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BLENDER-99-21/様々なランプ(後編)

前回に引き続き、BlenderのCyclesで使用出来るランプについて学びます。
前回の予告にはありませんが、もう一つ、プロパティ・パネルにはないもう一つのランプ、「エミッター」も学びますよ!

【今回の学び】

・様々なランプ
 「ヘミランプ」「エリアランプ」「エミッター」

【Blender-99 絶対に挫折しない3DCG入門 -21 様々なランプ(後編)】

前回のシーンを用いて、ランプの種類を変更します。
ランプを変更したことによる違いを分かりやすくするため、今回は環境(=背景)を真っ黒に、質感も反射のない明るいグレーにしてから始めます。
環境を真っ黒にすると、ランプ以外にはオブジェクトを明るく出来るものが何もなくなります。

シーンのデータ(「B99_21_Lamp2.blend」)はこちらからはダウンロードしてください

基本的には上記のBlenderファイルをダウンロードして使っていただきたいのですが、前回のデータからご自分で
やってみたい方に、手順の動画を載せておきます。
まだ学んでいないことも出てきますが、上手く出来なくてもダウンロードすればいいのですから、真似して挑戦してみてくださいね。

 

ダウンロードした「B99_21_Lamp2.blend」ファイルを開いて右の画面をShift+Zでレンダリング・プレビュー表示にします。

レンダラーは最初からCyclesに設定されています
レンダラーは最初からCyclesに設定されています
■ヘミランプ■
ヘミとは、Hemisphere(=半球)の略です。半球型の巨大な“大きさのない”ランプです。
が、実はこのランプ、Cyclesではサポートされていません。〈物理スカイ〉がありますし、地上全体をぼんやりと照らしたかったら空の色を白にすれば良いだけなので、不要なのです。
CyclesでランプをHemiに設定すると、そのランプは太陽とまったく同じふるまいをします。

左のソリッド表示画面でランプを選択し、プロパティ・パネルでランプの設定タブに切り替えます。

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「ヘミランプ」に切り替えると、光がとても強いことが分かります。
1,000のIntensity(=強度)だったものを、1に変更します。
それもそのはず、上述のようにHemiランプはCyclesではサポートされておらず、太陽と全く同じになるのです。

下に書いてありますね。「Not supported, interpreted as sun lamp(=サポートされていませんので、太陽のふるまいに置き換えられます)」
下に書いてありますね。「Not supported, interpreted as sun lamp(=サポートされていませんので、太陽のふるまいに置き換えられます)」

 


 

ということで、次に行きます。「Area Lamp」です。

■エリアランプ■
面積を持つランプ。
四角い板から光を放射するイメージです。もちろん、色も変えられます。

ランプをAreaに切り替えると、影の見え方が変わりました。ちょっとスピード感があるような感じがします。

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どうしてでしょう?
影が、左右方向にぼけているように見えますよね。これ、Areaランプには大きさ(縦横)があるからなのです。
Sunランプのことを学んだとき、太陽の影のボケ足を変えるために大きさを変えましたね。光源が大きいとその影はより大きくぼけるので、太陽らしさを出すために小さくしました。
Areaランプは縦横比を任意に変えられるのですが、その比率に応じて影のボケ足も変化します。

横(=X軸)方向のみ、更にサイズを大きくしてみます。

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更に影が左右に伸び、スピード感が出ました。

影にスピード感?
これ、変ですよね。そうです。影だけにスピード感があるこんな見え方はリアルではないので、Areaランプの縦横比は変えるべきではないのです。特殊な目的でもない限り。

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XとYの値を同じにすると、自然なぼけ方になりました。

だったら太陽と同じじゃん!
と思いましたか?

いいえ、全然違うのです。

Areaランプはエリアというだけあって、面積が重要です。太陽と違い、ランプの当たっているところ以外は暗くなっていますね。これが、Areaランプがリアルに面積を持っているということですね。もちろん、位置も向きもありますので、思ったような感じに光を照らすことが出来ます。


(影がじわじわしているのは、レンダリング・プレビューの計算をしている途中で動かしているからです。PCのスペックが高いほど、このじわじわ時間は減ります)
 
ランプの位置が変わらず回転のみだと、影の出方は変わりません。照らされる範囲が変わるのみです。ランプがそっぽを向くと、物体が照らされなくなるので真っ暗になります。
ランプの位置を変えると、影の向き、照らされる範囲とも変わります。ランプが物体に近づけば、それだけ光は強くなります。


最後のランプ、「エミッター」です。
これ、プロパティ・パネルにはありませんが、実をいうと最も汎用性の高い、使うことの多い光源です。

■エミッター■
エミッターとは、「発光するもの」という意味です。Cyclesでは、面積を持つあらゆるオブジェクトをエミッターとして扱うことが出来ます。
発光するオブジェクトのサイズが大きいほど広い範囲を照らし、影のぼけ量も大きくなります。
サイズが大きいと光量もアップします。
エミッターはランプではなく、オブジェクトそのものです。オブジェクトのマテリアル(=質感)を〈発光〉に設定することで、何でもかんでも光らせることが出来るのです。

では、エミッターを作る手順を追います。
まずはGIF動画から。
(ずっとループしているよりクリック後に動く方が分かりやすいことに、先週初めて気付いたという……。見る時にクリックしてくださいね)
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1.今まであったランプを削除します。真っ暗になりますね。

2.ランプにするオブジェクトを作成します。Shift+Aのショートカットで作成しましょう。
今回はトーラス(ドーナツ型のもの)にします。

3Dカーソルが(たまたま)上空にあるので、丁度いい場所にトーラスが作成されました。

3.プロパティ・パネルでマテリアルのタブを選択します。タブのアイコンはオレンジ色の球体です。

4.まだ質感の設定されていないオブジェクト(つまりトーラス)が選択されていると、マテリアル設定に「New」ボタンがあります。クリックしましょう。

5.「New」ボタンを押して新しく作成したマテリアルは、「Diffuse BSDF」という種類のマテリアルになっています。これは発光しないので、「Emission(=発光)」に変更します。

6.暗い中にぼんやりとスザンヌの形が見えます。光が弱いので、「Strength」の値を大きくします。

このエミッターを使ったランプですが、当然オブジェクトの形状が照らされ方に反映されます。

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こんな風にも照らせますが、この画像ではどう照らしたかったのか分かりませんね(笑

CGの便利なところは、リアルさを追求しながらも現実にはあり得ない設定を出来るところです。この状態でランプを〈カメラからは見えない〉設定にすることが出来ます。

すると……。

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顔の正面、目から鼻にかけては照らさずに、周囲を照らしていることが分かります。

やり方は簡単。

1.カメラから見えなくしたいオブジェクトを3Dビューポートで選択し、プロパティ・パネルからオブジェクトのタブ(オレンジの立方体のアイコン)を開きます。

2.パネルを下までスクロールして、「Cycles Settings」を開きます。

3.「Ray Visibility(光線の可視度)」の中にある「Camera」のチェックを外します。

これで、カメラから見えなくなりました。不思議ですねえ。

色や形を変えて、ちょっと遊んでみました。

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きれいですね。

黄色い光は、プレーン(平面)をカメラから見えない設定にしています。口の部分がぼんやりと赤いのも、赤く光るスフィア(球体)をカメラから見えない設定にしているのです。

さて、ランプの「基本の基」はいかがだったでしょうか?

かっこいいCGを作るときのライティングのテクニックなどは後々学んでいきます。今回はせっかくマテリアルに踏み込みましたので、次回からは待ちに待った質感、マテリアルの基本を学びますよ!

当初、マテリアルはまずInternal(Blender Render)で基本を学ぼうと考えていました。でも、こうやってCyclesを使い始めてしまうと、Internalをここで割り込ませる意味がないような気もしますね……。
ちょっと難しいこともあるかもしれませんが、がんばってCyclesのマテリアルから入ることにしましょう。

もちろん、絶対挫折しないようにケアしますよ!

 

【今回の学び】

・様々なランプ
 「ヘミランプ」「エリアランプ」「エミッター」
【次回の学び】

・Cyclesマテリアルの基本-1


それでは、ぜひまた次回もお越しくださいね!

Happy Blending!!

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