少し青過ぎる感じもしますが、足下の影や座面の色も自然です。接地感もばっちりですね。

BLENDER-99-17/最初の別れ道(後編:2つのレンダラー)

みなさまこんばんは。
たいへんご無沙汰しまして申し訳ございません。
ようやく戻ってきましたよ。今回のお題は、こちらでしたね!

【今回の学び】

・最初の別れ道?(後編:2つのレンダラー)

前回の内容は頭に残っていますね?
もし忘れてしまった方、前回は読んでいない方は、まずこちら(前回記事)をさらっとご覧になってくださいね。

では、後編いきましょう!

【Blender-99 絶対に挫折しない3DCG入門 -17 最初の別れ道(後編:2つのレンダラー)】

Blenderには、2種類のレンダリング・エンジンが搭載されています(実は3種類ですが、普通に絵作りをするために用いるものとは少々異なるものなので、ここでは2種類とします)。

 

Blneder Gameって、ちょっと興味ありますよね。でもこれはBlenderでゲームなどを開発するためのエンジンなので(そんなことも出来るんです!)、この連載では触れないこととさせていただきます。
Blneder Gameって、ちょっと興味ありますよね。でもこれはBlenderでゲームなどを開発するためのエンジンなので(そんなことも出来るんです!)、この連載では触れませんので悪しからず。

 

1つめは、前回プレビュー画像をお見せした〈Blender Render〉です。昔から内蔵されているものなので、他のレンダリング・エンジンと区別して〈Internal Render(内部レンダー)〉などと呼ばれることが多いです。

こんな感じですね。

 

もう1つは、数年前から〈add on(=アドオン、追加のソフトウエア)〉として搭載されている〈Cycles Render(=サイクルズ・レンダー)〉です。これは、アドオンでありながら特に追加する作業を必要とせず、ただメニューから選べば使えるという、ほぼ標準機能に近いアドオンです。

おおむね似た感じでレンダリング・プレビュー画像をキャプチャしてみました。

 

どうです?
両者の違いをどのくらい感じますでしょうか?
(Internalは椅子が軽い感じですが、Cyclesのほうはなんだかずっしりした重みを感じませんか?)

え、そんなことより、サイクルズのほうがレンダリング時間が短い、ですって?

たしかに、プレビュー画像に出ている時間では短く見えます。
でも、プレビュー画像を計算する時間は画面のサイズに依存しているので、単純に比較は出来ません。同じサイズで、実際のレンダリング計算を行なってみます。

こちらがInternal
こちらがInternal
こちらがCycles
こちらがCycles

internalの1秒80に対して、Cyclesでは13秒35も時間が掛かっています。その差はなんと、10倍以上です。見た目の差はどうでしょう?

Internalはテカテカしていて、いかにもCGぽい感じ。Cyclesはなんだか自然な感じがしませんか?
もちろんこれはいかようにでも調整出来るものなのですが、あまり考えないでパパッと設定した結果の比較ではこんな差になります。

Internalは比較的昔からある手法でレンダリングの計算を行なうエンジンです。出来上がりのCGをリアルに見せるためにはかなりの知識とノウハウが必要になります。
でも、CGぽい絵を作るのであれば短時間で計算出来ますし、使いこなすために覚えることも比較的少ないレンダリング・エンジンです。
Cyclesは最新の手法を取り入れた「物理的に正確な」計算処理を行なうレンダリング・エンジンです。
とても写実的な表現をすることが出来ますが、レンダリング時間は相当にかかりますし、リアルな表現を行なうためには「質感の設定」「ライティング(照明)」などで、たくさんのことを覚えなければなりません。

ここで一つ、用語を整理しましょう。
タイトルに「レンダラー」と書かれていたのを覚えていますよね。
CGの世界では、レンダリング・エンジンのことを「レンダラー」と呼ぶことが多いです。レンダリングするソフト、という意味ですね。短くて言いやすいですし、今後、レンダリング・エンジンのことは基本的にレンダラーと書きますので、よろしくです。

さて、InternalとCyclesをもう少し見比べてみましょう。
先ほどの画像より若干リアル感を上げるために、空の色を入れてみます。

Internal:空の色が強く、足下の影も少し不自然に見えます。いわゆる「接地感」に乏しい表現になってしまいました。
Internal:空の色が強く、足下の影がべたっとしていて少し不自然に見えます。いわゆる「接地感」に乏しい表現になってしまいました。でも計算時間は速く、約2秒です。

 

少し青過ぎる感じもしますが、足下の影や座面の色も自然です。接地感もばっちりですね。
少し青過ぎる感じもしますが、足下の影や座面の色も自然です。接地感もばっちりですね。でも計算時間は遅く、20秒もかかっています。

 

あ、誰ですか、レンダラーの設定を変えてみて、全然違う結果になっちゃったと怒っている人は!
習っていないことはまだやらないでくださいねー。

ちなみに、Cyclesに切り替えてプレビュー・レンダリングしただけでは、こんな感じになったかと思います。
全然違いますねえ。
17_int_to_cycles

先ほどの2つ、似たような感じに見えますが、実は、やっている計算は全く異なります。
必要な設定もまるで違いますので、ちょっと見比べてみましょう。
いずれも地球のようなアイコン、「ワールド設定」のパネルです。

Internalの場合:

17_09_int
空に色をつけています。「天頂=青」から「水平線=白」へのグラデーションで、文字通り塗ったような感じです(どうも最近のバージョンは、うまくグラデーションにならないみたいですが)。
光を反射させて影が真っ暗にならないようにするため、間接光の設定をしています。
ただ間接光の設定をしただけではリアルにならないので、更にいくつかの設定をいじっています。実は、そこそこ何回かやり直していて、ここまで来るのに何分かかかっています。

次、Cyclesの場合:

17_10_cycles
「Background」に「Sky Texture(=空)」を設定します。ここでは、「Preetham」という物理スカイモデルを選んでいます。まだレンダラーの違いを見ているだけですので、詳しい説明は省きます。

間接光の設定は不要で、最初から丁度いい自然な感じ(=ほぼ物理的に正確)に設定されています。
レンダリングプレビューをしながら、空の光の強さなどを微調整します。

お気づきでしょうか。
同じような設定のはずなのに、パネルの内容も設定する内容も全く違うのです。

これは空の設定に留まらず、質感の設定や光の設定など、形を作るモデリング以外のあらゆる工程で異なります。

これは大きな別れ道、ですね……。

悩みました。僕もとことん悩みました。

これまで何度か初心者の方にBlenderをお教えする機会がありましたが、いつもInternalを使う前提にしていました。なぜなら、Cyclesできれいにレンダリングするには、それなりのマシンパワーを必要としますし、時間もかかります。初心者にとっては、ものすごく時間をかけてリアルな絵を作るより、比較的簡単に絵が出来て、CGの楽しさを感じられるほうが良いと考えたからです。特に、インテリアのイメージなどをCyclesで作りたい時には、一晩かかって計算させても終わらないくらいです。しかも、それでも足りなくて絵がざらざらだったりします。

でも──

と今回の僕はまた考えました。

Cyclesは設定が簡単です。もちろん、すごくリアルにしたかったらそれなりの努力が必要です。いえ、かなりの努力が必要です。でも、Internalだと、もっともっと努力してもCyclesほどの絵は作れません……。
あまり難しいことを考えなくとも、Cyclesならそれなりにリアルな絵が簡単に出せます。
遅いと言われるレンダリング速度も、数年前と比較すれば劇的に速くなっています。パソコンの処理能力も向上しています。
CGをやりたいと考える人なら、例えばゲーム好きだったり画像処理ソフトに親しんでたりして、それなりの処理能力を備えたパソコンをお持ちかもしれないな……と。

みなさん、いかがでしょうか?


【僕の結論(いま現在……)】

Cyclesを中心に進めることにします。やっぱり簡単な設定できれい&リアルな絵が出るCyclesはCGを勉強する喜びをくれるんじゃないかと思うのです。

例えば、ご飯の前にレンダリングボタンを押して、食べ終わってから結果を楽しみに見てみる、とか、ちょっとお出かけ前にレンダリングボタンを押して……とか、じっと机の前に座っていないほうが計算結果を楽しみに待てますものね!

その前提の上で──

まずは最低限、Internalの使い方を学びましょう。とりあえず、CGっぽい絵が簡単に出せるレベルで、基本のきだけを学んでおけば、次に学ぶCyclesでも頭に入りやすいと思います。


さて、まだ習っていないことを延々と語ってしまったこの2回ですが、いよいよ次回からは自分で椅子のレンダリング画像を出せるようにしましょう。
(長い、道のりになりますよ……ご覚悟のほどを!)

さて、今回はそろそろ終了のお時間です。

 

【今回の学び】

・最初の別れ道?(後編:2つのレンダラー)
【次回の学び】

・カメラを使う

それでは、ぜひまた次回もお越しくださいね!

Happy Blending!!

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