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BLENDER-99-26/Cyclesマテリアルの基本5

今回は第26回です。本日は5月26日です。そして、マテリアルの基本の5回目です。5,2,6…なんだか運命を感じますねえ……。
(ぜんぜんない!)

さて、前回は〈透明を表現するシェーダー〉3種を学びました。
「Glass(=ガラス)」シェーダー
「Refraction(=リフラクション、屈折)」シェーダー
「Transparent(=トランスペアレント、透明)」シェーダー
でしたね。
それぞれの特徴を覚えていますか?

思い出せなかったら、前回の講座をもう1回さらってみてくださいね。
もちろん、前回のシェーダーを覚えていなくとも今回の学習には問題ありませんが。


【Blender-99 絶対に挫折しない3DCG入門 -26 Cyclesマテリアルの基本-5】

【今回の学び】

・「その他」の質感を現すシェーダー

 

「その他」(なんて大ざっぱな括りなんだ!)の質感には、どんなものがあるでしょう?
(これまで学んだもの以外を「その他」と呼んでるだけなのですが)

例のメニューをもう一度見てみます。
今回も、注目するのは「特定の質感を表現するもの」に分類されているものです。

23_06

上から、

・Anisotropic BSDF(異方性反射)

・Hair BSDF(毛)

・Subsurface Scattering(サブサーフェス・スキャタリング≒表面下光散乱)

・Toon BSDF(トゥーン≒漫画調)

・Translucent BSDF(トランスルーセント≒光透過)

・Velvet BSDF(ベルベット)

六つもあります。ちょっと難しそうですねえ。舌を噛みそうなのもありますし……。

心配していても始まらないので、まずは始めましょう。
今回は、この中から二つを学びます。

 

【Anisotropic BSDF(異方性反射) 】

異方性反射という言葉、聞いたことがありますか?

これは、一定の方向に磨かれた金属などに見られる反射で、平滑な面で起こる反射とは光の向きが異なるものです。
ちょっとわけが分かりませんね。
大丈夫、親愛なる生徒さんを煙に巻くつもりなんて、これっぽっちもありませんので!

例えばヘアライン加工されたステンレス製品:鍋、昔のキッチンシンク、業務用換気扇、腕時計の裏など。

一部のコインやオーディオ製品のつまみにも見られますし、DVDやblurayの裏もそうです。

イメージ湧きましたか?

簡単なシーンを作ってみました。

26_01

こんな質感、見たことありますよね?

球体に反射した光が帯状に伸びています。円筒の側面でも反射が真直ぐに伸びています。一方で、円筒の上面では、球体に反射した光と同じように反射の帯が伸びて中央部に収束しています。
スザンヌの青(Diffuse=拡散反射のみの青を設定)も円筒の上面に反射していますが、なんだか歪んでおかしな感じに見えます。ぐにゃっと反射が曲っているようですね。

──これが、異方性反射です。

こちらのリンクは「anisotropic reflection」で画像検索してみた結果です。いろいろと現実世界の例が出てきます。

下の写真はわが家のオーディオ。
つまみが同心円状に磨かれているため、上のCGと同じような異方性反射が現れています。

わが家のオーディオ
パネルにも水平方向にヘアライン加工がなされています。光の当たる角度によって、ここにも異方性反射が現れます。
(アップで見ると汚れや錆びで反射が濁っていてびっくり。いつも見ているのにまったく気がつきませんでした……)

 

実際に使ってみましょう。こちらのBlenderファイルから始めます(ファイル保存時のバージョンは2.78cです)。

まずは準備。

ダウンロードしたBlenderファイルを開いたら、左下の画面をレンダリング・プレビュー(Shiftキー+Zまたは下のメニューから選択)表示にして、右側の3Dビューポートでスフィア(=球体)をクリック選択します

26_02
スフィア(球体)とシリンダー(円柱)には何も質感が設定されていません。これに異方性反射シェーダーを適用します

 

画面右側のプロパティ・パネルからマテリアル(=オレンジ球体アイコン)のタブを選択していることを確認し、「New」ボタンを押して新しいシェーダーを作ります。

こちらのGIFアニメと同じように、Aisotropicシェーダーを作ります。

26_02
クリックして再生します

 

これで、スフィアに異方性反射シェーダーが適用されました。

──あれ?

26_04

先ほど見た画像と違いますね。異方性反射の異の字もありません!

初期設定では何も異方性の設定をしていないので、ただのつるつるな金属なのです。

設定をいじる前に、スザンヌが乗っている円柱にも同じシェーダーを適用しておきます。

分かりやすいように、マテリアル名を「AnisotropicMetal」に変更しました。もちろん、どんな名前でもOKです。

2つとも異方性反射シェーダーになりましたね。

プレビュー画面では、こう見えているかと思います
プレビュー画面では、こう見えているかと思います

 

これでは全然異方性反射になっていないので、設定を変更しましょう。

「Roughness(=粗さ)」の値を変更してみます。

26_07

値が1だとぼやけ過ぎて金属っぽく見えませんが、少し変更するだけでいろいろな雰囲気の質感になります。

次に、「Anisotropy」つまり異方性の値を変更してみます。

Roughnessの値は0.5で固定にしています
Roughnessの値は0.5で固定にしています

Anisotropyの値を増やすと、反射が繋がります。1では、円の中心点を基にした対の方向へ、反射がずっと繋がりますね。

この2つの設定値を変更することで、様々な表面質感だけでなく、重さや硬さの雰囲気の違いまで表現出来そうです。

最後に、「Rotation」の値を変更してみます。

0から1までをアニメーションさせてみました。
0から1までをアニメーションさせてみました。

 

Rotationの値を増やすと反射が歪みます。スフィアでは反射の見え方自体がかなり変化しますが、シリンダーの場合は文字通り反射が回転したようになります。一見回転しているだけのようにも見えますが、スザンヌの映り方を見てください。かなり表面の反射具合が変化していることも分かります。

他にも設定はあるのですが、入門編としてはここまでにしましょう。ぱっと結果が得られるものでもなく、かなり複雑になってきますので、もっと先まで学んでから、必要に応じて戻ってくることにします(ぼく自身もこれ以上の設定はめったなことではいじりませんので、このまま忘れてしまっても大丈夫ですよ)。

異方性反射シェーダーは以上です。例と同じように出来ましたでしょうか?


 

【Hair】シェーダー

読んで字のごとく、毛を表現するためのシェーダーです。が、髪の毛の形状を作成するのはかなり高難易度なので、〈ふわふわの玉のようなもの〉を作って質感を調整してみます。

まだ学んでいない「パーティクル」の機能を用いますので、Blenderファイルも用意しました。こちらからダウンロードしてください。

レンダリング・プレビューで見るとこんな感じです。

まだ何の質感もせっていしていません
まだ何の質感も設定していません

 

スフィアから毛を生やす設定をしているのですが、データが重くなり過ぎないように、プレビューで見える毛の数を減らしています。毛の中心にあるスフィアはレンダリングされないようにしているので、地面に映る影の中心が明るくなっています。

スフィアを選択したら右側のプロパティ・パネルからマテリアル設定のタブを開き、「Hair」シェーダーを適用してみましょう。先ほどの異方性反射と手順は同様なので、画像は省きます。

プレビューではこんな感じ。まだほとんど違いが感じられません。
プレビューではこんな感じ。まだほとんど違いが感じられません。

 

このままレンダリングしてみます。

プロパティ・パネルの中で、左端の一眼レフ風アイコンがレンダリング設定のタブです。

設定を開いたら「Render」ボタンを押すだけです。

レンダリングの計算が進むと、画像がどんどん現れます。計算時間はパソコンの性能次第です。 ぼくのMacでは約1分半。ご自分のパソコンでの計算時間と比較すると、今後のレッスンのレンダリング時間が予測できるかと思います。

 

レンダリング結果がこちらです。

シルバーの毛並みの猫みたいですね。
シルバーの毛並みの猫みたいですね。

 

シェーダーの設定を見てみます。

26_14

「Color」をブロンドっぽい色に変更し、「Offset」を変更しながらレンダリングしてみます(アニメーションでレンダリングしていますが、計算に時間が掛かるので同じことをやってみる必要はありません。配布Blenderファイルに設定もしていませんし)。

「Color」の設定はこんな感じにしました。お好きな色に変えてやってみてください。

26_15

レンダリング結果はこちら。45度刻みで「Offset」値を変更しています。ライティングを変更しなくても、光り方の雰囲気が変化します。

26_17
角度と見栄えの相関関係はよく分かりませんが、ご参考になれば。
■HEXカラーについて■
先ほどのColorの値は、HEX値でいうと「E2CA9C」です。HEXカラーって、ご存知ですか? 便利なんですよ。
RGBそれぞれの値を0〜Fまでの2桁の文字で現し、たった6桁でフルカラーを表現できるものです。
(000000が真っ黒、FFFFFFが真っ白です)
WEBでの色設定でよく使われるものですが、RGBそれぞれの値を一度に設定出来るので、CG作成時に色の設定を同じにしたいときなど、とても重宝します。

Color設定の色四角をクリックし、表示されたカラーホイールの下にある「Hex」をクリックすると、その下に現在の色のHex値が出ます。これはコピペ出来るので、使い回しが効いて便利なのです。
Color設定の色四角をクリックし、表示されたカラーホイールの下にある「Hex」をクリックすると、その下に現在の色のHex値が出ます。
これはコピペ出来るので、使い回しが効いて便利なのです。

 

次に、「Roughness」の値です。UとVの設定値がありますが、これは、水平方向と垂直方向の〈反射の粗さ〉を変えられます。こちらも、光り方の雰囲気に影響を与えます。

26_18
初期設定ではV(縦)方向の反射がぼけていて、U(横)方向の反射はツヤツヤです。これをU方向のみぼかしていきます

 

今度はいずれの方向もツヤツヤの状態(値=0.1)から、V方向のみぼかしてみます。

26_19
U(横)方向の反射はツヤツヤのまま、V(縦)方向の反射をぼかしていきます。

 

初期設定のツヤがきれいですね(笑

両方向ともぼかしていくと、 ツヤがなくなります。傷んだ髪の毛の表現に向いていそうです。両方向ともツヤツヤにすると金属っぽくなり過ぎて髪の毛には見えません。上記二つの例を参考にして調整すれば、ちょうど良い感じの質感を作れそうです。


今回の講義はこれで終了です。
難しくなかったですよね?

〈異方性反射〉は、初期設定の値にちょっとだけ手を加える必要がありました。
〈毛〉は、初期設定の値が良くできていますので、色だけ好みにすれば良さそうです。細かいところをいじるのは、もっと詳しくなってからで良いでしょう。


【今回の学び】

・Anisotropic BSDF(異方性反射)

・Hair BSDF(髪)
【次回の学び】

・「その他」の質感を現すシェーダー2

今回も、お楽しみいただけましたでしょうか?
それでは、ぜひまた次回もお越しくださいね!

Happy Blending!!

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