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BLENDER-99-23/Cyclesマテリアルの基本2

こんばんは、それともお早うございますでしょうか。
GWももう残すところ週末だけとなりました。

最後の2日は、Blenderで過ごしましょうね!
では、開始。

【Blender-99 絶対に挫折しない3DCG入門 -23 Cyclesマテリアルの基本-2】

【今回の学び】

・様々なCyclesマテリアル
・Glossyシェーダーとフレネル反射

前回の最後の状態になっているシーン。ダウンロードはこちらから。
前回の最後の状態になっているシーン。ダウンロードはこちらから。

前回シーンを使いたい方は、こちらからどうぞ

マテリアルを変更するために、まずはどんなものがあるか見てみましょう。

マテリアルの表示されたパネルで、薄緑色の球で表示されたプレビューがあります。その下に、「Surface:Diffuse BSDF」とあります。この「Diffuse BSDF」と書かれた部分をクリックします。

ずらずらっと、マテリアルのリストが出ます。
ずらずらっと、マテリアルのリストが出ます。

 

リストをアップで見ます。
一番上に「Shader」、「Link」と書かれています。左の「Shader(シェーダー)」が、マテリアルそのもの、右の「Link」は、設定したマテリアルを外すためのものです。

マテリアルそのものなら、どうしてShaderなんて言うのでしょうね?
それを説明する前に、リストをじっくり見てみましょう。

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たくさんありますが、これが全て別々の物質の質感を現すためのマテリアルというわけではありません。

それは、Shaderが現実世界の「マテリアル(=物質)」ではなく、あくまでもCGのバーチャルな世界で〈それを表現するためのプログラム〉だからです。Shadeというのは陰のこと。Shaderを直訳すると、〈陰影を付ける役割を持つもの〉というような意味になります。
物質の質感を設定するためのプログラムをShaderと呼ぶことが、なんとなく飲みこめましたでしょうか?

さらに、Shaderは物質そのものではなく、プログラムとしての役割ですから、それをオブジェクトに割り当てるだけでは何も起こらないものもあります。ちょっと分かりにくいので、分類してみましょう。

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オレンジに区分した〈特定の質感を表現するもの〉から始めますが、アルファベット順でなく、使用頻度が高めのものからにしましょう。難しめのものは後回しで、ね!

前回のDiffuse BSDFと同じくらい重要で基本的なシェーダーがGlossy BSDFです。実はこの2つを使いこなせるようになるだけで、作りたい質感の八割方は出来てしまうんではないかというくらい大事なものです。

奥のスザンヌをGlossyにしてみました。右手前のものもリンクしているので、同じになっています。Glossyとは、マテリアル・パネルのプレビュー球を見ると分かるとおり、金属的な光沢を持つシェーダーです。プレビューではシルバーに見えますが、スザンヌは白っぽいです。これ、どうしてか分かりますか?

はい、正解。そうですね。

このシーンを覆う環境(スザンヌの上)はまっ白い世界ですから、それがスザンヌの上半分に映っています。23_03b
プレビューでは、周囲が薄いグレーと濃いグレーのチェッカー模様になっていますので、球体にもそれが映り、全体としてシルバーに見えるのです。マテリアルの「Color」としては、白が設定されています。

色をいじってみましょう。

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ここで一つ注目したいのは、耳の前、陰部分の色です。紺色の時は周囲と同じような暗い陰になっていますが、他の明るめの色の場合は、そこだけ急に明るくなっています。これは、耳に当たった光が側頭部の陰の部分に反射しているからです。このように、反射の強い物質は、光が当たっていなくても明るいものが映っていれば明るく見えるのです。

これは、現実の世界でも同じです。身の回りにある反射が強く艶のあるもの、例えば鏡です。暗い部屋にあっても、手前に明るい部屋があれば、その明るい部屋が映っている部分は明るく見えますよね。まあ、当然のことですが!

■反射と間接光との違い■

ここで言う光の反射とは、光によって照らされた明るいものが、陰の部分にも映り込んで見える。ということです。間接光によって暗い側が照らされているのとは異なり、映ったものの形まである程度はっきり見えます。鏡のような反射ですから。
いっぽう間接光によって明るくなる場合は、照らされた物体の表面で光が乱反射して照り返すので、ここまでくっきりと形に現れません。

また、艶のある物体に当たった光は集光効果を起こし、実際に光を発生させます。鏡で太陽光を反射させるように実際の光エネルギーを伝達し、照らされた側を明るくします。
でもこれは大変高度な計算を繰り返すため、レンダリング計算の負荷が異様に増大します。Cyclesはこの集光効果コースティクスと言います)に対応してはいますが、あまりにもレンダリング時間が掛かる(何百時間も要したりします)ため実用的ではありません。コースティクスがオンになっていると、いつまでも白い粒々が画面から消えなかったりしますので、現在までのバージョンではあまり使用するべきではないと思います。
このことについては、また別途学びましょう。

DiffuseとGlossyで陰部分の見え方がどう違うか、比較してみます。

光源の影響を分かりやすくするため、空(環境)を真っ黒にしています。太陽光だけの光源で、どう見えるか比べてみましょう。
光源の影響を分かりやすくするため、空(環境)を真っ黒にしています。太陽光だけの光源で、どう見えるか比べてみましょう。

Glossyでは、明らかに耳の形がこめかみに映っているのが分かると思います。Diffuseでは、こめかみのあたりがぼんやり明るくなる程度です。

さて、コラムでの説明で「鏡」という言葉を使いましたが、ここでのGlossyの見え方は鏡とはかなり違います。色設定用の四角い枠の下にある「Roughness(=ラフネス、粗さ)」という値を見ると、0.2に設定されていますね。

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この値を変更してみましょう!
まずは、減らします。

質感がかなり劇的に変化するので、0.05(つまり5%)ずつ値を変えました。
質感がかなり劇的に変化するので、0.05(つまり5%)ずつ値を変えました。艶が増すと、今までには見えなかった左にいるスザンヌの青い色まで反射の中に見えてきます。
マテリアルのプレビュー球を見ると、球体が部屋の中に置かれていることも分かりますね。

 

Roughness値をゼロにすると、完全な鏡になりました。空が真っ黒なこともよく分かります。スザンヌの色を構成するのは、
「床の緑」「空の黒」「太陽光の白」

この3つしか要素がないことが分かります。〈完全な鏡〉とは、こういうことですよね。自分自身の色は存在しません。
(実際の鏡は完全な100%の反射をする物質ではありませんので、ガラスのほのかな緑色があったり、映るものが若干暗くなったりします)

完全に反射し、しかも反射がぼけている質感のスザンヌを見ると、〈周囲の色と光の色がブレンドされてオブジェクトの色になる〉ことが分かりますね。

次に、Roughnessの値を増やします。

こちらは10%刻みです。
こちらは10%刻みです。

 

いかがですか?
Roughness(反射の粗さ)を変えると、質感が大きく変わりますね!
反射のちょっとした違いで、粘土のように見えたりベルベッドの布地のように見えたりもします。

では、これだけでいろいろな質感を表現することが出来るのでしょうか?

いいえ、残念ながらそれは違います。
Roughnessの値を変えて表現出来る質感は、あくまでもどこから見ても光を同じように反射する質感だけです。つまり、金属的な反射です。さきほど「ベルベッドのような」と書きましたが、〈何となくそんな感じに見える〉だけで、実際のベルベッドの質感とは似て非なるものだったりします。
Roughnessが1の場合の質感は、徹底的に艶がなくなるように粗い紙やすりで磨き込まれた金属のような質感です。

え? そんな物体はない、ですって?

そうですね。ちょっと、そんな質感を持つ物体はなさそうです。あくまでもこれはCGの世界だから、嘘なのでしょうか?

いいえ、そうではないのです。
これはとても基本的な質感なので、これで良いのです。3DCGの世界では、世の中の物体の様々な質感を表現するために、基本的な質感(例えばDiffuseとGlossy)同士を組み合わせて行なうことが多くなります。それをどのように組み合わせるかが、質感の違いとして現れるのです。現実に存在する物質と同じ見え方にするために、物理的な様々な設定値を調整して再現するのです。
さて、ちょっと難しくなりますが、安心して付いて来てくださいね。

まず、反射する物質と反射しない物質の違いを考えてみましょう。

何が違いますか?

例えば……

・反射する物質
ある物質の近くに何か別のものを置いたとき、映り込みます。

・反射しない物質
何か別のものを近くに置いても映りません。

本当にそうでしょうか?

いくつか写真を撮ってみましたので、見てみます。

 

【写真1】テーブル上のイチゴジャム瓶

1. 真上からテーブルだけを見ると、反射の程度は少なく、撮影したカメラの形もうすぼんやりとしかテーブルに反射していません。

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2.斜め上から。瓶の下には影が落ちています。

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3.もう少し寄って、カメラ位置を低くします。窓外の光がテーブルに反射して光っています。

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4.もっと視線を低くします。瓶の影が、いいえ、影ではなく映り込みがテーブルの表面に現れました。

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5.テーブルの高さギリギリまでカメラの位置を下げます。窓際の植物が映り込んでいます。瓶の映り込みも、よりはっきりしてきました。これが〈影〉でないことは明らかです。

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6.レンズがほぼ天板の高さになるように、位置を下げました。天板はもはやツルツルの物体となり、植物やカーテンを鏡のように反射しています。ピントが合っていないのにも関わらず、瓶の映りもはっきりしています。特に接地面の瓶底の形が、上下対称に映っていますね。

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どうしてこんな風に見えるのでしょう?

世の中のほとんどの物質は、ほぼ例外なく光を反射します。表面が凸凹でひどい乱反射を起こすもの以外は、その物体を真横に近い角度から見れば必ず鏡のような反射(=「鏡面反射」といいます)をするのです。

え、信じられない?
テーブルは元々艶のある質感だから、ですか?

では、表面がゴム引きになっていてマットな質感のKindle端末を置いてみます。

 

【写真2】Kindleの上のイチゴジャム瓶

1.いかにもマットな感じの質感です。

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2.視線を下げてもそのマットさは変わりません。

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3.かなり視線を下げましたが、やっぱり映りません。マットな質感、だからでしょうか?23_14c

4.目一杯まで下がると、おお、Kindleの表面に艶が出てきました。23_14d

5.レンズの中心が断面に接するあたりまで下がります。ピントがぼけてしまいましたが、いちばん奥側では鏡のようになっています。レースのカーテンの柄まで映っているのが見えますでしょうか。23_14e

 

え、それでもまだ信じられませんか?
では、普通の段ボール箱で同じことをやってみます。段ボールの表面は誰でも知っているとおり、さらっとしていて反射なんかしませんよね。

【写真2】Kindleの上のイチゴジャム瓶

1.見慣れた段ボールの質感です。
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2.視線を下げても、見え方は同じです。
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3.ぐっと視線を下げると、ほら、反射が現れました。
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4.ぎりぎりまでレンズ位置を下げました。鏡とまではいきませんが、くっきりと鏡面反射が現れています。
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そう、思い当たる節がありますよね。真夏のアスファルトに起こる〈かげろう〉や、砂漠で見られる〈蜃気楼〉と、同じ現象です。

これを、物理用語で〈フレネル反射〉と言います。
Fresnelと書きますが、フレシュネルやフレズネルではないので、覚えておきましょうね。
僕自身、実を言うと難しい理屈は分からないですし、フレネルの式の内容もさっぱり理解出来ません。

ただ、これだけは覚えておくと便利です。

■フレネル反射■
物体は、それを観察する角度によって鏡面反射の強度と粗さが変化する。
その変化の度合いは物質によって固有であり、人間の目はその違いを感じることによって質感を判断する。
一般的に、金属以外の物質は、観察角度が90度に近づけば鏡面反射は弱まる。
観察角度が0度に近づけば鏡面反射が強まり、粗さが弱まる。完全な0度では鏡に近似の状態となる。
(完全な0度では物体が見えないので、完全な鏡になった状態は見えませんが)
ただし、金属はその限りではない。金属には様々な反射の性質があるが、観察角度に関わらず鏡面反射の強いものが多い。

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Blenderでは、このフレネル反射の制御に物体の〈屈折率〉を使えます。上の図では、黒い球体に天然ゴムの屈折率を適用しています。周囲を取り巻く環境は、雲のある空です。真横から見た概念図と立体の球が混在しているので、0度と90度の違いが分かりづらいかもしれませんが、球体の周囲ぐるりが0度に近い見え方です。雲などが映っているのが見えますでしょうか。真ん中あたりが90度です。あまり鏡面反射が入っていないことが分かります。

もう少し分かりやすいように背景付きでアップにしてみたのが次の図です。

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上半分のぐるりと周囲に、くっきりした空の映り込みが見えます。

様々な物質の屈折率については、WEBで「フレネル反射 一覧表」などのワードを用いて検索してみてください(今回の授業だけでは、それをどうしたら良いのか分からないのですが……)。


さて、Glossyシェーダーの簡単な説明をするだけで、予定の文字数を大幅にオーバーしてしまいましたので、今回はこれで終了とします。

次回は、DiffuseシェーダーとGlossyシェーダーを組み合わせる方法を学びます。ちょっと難しいことも学びますが、大丈夫です。じっくりゆっくり、きっちり理解出来るように進めますので、心配せずに付いて来てくださいね!(も、もちろん、まだまだ基本の基の域を出ませんのでご安心を!)

【今回の学び】

・様々なCyclesマテリアル
・Glossyシェーダーとフレネル反射
【次回の学び】

・Cyclesマテリアルを組み合わせる
・Glossyシェーダーとフレネル反射

今回も、お楽しみいただけましたでしょうか?
それでは、ぜひまた次回もお越しくださいね!

Happy Blending!!

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