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BLENDER-99-35/キューブに任せろ! その11

前回、『キューブに任せろ』の10回目はネジを作れるスクリューモディファイアでした。
今回のモディファイアは、もっと面白い形が作れるみたいですよ!

いつものようにBlenderを起動して、モディファイアリストを表示させましょう。
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今回の優れものモディファイアは……

【Blender-99 絶対に挫折しない3DCG入門 -35
キューブに任せろ! その11】

【今回の学びはこちら】

・キューブに任せろ! その11
「Cast(キャスト)モディファイア」

はて、キャスト?
何のことだかさっぱり分かりませんね。
一目で分かるようにアニメーションを用意してみました。
豪華ですねえ(笑

と、いうことで──
あ、解説抜きでは分かりませんね。

大きい方のキューブにCastモディファイアを当ててあります。
そのキューブに〈影響を与えるオブジェクト〉として、小さいキューブを設定しました。

一言でいえば、
「〈影響を与えるオブジェクト〉との位置関係によって、自らの形状を変形させるモディファイア」
となるでしょうか。

Castを辞書で引いてみます。

google翻訳では、今ひとつしっくりくるものがありませんでした。
(トップがカタカナで「キャスト」という結果だったのには苦笑……)
「鋳る」というのが一番近いようですが、一般的な言葉ではなさそうで。

英語学習の味方、アルクさんで検索すると

https://eow.alc.co.jp/search?q=cast

こんな結果でした。
(転載禁止なので、URLにて失礼します)

英語の意味の捉え方で面白いのは、1:1の訳では分からなくても、多数の訳語を読んでいるとイメージが浮かんでくるところです。

型を取る、鋳造する、役者に役を当てるなどが近いと思います。
(転載にならないよう記憶を元に書きましたので、アルクさんに掲載されているものとは言葉が違うかもしれません)

〈影響を与えるオブジェクト〉の拡大縮小や回転はどうでしょう?
位置の移動もいろいろとやってみました。

どうやら、位置関係以外は影響がないようです。
いろいろな場所に移動すると、刻々と形状に影響を与えているのがよく分かって面白いですね。

なお、最初のアニメーションは、Cyclesでレンダリングした30点の画像を動画に変換したもの。
こちらのアニメーションは、画面をリアルタイムにキャプチャしたものです。
Cyclesでレンダリングすると明暗や影、反射が入ってきれいですが、画面(つまり3Dビューポート表示)を動画キャプチャするだけでも結構きれいです。説明用としては、こんな見え方でも十分かもしれません。

え、自分とこのビューポート表示はこんなじゃない!
ですって?

そうですね。
通常は、こんな表示になっているかと思います。

fffff
Cyclesでマテリアルの色をつけても、全体が灰色なのは変わりません

では、種明かしをしましょう!

 

Cyclesで3Dビューポート表示に色を着けるには、別途指定する必要があります。
それが、マテリアルの設定内「Setting」にある「Viewport Color」です。
マテリアル色の色枠から、ここの色枠にドラッグ&ドロップすれば、設定色と表示色が同じになります。

これ、便利なので覚えておきましょうね。ここだけでなく、Blenderでは色枠同士のドラッグ&ドロップが簡単に出来ます。
同時に表示できない場所の場合は色枠をクリックして出てきた設定値をコピペするのも簡単です。

こうやって、色の表示をHexにすれば値が6文字になります。これならコピペも簡単です
こうやって、色の表示をHexにすれば値が6文字になります。これならコピペも簡単です

色を合わせたら、そのビューポートのプロパティを変更します。
「N」キーを押してプロパティ・パネルを表示させ、「Display」の中から「Only Render」にチェックを入れるだけ。

今回は空が見えませんが、「World Background」にチェックを入れれば、背景として設定した色が表示されます
今回は空が見えませんが、「World Background」にチェックを入れれば、背景として設定した色が表示されます

 

最後に、画面下のマニピュレーター・アイコンから、非表示を選びます。
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さて、今回はこれで終わ……
いいえいいえ、全然終わりじゃありませんよ!
まだCastモディファイアの設定画面も見ていないじゃないですか!

まずは〈影響を与えるオブジェクト〉としてキューブを選択しておきましょう。

さて、設定項目をあちこち見ていきます。

まずは「Cast Type」から。

最初は「Sphere」タイプでした。
「Cuboid」はキューブ型を埋込んだように型取り、「Cylinder」は円柱の形を基準に変形します。

次は「Factor」です。
これまでも何度か出てきた設定項目ですね。
ここでは、影響の度合いと言えば分かりやすいかと思います。
(次の「Radius」と密接な関係になります。こちらは、総合的な係数として度合いを調整するイメージでしょうか)

値がゼロだと影響なし、大きいと影響範囲が広がり、ゼロより小さいと、影響の出方が逆転します。
面白い効果が出ることもありますが、面が裏返ったりするとレンダリング結果が汚くなったりすることがあるので、そこは状況をよく見ながらやってみてください。

レンダリング・プレビューにして2通り試してみました。

「Factor」をマイナス方向にすると、青いはずのオブジェクトがおかしな銀色になります。
これは、面が裏返ってしまい、反射の値が不正になっていることを示しています。

こちらは、「Factor」値がマイナスのまま、コントロール・オブジェクトのキューブを動かしてみました。
キューブの位置によって、面が破綻したり面白い形になったりします。

また、Factorが1の場合も、少し注意が必要です。
コントロール・オブジェクトのキューブの位置によっては、作られる形の表と裏の面が完全に同じ場所に重なってしまうことがあります。
こうなると、やはりレンダリング時に面の見え方が不正になります。

点々になっている部分で、反射が不正になっています
点々になっている部分で、反射が不正になっています。これを防止するためには、Factorを0.95など1未満の値にすると良いでしょう

 

元となるオブジェクトをシリンダーにして上記と同様の設定にすれば、簡単に茶わんの形状などが作れそうですね!

次は、「Radius」です。
これは、変形の中心から見た、影響を与える範囲を半径で指定するものです。

現在の設定が2になっているのは、実はアニメーションをした時に面白い効果を出すためです。
半径2の範囲からコントロール・オブジェクトが離れると、変形の影響がなくなるため単なるキューブに戻るのです。

半径1で、元のキューブとコントロール・オブジェクトが全く同じ位置にある場合は何も変形されません。
コントロール・オブジェクトを動かすと、キューブと同じ大きさの球体によって変形されます。

設定値はこちら
設定値はこちら

半径を変化させてみます。

増やしていくと球体がはみ出てきてキューブと段々置き換わります。
もちろん、ここでコントロール・オブジェクトを動かすとまた変な形に変形しますね。
1より減らしても影響が減るだけなので変化はありませんが、ゼロにすると突如小さな球体になります。
実はこれ、値がゼロの場合は無限サイズという意味になっています。

コントロール・オブジェクトがどんなに遠くへ行っても、変形の影響が出ます。

離れるほど、結果として作られる球体の一部の半径が大きくなります。
この動画でイメージが伝わりますでしょうか……。

お次は「Size」です。これは、その下の「Use Radius」にチェックが入っていると操作できません。チェックを外すと、形が変化します。ツールチップに出てくる説明によると、〈投影される形状の大きさ〉となっていますが、意味がよく分かりませんね。

いくつもの設定値が絡み合ってくるので、これはもう理屈よりいろいろやってみるしかないかと思います。いろいろやってみても何がどうなっているかよく分からないのですけど……。

「Radius」の値と「Size」の値が同じ場合、「Size」にチェックが入っている状態と同じ形になることは分かりました。

いろいろと動かしていると、なんとなくイメージがつかめますね。コントロール・オブジェクトから元のキューブに向かって形状を投影したと考えたときに、そこで作られるオブジェクト(この場合は球体)の大きさ。という感じでしょうか。投影されている軌跡もまた、形状として残るのですね。

次の設定項目です。

全体の左側にあるXYZ。
これは想像がつきますよね。
どの軸に沿って変形されるか、ということです。

先ほどの操作の最終形を元に、XYZを順番につけ消ししてみました。
思ったとおりに変化が起こると思います。
(想像した通りのイメージでしたか?)

最後の設定項目です。

モディファイアの一番下に「Use Transform」と書かれています。
実は、最初に回転や拡大縮小は関係ないと書きましたが、ここにチェックを入れると影響を与えることが出来ます。
ただし、コントロール・オブジェクトがSphereの場合は、回転しても同じ形なので変化は起こりません。
コントロール・オブジェクトのXYZ座標がゼロの場合も、見かけ上の変化は起こりません。

これで、Castモディファイアの設定値は全てなのですが、今回の形状はCastモディファイアだけでは作れません。
そうですよね、まずはキューブを細かく分割して、面をスムーズにして、それからエッジをきれいに残して……

分かりますよね?
前回も行なった操作ですし!

参考として、モディファイア・パネルのキャプチャをこちらに。

Subdivisionの数を6にしています。より滑らかな曲面を得るためですが、PCの性能(特にメモリ)によってはあまり増やさない方が良いと思います。少ない数から試しながら増やしてみてください。
Subdivisionの数を6にしています。より滑らかな曲面を得るためですが、PCの性能(特にメモリ)によってはあまり増やさない方が良いと思います。少ない数から試しながら増やしてみてください。

かゆいところに手が届くBlender-99としては、やはりBlenderのシーンファイルもプレゼントしなければいけませんね。
レンダリング後に冒頭のアイキャッチ画像と同じ効果が出るシーンファイルをこちらにアップロードしておきましょう。
ご興味あれば、どうぞ!

たった1つのモディファイアについての解説でしたが、今回はなかなか長かったですね。
それだけ奥が深いということなので、じっくり学んでいろいろ応用が出来るようにしたいものです!


 

さて、今回の学びもこれで終了です。
次回もまた、キューブから新しい形を作りますよ!

 

【今回の学び】

・キューブに任せろ! その11
「Cast(キャスト)モディファイア」
ビューポートの表示に色を着けるには?

でした。
【次回の学びは……】

・キューブに任せろ! その12
「Lattice(ラティス)モディファイア」

それでは、ぜひまた次回もお越しくださいね!

Happy Blending!!

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