Category Archives: 自作について

短編最終話の表紙がまず完成

完成、と言っても今回は0から作ったわけではないので、短時間で出来上がりました。見てお分かりのように、これまでの短編作品の表紙をレイアウトしたものになっています。

短編集もいよいよ最終話!
短編集もいよいよ最終話!

どうして最終話の表紙がこれまでの表紙のコラージュになっているのか? さあ、皆さん興味が湧いてきますねえ。
そうです。実はこの最終話、『奇想短編集 そののちの世界』を構成する全ての短編作品の《完結編》になっているのです!
各短編の表紙にも、最終話のレイアウトに使っている分割線が使われていることに、気が付いていましたか? この分割線、実は表紙を九つの領域に分けるためのものだったのです。表紙のデザインも、実は伏線になっていたのですねえ……。
(って、誰も感心しないか)

最終話『未来からの伝言』には、あの作品やあの作品の《もう一つの結末》が含まれ、全ての短編がこの完結編に至る伏線であったことが示されます。(ネタバレ?)
三ヶ月以上にわたって書き連ねてきた各短編作品は、実はこの完結編を目指して構築されたもの。Amazonさんや楽天コボさんでの紹介文でも、「2015年3月25日発売予定の最終話以外は各短編にストーリー上の関連はありませんので、どの回からでもお読みいただけます。」と書いています。この意味が、とうとう明らかにされる、というわけなのです!

この最終話は第一話から第九話までのいずれかの話を読んでいれば内容を理解できるように書いてはいますが、たくさん読めば読むほど、最終話の味わいは深まると思います。
中でも、第九話の『希望の船』だけは最終話の前にお読みくださることを強くお勧めします。

ちなみにこの最終話は、当分の間無料キャンペーンを行なわないと決めています。何も予備知識がない状態でこの話だけを読むことは出来るだけ避けたいな、と思いますので。
他の短編後半分(第七〜九話)は適宜無料キャンペーンを行なうことになりますので、まずはそちらをお読みくださると嬉しいな、と思います。

では、三月二十五日の刊行をお楽しみに!

短編第九話を刊行

『奇想短編集そののちの世界』の第九話、『希望の船』を刊行しました。昨年12月15日から始まった淡波亮作刊行ラッシュもちょうど三ヶ月目、いよいよ最終作の執筆も始まっています。

さて、この『希望の船』ですが、表紙の宇宙船に見覚えのある方はいらっしゃいますか?

『希望の船』表紙
『希望の船』表紙

そうですね、これは、予告編映像などに登場している巨大なスペースコロニー型宇宙船ティオセノス号です。(この船には、十万人もの人間が乗っているんですよ!)

実はこの短編、刊行ラッシュの初回を飾った長編SF冒険物語『ケプラーズ5213』の前日譚をなすストーリーなのです。『ケプラーズ5213』の時間軸は、ティオセノス号が惑星ケプラー186fに近づきつつあるところから始まりますが、人類がなぜ地球を離れることになったかについては、あまり詳しく述べられていません。(ちなみに、小説自体の始まりは惑星に到着したところから、ですが)

この『希望の船』を含む短編シリーズ『そののちの世界』は、《科学と文明の過剰な発達がもたらすかもしれない様々な「そののちの世界」の出来事》を描いたものです。ここでは、なぜ地球が人類にとって生息が不可能になってしまうほどその環境を悪化させてしまったのか、この巨大なプロジェクトが誰の手によって計画・推進され、実現されたのか、などに焦点を当て、スリリングに描いています。ケプラーズをお読みになった方はもちろん、こちらを先に読んでからケプラーズを読むと、面白さ倍増ですよ!

さて、『希望の船』では、新たに一つの試みを盛り込んでいます。本編の後ろに『ケプラーズ5213』の冒頭部分を試し読みとして入れているのです。これは、通常アマゾンからダウンロードできるサンプル版とは異なり、第三章まで読めます。こちらのランディングページにあるお試し読み版は第二章までなので、それよりさらに長く読めるというわけです。

『ケプラーズ5213』ランディングページ

お試し分を読んでいる間に、ストーリーにどっぷり浸かってもらい、もう続きを読まないではいられなくなる、という作戦なのですが、どうなりますか……。

この手法、アメリカのペーパーバックなどではよく使われているもので、僕もこれまでスティーヴン・キングやダン・ブラウンの小説でこれにやられ、次の小説をついつい購入していました。

短編はそれぞれ99円という価格設定にしています。缶コーヒー一杯より安いお値段ですが、それ以上の満足は必ず得られると信じています!
(追記:価格改定により、長めの作品は140円になりました)

『希望の船』の冒頭部分を、こちらに載せておきましょう。少しでも興味を持っていただけると良いのですが……!


希望の船

二一八三年、アメリカ合衆国ワシントンDC。
「中国は一万人を希望しているそうですが、どう対処しますか?」
アダムズが困りはてた顔で、書類の束をテーブルに置いた。
「一万人? あいつら気は確かなのか」
ストラスバーグが書類の束をパラパラとめくり、首を横に振った。
「経済的側面からも文化的側面からも当然の権利であると、書面の結びに……」
「はん! 放っておけ。自分たちの言っていることがいかに常識外れなのか、いずれ嫌でも分かるだろう」
「でも議長、中国の要望をそうやって撥ねつけるのなら、振り返って我々自身の要求は他国の理解を得られるのでしょうか?」
「当たり前だ。誰が調査し、計画を立て、設計の中心になってきたと思ってる」
「それはもちろん我が国ですが、これは国際事業ですし、」
「構成メンバーの半数はアジア、資金の六割はアジアが負担していると言いたいんだろう?」
「え、ええ」

米国が先導し、このプロジェクトを開始してより、すでに十年という歳月が経過していた。今年はいよいよ実際の建設工事が開始されることになっている。その大いなる夢を米国は語り、今日まで世界から莫大な資金を調達してきたのだ。その中でも中国は、巨大なスポンサーの一つであった。
「いいか、ティオセノス・プロジェクトは商売ではない。各国が進んで資金を負担するのは、見返りを期待してではなく、より良い結果を出すためだ」
「はい、資金は善意によってのみ提供されなければならない。という趣意書を鵜呑みにすれば、ですが」
「趣意書はタテマエじゃない。人類にとってぎりぎりの選択が、私欲のためになされても良いだなどと考える愚か者がどこにいるんだ」
「そうですが……」
アダムズはなおも不安を隠さない。
「いいんだよアダムズ君。我々は正しいと信じることを推進するのみだ。世界の総意によって判断は行なわれ、のちに結論を下すのは、私たちの遠い子孫なのだから」
「そうですが……我々自身の要求こそ……」
過度なのではないか、という言葉をアダムズは飲み込んだ。彼の心中を察してか察せずか、ストラスバーグは書類の束に一瞥をくれると、無言で歩き去った。


気になった方、続きはこちらから是非どうぞ!

ようやく(?)Hagoromoを導入!

Hagoromo
Hagoromo

Macでの執筆環境についてずっと調査・研究(大げさ!)を続けてきましたが、とうとう、これぞ決定版! に近い選択肢を見つけました。Artman21さんが発売しているエディタ、「Hagoromo(はごろも)」です。

以前、KDP作家仲間のさんからご紹介いただいたのですが、一連の短編集はずっと同じ環境で執筆するべきだろうと思ったため、まだちゃんと調べていませんでした。

ところが、短編前々作である『段ボール箱の中の人形』の無料キャンペーンにおいて、iOSで読めない、DLできないという大失態を犯し、もう少しエラーを招かない方法はないかと再度考え始めていました。しかも、そのエラーを修正して臨んだ二回目の無料キャンペーンにおいて、またも一部のiOSで読めないという問題が発生。元になるePubはこれまでに出版したものと全く同じ構造になっているため、今回は原因も分からずじまい……。

今後も同じような事態を引き起こすわけにはいかないため、いったんHagoromoを研究してみることにしました。何しろ、今まで考えてきた日本語執筆環境に必要な下記の要素が全て盛り込まれていますから。

・縦書き
・ルビ
・傍点(圏点)
・縦中横
・ePub書き出し

広橋さんからは、圏点やルビの書き出しにエラーがあるとお聞きしていましたが、2/16のアップデート版で解決しているのかもしれません。僕が少し試した限りでは、いずれも問題はありませんでした。
<3/10追記:現在のバージョンにはまだバグがあるそうです。バグフィックス済みの新バージョンは、本日現在アップルの審査中だそうで、もうすぐ改訂版が出るようですよ!>

そこで早速、書きかけの短編第九話の途中から、執筆環境を切り替えてみました。

さて、今日はここで時間切れ。残りは次回をお楽しみに!

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

KDPに絞ったら……途中経過

現在順次刊行中の短編集『そののちの世界』ですが、第六話からAmazonの独占販売に切り替えました。残念ながら、楽天KOBOでは第五話までしか読めないことになります。
ちょうど短編集の刊行を始めるタイミングでKOBO Writing Life に参加したのですが、やはり知名度ゼロの素人作家には厳しい世界です。
これまでKDP、つまりKindle Direct Publishing では、次のような方法で読者数拡大を狙ってきました。

1. 予告編公開(長編のみ)
2. 表紙画像の制作過程などTwitterでつぶやく
3. Twitterで出版予告
4. 出版
(5. 小説に付随する別コンテンツを随時公開)
6. Twitterで告知、Facebookでお知らせ
7. 無料キャンペーンを打つ
8. 無料キャンペーンをTwitter、Facebookで告知
たまにGoogle+でも告知

これらの中で最も重要なのが、やはり無料キャンペーンです。

短編集の連続刊行を開始する時、三ヶ月もずっと新刊書が並び続ければ注目されること間違いなし! と期待していたわけです。しかも、KOBOでは本の価格を常時無料に設定できるので、これならどんどん読者さんが集まるかも! と思って始めたわけです。

が! それは全くの考え違いだったことにすぐ気が付きました。そんなに甘いもんじゃありませんでした。
もともと無料の本は、特に情報として取り上げてもらえるチャンスもないのです。(もちろん、何らかの方法で「自ら」発信し続けることが大事なのですが)
その結果、KOBOでの配布数は惨憺たるものに。無料で配布しても、誰も来ない野っ原に放置しているのと同じ状態では、意味がありません。しかも、それによってKDPセレクトには登録できなくなりますので、Amazonでの無料キャンペーンも行なえなくなります。Amazonでも売り上げが伸びず、せっかくの三ヶ月連続出版ラッシュが無駄に終わりそうな雰囲気が見えてきました。

ここで、戦略の転換です。やはりAmazonの無料キャンペーンの力は絶大です。期間限定で無料になるのであちこちで告知していただけますし、最近は電書ちゃんねるプラスでも紹介していただけたり。
第六話の『段ボール箱の中の人形』からはKDPのみの刊行に絞りました。第七話の『サタンと呼ばれた男』発売直後の今週末、早速第六話の無料キャンペーンを打っています。もちろん、今現在もキャンペーンの真っ最中です(知らなかった方、今がチャンスですよ! -> 3/3(火)17:00終了)。

その途中経過がこちら。

無料キャンペーンの効果!
無料キャンペーンの効果!

初日は金曜日の夕方からなので仕方ないとして、二日目、三日目の伸びはすごいです。
今まで、あまり無料キャンペーンの対象にする作品はどんなものが向いているかを考えてはいませんでしたが、やはり、ドアオープナーにしたい作品には、短編が向いているのでしょうね。『孤独の王』のような大長編(一般的な文庫本換算で730ページ!)を無料で落としても、もともと興味のあった人でなければ読了は厳しいでしょうし。しかも、『孤独の王』はじっくりじっくり描写するスロースタート系ですし……。

さて、無料キャンペーンは火曜日に終了しますが、大事なのはその後です。DLしてくださった方が読んだ別の本の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」欄に、『段ボール箱の中の人形』が並ぶことになるからです。
これまで、無料キャンペーンの終了後は有料本の購入数も増加しています。短編はいずれも99円で《お求めやすく読みやすい》ものになっているため、その効果には期待できるのではないかと、内心、わくわくしているのです。

(あ、もちろん、KWLをやめたわけではないんです。将来もう少し知名度が上がったら、あちらにもどんどん出していきたいと思っています)

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

『サタンと呼ばれた男』を予約出版

本日、Amazonさんに最終原稿を提出、早ければ本日中に予約出版が開始されます。夕べ、早まって出版ボタンを押してしまい、今朝、一旦出版されてしまいました。その辺の顛末を、Twitterへの投稿からどうぞご覧下さい。

間違えた! のツイート
間違えた! のツイート

KDPの出版用登録画面では、下図のように、「発売準備ができました」と「本の予約注文を有効にします」が並んでいます。これをうっかり押し間違えてしまった、という単純なミスなのですが。

まだ、戻れたのに

 

ここまでなら、もちろんチェックを入れ直せるのですが、これを保存して次のページまで進んでしまうと、そのまま気付かずに出版ボタンを押してしまうんですね。
本当は出版ボタンの文言も予約と出版で違いますから、よく見ていれば間違うことはないのですが、夕べは家族を待たせていたりしてちょっと焦っていました。早く終わらせなきゃ、って。
そこで、出版ボタンを押してしまい、「出版中……」のメッセージが出たところで「?」が灯りました。

「あれ? 予約のボタンってどこだっけ?」

ここまで行ってしまうと、Amazonさんの「レビュー中」という状態になり、本の情報は一切編集できなくなります。
仕方なく朝まで待ち、出版を停止。そこから詳細情報を編集しようとしましたが、上のラジオボタンはもう、選択変更不可能になっていました。どこを編集しても、ここだけはグレーの状態で。

やり直そうとしましたが…
やり直そうとしましたが…

 

しかし、せっかく発売日前に完成している原稿。やはり予約出版にして、たった三日間でも露出を増やしたい、と思うのが人情。そこで考えました。。別の本として全部情報を登録し直してみよう、と。

成功!
成功!

 

と、いうことで、何とか予約出版に成功。

失敗の分だけ棚の本が増えていく……
失敗の分だけ棚の本が増えていく……

 

これはこれで良かったのですが、KDPの本棚には、今のところ本棚の本を整理する機能がないのです。失敗した本は「下書き・未出版」のまま本棚に放置される、というわけです。ここ、何とかなるといいんだけどなあ。(これからは失敗しなければいいのですがね)

おまけに、最終版まで何度か更新した表紙画像の変遷をGIFアニメでどうぞ。だんだんサタンの表情がそれらしくなりますよ。

サタンの変遷
サタンの変遷

 

最初の画像は目の光が可愛らしいでしょ?
(どれが最終の顔か、分かりますか?)

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

短編第七話の表紙が完成

第七話のタイトルは『サタンと呼ばれた男』。怖いですねえ。
表紙画像はその男の肖像です。いつものようにBlenderで作っていますが、今回は第一話の『夜啼く鳥』と同様、3D Sculpt、つまりデジタル彫刻でモデリングしています。Sculptするためのツールはいろいろありますが、今回はBlenderでなくスカルプト専用でしかもフリーのツール、Sculptrisを用いています。
BlenderのSculptツールもなかなか高機能なのですが、今のところ僕はSculptrisのほうが使いやすいなあと思います。
さて、画像はまずSculptris上のキャプチャから行きましょう。

Sculptris作業画面:粘土のような見掛けになっています
Sculptris作業画面:粘土のような見掛けになっています
せっかくなのでこんな迫力のアングルからもどうぞ
せっかくなのでこんな迫力のアングルからもどうぞ

このシェーダー、実はBlenderで作ったMatcap画像です。気になった方は、こちらのリポジトリからダウンロード出来ますよ!

額の模様アップ
額の模様アップ
ターンテーブル回転のGIFもどうぞ
ターンテーブル回転のGIFもどうぞ

 

さて、モデリングが完了すると、データをOBJで書き出し、Blenderに読み込んでマテリアル、テクスチャを設定し、ライティングしてレンダリングを行ないます。今回は肌のマテリアルにサブ・サーフェス・スキャタリングのシェーダーを用いていますので、背後から光を受けて透けている部分(=耳)の一部がぼんやりと光を透過していますね。全体の質感も柔らかな光の雰囲気が出ています。角の硬質さと比較すると、よく分かりますね。

 

Blenderでのレンダリング結果:人肌っぽい色調で、背景もありません
Blenderでのレンダリング結果:人肌っぽい色調で、背景もありません

最後にBlenderで背景を付けたり色調やコントラストを調整した最終画像をデザインに当て込んだのがこちら。

Blenderで背景を合成し、調整後の完成表紙
Blenderで背景を合成し、調整後の完成表紙
顔が怖くないという意見をいただき、修正した最終版。サタンらしくなりました。
顔が怖くないという意見をいただき、修正した最終版。サタンらしくなりました。

 

小説の発売は、2月25日です。もう少しお待ちくださいね!

株式市場の帝王と呼ばれ、何もかもを喰らいつくすことが生き甲斐のこの男……、どんな話なのでしょうね!

さて、この記事は、いつか誰かのお役に立てそうでしょうか…。

短編集第六話の表紙を更新

Blender Artists スクリーンショット
Blender Artists スクリーンショット

実はこの画像、Blender Artistsに投稿していました。ビュー数は、これを書いている時点で430。結構な数の人に見ていただけて嬉しい限りです。え、少な過ぎますか?
ここで何人かの方にレビューを頂いたのですが、まあ、自分のツメの甘さに恥ずかしい思いをしました。そこは突っ込まれる筋合いはないぜ、という部分もありましたが、言われていることは概ね正しかったので、ちょこっと手を入れました。明日が発売日なので、このタイミングで本の表紙を差し替えることはできませんが、こちらに修正したものをアップします。

<全体がグレーで主役に視線がいかない>というご指摘。タイトル等の文字で主役以外はかなり隠れることも計算に入れた絵作りではあったのですが、まあ、一枚絵として投稿したので無理もなかったかな。

<手前の柱をなくしたほうがいい>というご指摘。確かに箱の主役感は高まるのですが、それは譲れないポイント。柱の向こうにあることで、”より気になってしまう”効果が出せるという計算なので。柱の上の方はタイトルで隠れることも考えると、柱には生の絵で見るほどの存在感はないと思うのですが、いかがでしょう?

周囲を暗くして、段ボール箱まわりのスポットを強めました。色調も少し調整して視線が集まりやすいようにしています。ちょっとやり過ぎだった?

明るさを再調整
明るさを再調整

表紙に当て込むとこんな感じです。

修正後の表紙
修正後の表紙

皆さんはどう思われますか? ちょっと暗くし過ぎてよく見えない感じがしますか?

最後に、両者を比較出来るよう、横に並べてみます。
さあ、どちらが好きですか?

左:旧(現行)表紙  右:修正後の表紙
左:旧(現行)表紙     右:修正後の表紙

さて、この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

短編第六話の表紙が完成

段ボール箱の中の人形
段ボール箱の中の人形

『奇想短編集 そののちの世界』の第六話にあたる『段ボール箱の中の人形』の表紙が完成しました。これまでで最も手間をかけたものになっています。いやー、これさえやらなければ、もっとどんどん小説執筆が進むんですが……。
この、少しでも注目されるための作戦、本当に効果があるのかどうか。でも特徴のあるプロっぽい表紙を作るのは、とても大切なことだと思います。今後も続けますよ!

さて、せっかくブログでお見せするからには、ここに見に来て良かったなと思える追加情報を。

Twitterを読んで下さっている方はすでにご存知のものもあるかと思いますが、途中経過や別バージョンの画像をいくつか載せちゃいます。

階段を作り始めたところ
階段を作り始めたところ
階段を作り始めたところ
階段の途中経過。形が出来上がり、質感をつけています。
球体間接人形
球体間接人形。初めてきちんとリトポロジーした人体型モデル。頭だけはきれいなベースメッシュを作ったので、今後このモデルをベースにしていろいろ展開するのが楽しみ!
ついでにアニメーション
ついでにアニメーション。筋肉の流れに沿ってメッシュを切っているので、笑わせると自然に頬が上がります。
顔のトポロジー
顔のトポロジー。まだまだ無駄なポリゴンや流れの美しくない部分があり、改善の余地はたくさんありますが…
段ボール箱
段ボール箱
人形アップ
人形アップ。妙に目力が強い。
階段のアップ
階段のアップ

さて、人形のアップを見て、あれ? と思った方は鋭いです。
人形や段ボールの「汚し処理」は別にレンダリングした画像をコンポジット(合成)したもの。ここに載せるアップカットを作るためにそこまでの労力はかけなかったので(つまり手抜き!)、リアリティが足りなくて雰囲気がかなり異なりますね。

完成画像のアップ
完成画像のアップ:箱や人形が適度に汚れていてリアルですね(自分で言うなよ)。

下に、今回書き出したエレメントをまとめます。

レンダリングした各種エレメント
レンダリングした各種エレメント

中央がフルレンダリング。Kindleの表紙用フル解像度よりやや大きめ(長辺3,000pix)で、約1時間半のレンダリング時間です。サンプル数は1,000。
上の画像は32bitデータの現像処理前なので、白っちゃけて見えますね。

以下、順に左側から。
・1番目:アンビエント・オクルージョン版、光の当たらない凹んだディティール部に影を追加で加えるためのものです。
・2番目:ダート(汚し)版。これで人形と段ボール箱をはじめ、全体に汚しをプラスしています。
・4番目:スポット版:段ボール箱の辺りにだけ、追加で光を当てるためのもの。雰囲気を左右する光は、こうやって後調整出来るようにしておくと便利です。
・5番目:Zバッファ版。こちらも32bit画像なので、現像処理前のものは真っ暗ですね。カメラからの距離をグレースケールで表したもので、距離に応じたレンズのぼかしを調整します。
ディスプレイで見えるラチチュードに調整した画像を載せておきましょう。こちらの場合、明るいほど画像がぼけていく、ということになります。

Zバッファ画像
Zバッファ画像

今回はCG画像の解説のような記事になりましたが、分かる人には物足りない、分からない人には意味不明、という微妙な内容だったかもしれませんね……。でも、ハリウッド映画のメイキング映像も、別に内容を全部理解して見ているわけではないですよね。「すっげー!」という感じが面白い、ということだと思うので、まあ、今回の記事もそういうことで。
丸三日も掛かってしまったので、まあ作者の自己満足だと思ってくださいな。

最後に、表紙用デザイン抜きの画像だけにしたものを、参考までに載せておきますね。

表紙用画像、オリジナル
表紙用画像、オリジナル

この記事がいつか、ちょっとだけ、誰かの役に立つといいな。

種明かし:Make Humanは便利です

Make Human
Make Human

今まで制作してきた動画作品に登場する人物は、実は全てMake Humanで制作されたもの。
Make Humanはオープンソースでフリーの3D人間モデラー(なんか他の言い方ないのか)。その昔、Blenderのアドオンとして開発され、その後独立したアプリケーションになったものです。
そのため、Blenderと連携しやすく、人体のベースを作成するにはとても便利です。WEBサイトの説明を見ると、スカルプトのベースとしても良い、というような記述があります。なるほど、それは考えたことがありませんでしたが、確かに良さそうですね。

初期の頃はなんだか何をやりたいのか分からないようなところがあって、宇宙人とか変なクリーチャーもどきを作れたりしましたが、最近のバージョンではすっかりリアルな人間作成指向になっています。

性別、年齢、人種、背の高さ、体型などをどんどん入力していけば、リアルな人物が出来上がります。

デフォルト画面
デフォルト画面

こんなインターフェイスです。初期設定では性別パラメーターが男女の中間になっています。首から下は……ご自分でお確かめください。(そう、このソフト、リアルへのこだわりからか、ここで書けないようなパーツも備え付けられています。誰が使うのかなあ)

Make Humanのパラメータを色々といじるだけで、このくらいの人物はすぐ出来ます。顔の表情も付けられますので、遊んでいるだけでも楽しいかも。

アジア人の男で僕の年齢と背格好に設定……。
アジア人の男で僕の年齢と背格好に設定……。(ちなみに僕とは全然似てませんよ)

一応、ライブラリに洋服もいくつか入っているのですが、それだけではちょっと淋しい。

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身に付けるもののライブラリ

僕の場合は、データを書き出してBlenderに持っていき、あちこち加工します。

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この手もMake Human製。Blenderに持っていけば手のポーズも自在に変えられます。
発掘現場の考古学者も
発掘現場の考古学者も(『孤独の王』予告編より)

この服は、Make HumanのシャツをBlenderで加工したもの。ほとんど原型を留めていませんが……。

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独裁者グロウノル王も(『孤独の王』予告編より)

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Seniro_compo_0120
主人公セニーロくんも(『孤独の王』予告編より)

 

さ、気になった方、いじってみたくなった方は、http://www.makehuman.org/でダウンロードしてみましょう!

Make Humanじゃなくて『孤独の王』を読んでみたくなった方は、こちらですよ!

この記事が、いつか誰かの役に立ちますように!

ケプラーズ5213のランディングページを公開

でんでんランディングページを利用して、ケプラーズ5213のランディングページを作らせていただきました。といっても公開したのは1月25日。短編集第六話の執筆に追われ、ブログでのお知らせがすっかり遅くなっていました。

構造としてはTumblerのブログテンプレートになっていて、これがとても凝っているんです。まさに、小説のプロモーションのために作られた専用のテンプレートで、盛り込みたい情報をどんどん書けます。
つい、登場人物の紹介も入れましたが、画像はヒロインのケイト・シルバーバーグのものしか、しかも眠っている姿しかないことに気がつきました。
主人公の画像がないんだから、誰も入れなければいいんですが…。つい、女性の絵があったほうが少しはアピールするかなあ、なんていう下心が出ました。

こちらがそのイメージ。カッコいいでしょ?

ケプラーズ5213 ランディングページ
ケプラーズ5213 ランディングページ

作品ページはこのサイト内にもあるんですが、せっかくあるものは使ってみたいですもん。
そうそう、どちらのページにも、そこにしか載せていない情報がありますよ。是非、両方いらしてくださいね!
これからも両方とも少しずつ情報を増やすつもりですし!!

このでんでんランディングページといい、doncha.netさんのeasy epubといい、いろんな方にお世話になって、淡波亮作は作られています。

ちなみに、でんでんランディングページの使い方は、このダウンロードページの下の方に詳しく載っています。実は僕、この「下の方の説明」に最初気が付かなくて、どうやって使うのか全く分からずにもんもんとしていました。ちょこっと下にスクロールすれば説明がありますので、githubのプログラマーぽいページに面喰らってしまわず、ページの下をどんどん見てみてくださいね。

これからKindle作家になりたいという方は、きっとお世話になるページだと思います。是非、覗いてみてくださいね。

さて、この記事がいつか誰かの役に立ちますように!