙間などから見えますので。

2.Vertex(=頂点)のツールウィンドウから、Vretex Groupを開きます。新らしい頂点グループを加え(+)、 Hideと名前を付けたら、Assignボタンで適用します。

3.オブジェクトモードに出て、 モディファイアパネル(スパナのアイコン) からMaskを選択します。

4.Maskモディファイアの設定内、Vertex Groupから Hideを選択すると、頂点グループ「Hide」にアサインされている頂点以外が隠されます。

5.好みでSubdivision surfaceモディファイアを当てます。より、滑らかになりますが、動作は少々遅くなります。最終的に絵としてレンダリングする前には、これを当てておくときれいになりますね。

6.ポーズモードにしてボーンを回転させると、うまくいきましたね!

7.あれれ、でも何か変です。宙に何かが浮いています。

06

 

宙に浮いてしまったボタンがちゃんと追従するようにしたいところですが、どうにもうまくいきませんでした。どうやら腕のボーンにつられて動いてしまうようなのですが、頂点ペイントでいくら調整しても、完全には修正できません……。こういう時は、無視が一番(笑)

1.editモードにしてボタンだけを選択。ここはもう、慣れてますよね?

2.ボタンを削除。はい、終了!

これで、今回のチュートリアルはひと通り完了です。

最後に、いろいろなポーズをさせたGIFをどうぞ。

見てわかる通り、細かい部分を見ると服の形状が破綻しています。これは、最終的にポーズを確定させた後で、頂点編集を行ってきれいに修正しましょう。
※今回の方法は、ポーズには服が追従しますが、人種やタイプを変えると付いてきません。その部分を決め込んでから、服を加える作業に入りましょう。また、体格が大きく異なる場合には、当然Make Humanから持ってきた服とManuel Labで作った人体の形状が大きく異なります。Tポーズの状態で、じっくり形を合わせ込むことから行う必要があります。

上手くできましたか?

では、また次回!

Happy Blending !!


ちょっとおまけです。

服のデータの入手法として、Blendswapというサイトを利用することも出来るでしょう。これは、Blender用のデータを交換するためのコミュニティサイトで、もちろん、DLだけすることも可能です。
お金は不要ですが、著作権を放棄していないものも多いため、使用には一定の注意が必要です。クレジットさえ入れればご自由にどうぞ、という制作者も多いので、ぜひ、見てみてくださいね!

もう一つおまけです。

Proxyの機能を使うとポーズがずれる。という話、何のことだかよくわかりませんよね。その時のキャプチャをどうぞ。お間抜けで面白いですから──。

まさにおまけ(笑)
まさにおまけ(笑)

 

じゃ!

Manuel Bastioni LABを使おう!(その15)

今回からは現時点の最新版である1.2についての解説を行なってゆきます。ただし、1.3のリリースも秒読みのように思われますので、その時はその時で、バージョンを上げましょう。
1.3はかなり進化しますからね!

ではまず、バージョン1.0や1.1をご使用中の方への注意です。Blenderのアドオンインストールは、Blenderを起動中に行なうわけですが、既に入っているアドオンのバージョンアップ(再インストール)を行なった場合、自動でバージョンは置き換わりません。表示上は置き換わりますが、起動するのは旧バージョン。
インストール後は、Blenderを再起動することをお忘れなく。
Manuel Lab 1.2のダウンロードはこちらですよ。

さて、バージョン1.2の最大の目玉はオートモデリングです。

では、Manuel Labを起動し、人体を作成した直後の画面からどうぞ。

バージョン1.2で人物を作成した直後の画面
項目メニューが畳まれてすっきり

今回はオートモデリング・ツールを使いたいので、まずは「Automodelling tools」をクリック。すると、チェックボックスにチェックが入り、メニューが展開されます。ここがワンクリックだけでできるところも、気が利いていますね。

スクリーンショット 2016-07-09 18.04.30

このツールのボタンは2つだけ。使い方もシンプルです。

エディットモードで体型を変える。極端に変える。どんなに崩れても気にしない。そしてオートモデリング機能で自動的に整える。これだけ!

まず、エディットモードに入る
まず、エディットモードに入る
Propotional Editをオンにする
Propotional Editをオンにする。これ、大事です。

 

公式ビデオのようにやろうとしてみたのがこちらのGIF。最初の《太った状態》はまるで違いますが、結果としてはそれほど違和感がないという不思議な感じです。GIFアニメを見ながらやってみましょうか。

1

※なお、本来はポーズをリセットした「Tポーズ」状態でやるほうが良いようです。手のめり込みなども、Tポーズなら起きませんし。

「Reset Pose」でTポーズになります
「Reset Pose」でTポーズになります

 
公式ビデオだと、どうやっているのか今一つ分かりづらいので、ここは詳しく書きますね。

 いや……、実はどんなにビデオをよく見ても、マニュアルを見ても、どうやってあんな風にモデルを太らせているのかが分からないんですよね。逆に、誰かわかるひとがいましたら、こっそり教えてくれませんか?

(公式ビデオはこちら。このビデオがリリースしてから既に2ヶ月が経っているとは! ちょっと追いついていなさ過ぎですねえ)

■では、念のために操作手順を

・お腹辺りの頂点を1つ選択

・sキーで拡大縮小モードに入り、マウスをドラッグ
拡大するためには、選択した頂点から遠ざかるように動かします。

そうそう、Blenderの基本ではありますが、「マウスを動かす」操作の時、ボタンは何も押しません。これ、大事。

・左クリックかEnterで確定

・Manuel Labの「Automodelling tools」メニューから「Automodelling」をクリック
ぐちゃぐちゃだった形状が、現実的にあり得る人体の形に少し近づきます。

・試しにもう1回クリックしてみましょう
更に少し、形が整います。差は、僅かですが。

・「Automodelling」の下にある「Smooth」ボタンをクリック
これで一気に人体のプロポーションになります。
⇒「Smooth」ボタンで一気に整いますので、「Automodelling」は1クリックでいいようですね。

上手く出来ましたか?
 

■次は、脚長スタイルにしてみましょう

2
手順は先ほどと同じようなものです。拡大縮小が移動になっただけですね

 

・つま先とかかとの頂点2つを選択

・移動ツールを選択するか、gキーで移動モードへ。
移動ツール:ギズモの矢印(青色)を下方向へドラッグ。
gキー:gに続いてzキーを押し、高さ方向に移動を制限した上でマウスを下へ動かします。

・十分に足先を下まで移動したら、タブキーでオブジェクトモードへ

・「Automodelling」をクリック

・続いて「Smooth」ボタンをクリック

──出来ましたか!?

ここで非常に良く出来ているなあと感じるのが、足を下方向にずんずん移動してしまっているのにも関わらず、「Automodelling」をクリックすると足がちゃんと地面に接地している状態に自動補正されるところですね。エディットモードで頂点を移動してしまうと、ピボットポイントを無視することになり、人物の配置自体がおかしくなってしまいますからね。
オブジェクトモードでプロポーションを自動補正するのに、ピボットポイントに足下を合わせてくれるところ、とても気が利いています。

Manuel Labって、本当に良く出来ていますよね!

さて、そろそろ今回はここまでにしましょう。

次回は──次回のお楽しみにしましょうか。

では!

Manuel Bastioni LABを使おう!(その14)

いつもなら掲載社火曜日なのですが、変則的にチュートリアルの第14回を掲載します。本家のバージョンアップに追いつかれそうなので。
というか、もう追いつかれているかも知れませんね。このブログも記事の公開日に書いているわけではないので…………。気になる人は本家サイトをご確認くださいね。

さて、唇に入ります。今回は基本的にこれまでの簡単な繰り返ししかありませんので、サクッといきますよ!
最初にGIFを載せましょう。これだけでも分かっちゃいますね。

09a

1.唇をアップにして、GIFのようにぐるりとポリゴンを選択します。alt+エッジのクリックですね。

2.どんどん選択します。追加選択の際はShiftを押しておくのを忘れずに。

3.最も内側はちょっと見えづらいので、更にズンとアップにします。アップにするとポリゴンの表示が消えてしまいますか? そういう場合はニアクリップの値を調整しましょう。ここへ戻ると方法が載っていますよ。

4.では、マテリアルリスト上で新しいマテリアルを作成(+ボタン)し、「Lips」と名前をつけます。ディフューズカラーをお好きな色に設定したら、唇のポリゴンにアサインします。

5.唇のあたりが全て赤くなったと思いきや、アップにしてぐるぐる見てみると、白い部分が残っています。何となくだらしのない印象になってしまうので、ここも唇の色にします。
ぐいっとアップにして、丁寧にポリゴンを選択し、Lipsマテリアルをアサインします。

6.では、レンダリングしてみましょう。イメージ通りになりましたか?
あとは好みで、唇にツヤっと反射を入れてみてもいいですね。

最後におまけとして、先週の宿題をGIFでどうぞ。
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ちょっと落ち着いた感じになりましたでしょうか…………。

さて、色付けは今回でおしまい。次回は、Manuel Lab1.2の機能に迫ってみましょうか。

では!

Manuel Bastioni LABを使おう!(その13)

今回はいよいよ目玉です。
早くしないと本家のバージョンアップで目玉が色つきになってしまいそうなのですが、まあ、Blenderの基礎ということで役に立ちますから……きっと。
これを書いている時点ではまだバージョンは1.2で、目玉の色付けも含むであろうスキンシェーダー実装の1.3がいつ公開になるのかは発表されていないようです。


ちなみに本連載におけるレンダリングは、すべてBlender Internalのレンダリング・エンジンを使用する前提としています。もちろん、標準Add-onのCyclesを使えば素晴らしく美しい絵を作れるのですが、あくまでも入門用と割り切らせていただいています。
設定も簡単、レンダリングも素早くてすぐに絵が出ますので、向いているかなぁと。
Cyclesを使うとレンダリング時間が長くなってしまうので、やはり初心者には向いていないと思うのです。非力なPCで使うにはCyclesはリッチ過ぎますしね。
初心者が非力なPCで制作することを前提としたチュートリアルですので、物足りない方はご勘弁を。そして、例えばBlenderGuruなどでCyclesの使い方を見てみてくださいね(英語ですが)。


さて、いきましょう!

1.目玉の外側(の球)を選択します。これは、前回も同じことをしていますので分かりますよね?
(ワイヤーフレームのモード(zで切り替え)にして、ポリゴンの中心にあるドットをよーく見て選択してみましょう)

2.マテリアルのリストで「eye_transparent」を選択します。やり方が分からなければ、前回に戻って確認しましょう。

3.マテリアル設定を下に少しスクロールし、「Transparency」にチェックを入れます。「Alpha」というのが透明度の値です。これを、0にします。

4.「Mirror」にチェックを入れます。読んで字のごとく、「鏡」の効果。反射です。「Reflectivity」がどのくらい反射するかという値です。これを0.5にします。

5.「Reflectivity」の右隣に「Fresnel」(フレネルと読みます)というものがあります。これはCGで質感を付けるにあたりかなり重要な項目です。簡単に言うと角度によって反射の度合いが変わるということですが、これを設定すると、反射の見え方が格段にリアルになります。値を1.5にしましょう。

6.これでレンダリングをすると、目が真っ黒になってしまいます。なぜでしょう? 実は、透明な目玉なのに、内側の目玉に影を落とす設定になっているため、内側の目玉に光が当たらず真っ黒になってしまうのです。

7.下にスクロールすると「Shadow」という設定がありますね。ここの「Cast=影を落とす」からチェックを外しましょう。

まずは目玉の外側にあたる球体を透明にします

レンダリングすると、内側の目玉が見えました。
この時、表示状態を戻す必要はありません。部分しか表示されていなくても、ちゃんと全体の絵がレンダリングされますよ。
どうしても面倒だとか、目玉に反射は不要だろうと思う場合は、「Mirror」の設定をしない手もあります。外側の球体を完全に削除してしまうというのも、アリです。実際、ディティールにこだわらなければあまり差がわからない部分でもありますので。

では、目玉の内側の球体に、瞳などの色を付けていきましょう。

1.まず、目玉の内側にあたる球体を選択します。ここはもう、説明不要ですよね?

2.Shift+hキーで、目玉球以外を非表示にします。zキーを押してシェーディング(色付き)モードに切り替えると、他の部分は何も見えなくなっていますね。

3.ピリオドをクリックして、編集したい目玉をアップ表示にしましょう。

4.まず、真っ黒にしたい瞳孔の中央辺りのポリゴンを一つ選択し、 Ctrl(MacはCommnd)+ 「+」キーで 選択範囲を拡張します。完全なセンターにポリゴンがあるわけではないので、選択範囲の拡張に連れて不要な部分も選択されてしまいます。

5.不要な部分の選択を解除するためにサークル選択モード(cキーで入ります)で中ドラッグします。GIFのように選択できましたか?

6.瞳の周囲も黒くしたいのですよね。円周上で一番幅の狭くなっている環状の部分を黒くするとちょうど良い感じなので、そのポリゴンの図上のエッジをShift+alt+クリックして、ぐるりと選択します。

Shiftを忘れると瞳孔の選択が解除されますので、ご注意を
Shiftを忘れると瞳孔の選択が解除されますので、ご注意を。

 

7.マテリアルのリストからEye_blackを選んで、Assignボタンをクリック。これで黒くなりました。

8.瞳に色を付けましょう。ここではブルーですが、もちろん、好みの色でどうぞ。「6」の要領で、青くしたい部分を選択します。

9.マテリアルのリストからEye_blueを選んで、Assignボタンをクリック。これで青くなりました。

10.ここでちょっと落ち着いて見直すと、瞳孔の部分がちょっと小さ過ぎたようです。一旦青くした瞳の一番内側をぐるりと選択し、Eye_blackをAssignし直します。

11.反対側の目も同じように設定しましょう。左右の目が完全に独立したオブジェクトであれば、マテリアルのリンク機能を使ってパッと設定することも可能なのですが、現在のモデルでは無理。地道に行いましょう。

12.レンダリングボタンを押すと、GIFのように出来上がりましたね!

 

これで目の回は終了ですが、実はまだちょっと不満があります。目の中の肌色が明るすぎて、違和感がありますよね?
これは、宿題にしましょう。マテリアルリスト上で暗めの肌色を用意し、暗い色にしたいポリゴンを選択してアサインします。さて、これだけの説明で出来れば、今までのチュートリアルをマスターしたことになりますよ!

次回は唇に色を付けます。
色付け編の最終回ですので、また次回もよろしくお願いしますねっ!

では!

Manuel Bastioni LABを使おう!(その12)

前回は眉毛に色が付いたところまででしたね。
最近、ちょこっとアクセスが増加しているこの特集ですが、実際にやってくださってる人っているかなあ。感想とかご意見とかくださると、がぜん頑張れるのですが!

今回は、睫毛までいきましょう。

前回の眉毛に色が付いたところからの続きです。
眉毛全体が選択されているので、まずはそれを非表示にします。hキーですね。
間違えて別のところを隠してしまったら、alt+hで戻ります。

これから目の質感を付けていくのですが、気をつけなければならないことがあります。実はこのManuel Laboで生成した人体、目玉のパーツが二つあります。
一つは目玉の外側。つるりとしたガラスっぽい反射を付ける、透明な部分になります。
二つ目は内側。瞳の色などを設定するのはこちら側になります。

まずは外側からです。

1.各ポリゴンの中央にあるドットをよーく見ながら、目玉の外側にあたるポリゴンを一つ、選択してください。

2.眉毛を除外選択した時の要領で、「Ctrl」(MacではCommand)を押しながら「+」キーを押し、 選択範囲を外側に拡張します。

3.目玉全体が選択されましたか?

4.選択されたらマテリアルタブで新規マテリアルを作り(+ボタン)、「Eye_transparent」と名前を付けてアサインします。もう、覚えましたよね? 分からなくなっちゃった人は、ここに戻りましょう。

5.片目を終えたら、もう一方も同様に。実際の質感づけは、後でまとめてやりましょう。

今回から、ある程度長さのあるGIFアニメは、初めのフレームに「Start」と付けます。少し分かりやすくなりましたよね?

今回から、ある程度長さのあるGIFアニメは、初めのフレームに「Start」と付けます。少し分かりやすくなりましたよね?

次の工程です。

1.目玉の一つをグリグリとアップにして、内側の目玉のポリゴンを一つ選択します。難しいですか? 大丈夫、よーく見ながらやれば、決して難しくはありませんから。

2.先ほどと同様、「Ctrl」(MacではCommand)を押しながら「+」キーを押し、 選択範囲を外側に拡張します。

3.目玉全体が選択されましたね?

4.選択されたらマテリアルタブで新規マテリアルを作り(+ボタン)、「Eye_white」と名前を付けてアサインします。先ほどと全く同じ手順ですね。

5.片目を終えたら、もう一方も同様に。

さて、どんどん続けてやってみましょう。
内側の目玉のマテリアルをアサインしたことで、睫毛以外は全てアサイン済みになりました。これを選択していきます。

6.マテリアルリストから「Eye_transparent」を選択し、「Select」ボタンを押します。目玉の内側に合わせて外側も選択されましたね。

7.続いてマテリアルリストから「Hair」を選択し、「Select」ボタンを押します。これで、睫毛以外は全て洗濯されました。

8.Ctrl+iキーを押して、選択を反転させます。とうとう、睫毛だけが選択されました!

9.せっかくですから、いつでも戻ってこられるように「Eyelash(睫毛)」のVertex Group(頂点グループ)も作っておきましょう。(Vertex Groupの設定方法はこちら
今回の方法では髪の毛と眉毛、睫毛も全て同じ色でHairのマテリアルを使用していますが、これをそれぞれ変えたくなった時、Vertex Groupを設定しておけばすぐに変更出来ます。

10.最後に、睫毛が選択された状態で、「Hair」のマテリアルをアサインしましょう。これで、睫毛の出来上がり!

06

 

今回の成果はこちら。

eye何だか怖いですねえ……次回は、瞳に色が入って怖くない状態にしましょう!

まだまだ先は長いですが、お付き合いのほど、宜しくお願い申し上げますー!

ではまた、次回をお楽しみに!

Manuel Bastioni LABを使おう!(その11)

さて、お待ちかね!
いよいよ、深い深い森に分け入って行きますよ──。

今回は、睫毛の《効率的な》色付けに挑戦です。

まずはeditモードに入っていることを確認します。
前回の続きでそのままなら、大丈夫ですね。
スクリーンショット 2016-06-12 17.26.51

では、早速開始!

1.頭のどこかのポリゴンを一つ、選択します。
選択するのは《眉毛・睫毛・目玉》以外のどこかです。例では、おでこを選択しています。
2.「Ctrl」(MacではCommand)を押しながら「+」キーを押します。
 選択範囲が外側に拡張されましたね?
3.「Ctrl」(Command)+「+」をどんどん繰り返します。選択されている範囲が見えなくなったら、ホイールをぐりっと回して表示を縮小しましょう。
4.全身にオレンジ色が広がるまで続けます。
5.これで残った部分が、肌色の形状とは繋がっていない独立したポリゴンです。

あれ? 眉毛をやるんじゃなかったの……
あれ? 眉毛をやるんじゃなかったの……

6.「Ctrl」(Macも同じ)+「i」で、選択範囲を反転させます。
7.「Shift」+「h」(hideのh)キーを押して、選択されている部分のみ以外を隠します。

あれ? 眉毛をやるんじゃなかったの……
眉毛を含むポリゴンが選択されています…

8.zキーを押してワイヤーフレーム表示にします。
 (必ずワイヤーフレームで作業します。裏面も含め、全てのポリゴンを選択するためです)
9.眉毛以外の選択を解除します。まずは画面の表示サイズを調整します。口の周囲のオレンジ色が、目などと重なっていない状態にします。
10.cキーでサークル選択ツールにして、マウスの中ボタンで口の上をクリックかドラッグします。選択が解除されますね?
11.口の選択を解除したら、再度「Shift」+「h」キーを押して、口を隠します。
i_2
Vertexグループの工程は必須ではありませんが】
12.せっかく苦労して(でもないか……)選択状態を作ったので、いつでも再現できるようにVertexグループを設定します。

ツールアイコンで青くなっているのが、Vertex(頂点)に関する設定を行なうタブへの切り替えボタンです。
下を見ると、「Vertex Group」というロールアウトがありますね。
スクリーンショット 2016-06-12 18.28.19

13.現在の選択状態で、「Vertex Group」の「+」ボタンを押し、新しく出来た「Group」に「Eye_Group」と付け、Assignボタンをクリックします。これで、いつでも選択状態を再現できるようになりました。右側の「Select」「Deselect」ボタンで、選択と解除が可能です。

14.選択を解除し、またサークル選択ツールで眉毛を選択します。
15.眉毛のみが選択された状態で、またVertexグループ「Eybrow」を作ります。
16.Assignボタンをクリックします。

i_03

17.では、マテリアルをアサインしましょう。
18.マテリアルタブ(オレンジの玉のアイコン)を選択し、マテリアルのリストからHairを選択、Assignボタンを押します。
19.タブキーでeditモードを抜けてObjectモードに戻り、zキーでワイヤーフレーム表示からシェーディング(色つき)表示に切り替えます。

i4

はい、眉毛に色が付きましたね!

今回はここまでにしましょう。
引き続き、色を付けていきますよ。
(先は長いので、じっくりゆっくり行きましょう──)

では、次回もお楽しみに!

Manuel Bastioni LABを使おう!(その10)

まさかの連載10回目を迎えました、「Manuel Bastioni LABを使おう!」ですが、最近順調にアクセスが伸びてたりします。
(いや、もちろん、一桁@日ですよ、一桁……)

では、今回も元気にいきましょう。
《色分け》は結構大変なので、何回かに分けていきますね。

モチベーションが高まるように(高まるかしら?)結果の画像を最初に載せておきます。今回だけではここまで辿り着きませんが、何回か後にはこんな感じに色分けできると思います。

これまでの状態より、生き生きしてきました!
これまでの状態より、生き生きしてきました!

細かいところをいじりますので、まずはマウスの中ボタンでぐりぐりっとアップにしましょう。

こうやってアップにするつもりが……
こうやってアップにするつもりが……

ところが、こんな風になっちゃいませんでしたか?
いったい、何が起こったんでしょ?

わっ、怖い!
わっ、怖い!

これは、どんなCGソフトにもある「ニア・クリップ」という減少です。奥行き情報の計算負荷を抑えたり、表示上の不具合を防ぐために、オブジェクトとカメラの距離を一定の範囲だけしか計算しないようにしています。そのため、カメラとオブジェクトが初期設定より近付き過ぎたり遠ざかり過ぎたりすると、カメラに写らなくなるのです。今見ている「ビューポート画面」はカメラではありませんが、考え方としては同じで、実際は目に見えないカメラを通して画面を見ていることになります。
(CGに慣れないと、ちょっと馴染み難い考え方かもしれませんね)

ニア・クリップされている例
ニア・クリップされている例

さて、まずはこれを解決しないと、先へ進めません。

1.今見ているビューポートの右側に「プロパティ・パネル」がなかったら、表示させます。
2.マウスカーソルが「今見ているビューポート」の中にあることを確認し、キーボードのNを押します。もし、「プロパティ・パネル」が既に表示されていたら、Nキーで消えます。キーを押すとオン・オフを切り替えられるのが、Blenderのショートカットの便利な特徴のひとつです。

3.「プロパティ・パネル」を下にスクロールします。「View」という項目が見えましたか?

4.「View」のなかに「Clip」という項目があります。ボックスが2段あり、上がStart、下がEndです。このStartが、「カメラがこれ以上オブジェクトに近付くと表示しませんよ」という範囲です。初期値では、0.1になっています。この数字の単位はメートルだと考えれば問題ありません(※)。これを、現在の100分の1に小さくしましょう。つまり、0.001です。これで、1ミリの距離まで近付いても、オブジェクトの表示が消えることはありません。

※本当は初期設定で単位系を「メートル」に設定してから作業すると分かりやすいのですが、事実上同じことなので、今回は気にしないことにします。
ClipのStart値を100分の1にします
ClipのStart値を100分の1にします
ぐりぐりっと。
ぐりぐりっとアップに。

基本的な画面の設定が出来たら、次は必要な色を用意しておきましょう。
マテリアルの増やし方は覚えていますか?

1.マテリアルパネル(下のGIFアニメだと、パネル切り替えのアイコンが並んでいる一番右、オレンジっぽい丸です)を選択すると、ビューポートで現在触っている(オレンジの細い線で囲まれた)オブジェクトに当てられた質感が並んで出てきます。

2.右端の「+」ボタンを押して、新しいマテリアル用の空きスロットを作ります。

3.現われた「+New」ボタンを押して、新しいマテリアルを作ります。

4.新しく現われたマテリアル(マテリアルパネルと同じアイコン)の右側の青い帯をダブルクリックすると、文字が入力できます。下のGIFアニメに倣って、「Eye_white」「Eye_blue」「Eye_bleck」「Lips」と名前を付けます。

5.マテリアルのサムネール(チェッカー模様の部屋に置かれた球)の下にあるDiffuseカラーのボックスをクリックすると、カラーホイールが出ます。ここで、色を設定します。部位の色に従がって、白目の白、瞳の青、瞳孔の黒、唇の赤にしましょう。もちろん、青の替わりに緑や茶でもいいですし、好きな色でどうぞ。

新しいマテリアルをどんどん作って名前を付け、色を付けます。
新しいマテリアルをどんどん作って名前を付け、色を付けます。

次は、いよいよ難しい部分に入っていきます。
単純に考えれば、色を付けたい部分を選択し、服のところで行なったようにAssignボタンを押せばいいわけなのですが、これ、ものすごく大変なのです……。

眉毛のアップ
眉毛のアップ

ちょっと眉毛をアップにしてみただけでも分かりますよね?
眉毛のオブジェクトはそれぞれ、つまり毛の一本ずつ独立しています。これでは、とてもじゃないけど眉毛の色にしたいところを選択するなんて出来ません!

では、やり方を考えましょう。

────次回にっ……!!

(済みません、前置きが長くなりすぎちゃったので、次回につづきます……)

来週もよろしくっ!

Manuel Bastioni LABを使おう!(その9)

どんなにアクセス数が少なくても、めげずにManuel Bastioni LAB特集を続ける所存の淡波でございます。
さて今回は、盛り上げた髪の毛を色分けしてみますよ。

では始めます。

・まずはエディットモードに入り、サークル選択ツールにします。
(Tab, そしてcキーです)
・髪の毛にしたいポリゴンをサークル選択していきます。
・画面をうまくグルグル回しながら選択しましょう

覚えていますか?
画面をグルグルしたい時は、一旦サークル選択モードを解除するために右クリックです(左クリック標準に変更している場合)

エディットモードで、髪の毛にしたいポリゴンを選択します
エディットモードで、髪の毛にしたいポリゴンを選択します

さて、これでざっくり色分けできた感じもしますが、ちょっと大雑把すぎますよね。
もう少し、丁寧に加工して、髪の毛らしくしていきましょう。

ナイフツールを使って、ポリゴンを切っていきます。ナイフツールにするには、エディットモードでキーボードのkを押します。knifeのkと覚えましょう。
マウスのポインタがナイフの形になったら、髪の毛の生え際にしたいあたりをクリックします。次々にクリックすると、ナイフで切ったようにエッジが出来ていきます。
最後にEnterキーを必ず押してくださいね。そうしないと、キャンセルされて全て元に戻ってしまいますので。
15_2

エッジを切ったら、まだ髪の毛の色になっていないポリゴンをサークル選択ツールで選択(Cキー)し、先ほどと同じ作成したHairマテリアルを適用します。

最後にもう少しだけ髪の毛に手を入れ、レンダリングしてみました。

生え際のちょろんとした髪の毛を作ってみました
生え際のちょろんとした髪の毛を作ってみました

cut

さて、何か物足りないですよね。
そう、眉毛や目、唇が肌色です!

次回は、今回のテクニックを使ってそれらに色づけしていきます。
え?
もう自分で出来ちゃった、ですって?

では、少しだけ効率アップ出来るコツを挟みながら、次回はいきましょう。

ではまた次回をお楽しみに!
next