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BLENDER-99-06/まず最初にやっておこう

お待ちかね!
今週も、Blender-99の時間がやってまいりました。

これまでは実際のBlenderには触らず、3DCGの基本概念のいくつかに触れてみました。
第1回は座標系
第2回は単位系
第3回はポリゴン
第4回はプリミティブ
でしたね。

そして第5回目の前回は、「インストールから始めよう!」でした。
本当にパソコンのことがよく分からないひとでもBlenderを始められるように、インストールって何のこと?
というところから、解説してみました。

さて、もう皆さんは無事に、Blenderをインストールし終わりましたね?
きっと、待ちきれなくて使ってみたのではないでしょうか?
そしてきっと、あまりに「何をしたらどうなるか」が分からなくて、あっという間に投げ出してしまったのではないでしょうか?

──実際ぼくも、初めてBlenderを起動したときはそうでした。
何も出来ずに、いきなり投げ出してしまったことを覚えています。

でも、それには理由があります。

さあ、そろそろ本日の授業を始めましょうか!

【Blender-99 絶対に挫折しない3DCG入門 -06 まず最初にやっておこう!】

1. ハードウエア

やっておこう、というより、一つだけ用意しておかなければならないハードウエアがあるんですよね。
それは、3ボタンマウス。ワンボタンマウス、ペンタブレット、トラックパッドをメインで使っているひとは、どうか3ボタンマウスを用意してください。それがなくともある程度のことは出来なくもないのですが、効率はひどく落ちますし、いらいらしてしまうだけですから。
千円ちょっと出せば買えますしね。

はい、では用意出来たものとします。

パソコンの性能は?
これ、気になるポイントですよね。もちろん、速ければ速いほど良いです。メモリも多ければ多いほど良いです。
でも、最初からそれを気にするのは止めましょう。
まず、やってみて、いろいろと作ることにチャレンジしてみて、パソコンのことを考えるのはそれからでいいのです。もちろん、「オフィスソフトを動かすだけでもカクカク……」のような低スペック機で3DCGを作るのは厳しいかもしれませんが、きっと大丈夫、動かないことはありません。ここ数年のうちに購入した新品だったら、きっと動きますので、まずはやってみましょう!
参考:動作サポート環境(注:ちょっと難しいページです)

 


2. 起動画面を知る

Blenderのアプリアイコンをダブルクリックして起動します。Windowsの場合は画面下の起動バーに、Macの場合はDocに、それぞれ登録しておきましょう。きっと、これから頻繁に使うことになりますので!

(右隣はMakeHuman、左はMagicaVoxelですね)
(右隣はご存知MakeHuman、左は以前紹介したMagicaVoxelですね)

 

Blenderのアイコンが二つ並んでいますが、これは仕事でCGソフトを使うときの鉄則。少なくとも一つ古い(使い慣れ、安定した)バージョンを並列で残しておきます。最新バージョンをしばらく使った後で、特定の機能がきちんと継承されておらずバグが潜んでいることもありますから、バージョンアップしたときは、これまで使っていたものを残しておくのです。
まあ、最近のBlenderはとても安定しているので、古いバージョンが必要になることはあまりないのですが、ね。

起動した際の画面です。

Blender2.78a起動画面
Blender2.78a起動画面

前々回にも似たような画像を載せましたが、ちょっとだけ違います。バージョンは2.78a、前回紹介した最新バージョンですね。

 

さて、この画面についてもう少し書いておきます。知っておくと、ちょっとだけ便利になりますよ。

このさりげない中に、いろんな機能が!
このさりげない中に、いろんな機能が!

 

■左の列「Links」
Blenderが提供してくれる情報です。
上からざっと見てみます。

Donations:
寄付、ですね。Blenderは無料なので、開発は寄付とチュートリアルなどの販売益で支えられています。世の中に数ある有料のBlenderコンテンツを購入しても、Blenderの財団に一部が寄付される仕組みになっているものもあります。
Blenderが自身の創作活動の役に立つようなレベルまで使えるようになってきたら、寄付を考えるといいのではないでしょうか。

Credits:
Blenderはオープンソース。世界中のプログラマーが開発や検証に参加しています。その貢献者リストです。

Release Log:
そのバージョンで初めて搭載された機能や改善点のリストです。

Manual:
機能リファレンスのマニュアルです。残念ながら、日本語版はここにはありません。

Blender Website:
言わずとしれたウェブサイトですね。

Pyrhon API Reference:
Blenderはパイソンというスクリプト言語で機能追加や改善の開発を行なうことが出来ます。アドオンを作成するのも、パイソンを使います。そのリファレンスです。

 

■右の列「Recent」

最近使ったBlenderのファイル一覧です。ここに出るのは5ファイル。
ウィンドウを開いたりファイルメニューから探したりする必要がないので、意外に便利なものです。

また、メニューバーにある同様の機能「Open Recent…」では、10ファイル分が残ります。

 

■右の列の上「Interaction」

ちょっと見逃しがちなここ。

interaction
右の「Blender」と書かれた部分を押すと、選択肢が現われます。
これで、マウスオペレーションの方法、ボタンの振舞いを変えられます。既に他の3DCGソフトに慣れている人は、ここを自分の使っているものと合わせれば使いやすくなるというわけです。
もちろん、みなさんは初心者ですから、Blenderのままでいきましょう。

 

■右の列の下「Recover Last Session」

前回使用していたときの状態に戻したいときに押します。保存しないでBlenderを閉じてしまったときも、運が良ければ以前の状態に戻せます。Blenderはアプリがシャットダウンしたときに、そのときの状態を保持するようになっています。完璧ではないので、戻せないこともありますが、最悪でも少し前の状態には戻れます。
ただ、いろんなファイルを交互に使っていたりするようなときは、意味不明なデータに復帰することもあります。やはり、過信しないで自分で保存することが大事です。

いっぽう、ファイルメニューにも同様の機能があります。

autosave

 

全く同じ内容の「Recover Last Session」の他に、「Recover Auto Save…」というものがあります。自分でファイルを保存し忘れていても、Blenderがちゃんと裏で保存しておいてくれる機能です。
きめ細かく設定出来て、とても便利なものです。
初期設定では、2分ごとにファイルを保存してくれます。相当複雑なものを作るようになるまではファイルの容量は軽いものです。Blenderが裏で保存している動作に気づくことはまずありませんから、設定を変更する必要もないかと思います。

 


3. 初期設定

さて、起動画面をざっくり理解したら、画面のどこかをクリックしましょう。どこでも良いです。起動画面が消えます。
Blenderの世界へようこそ!

早速──

と、その前に、皆さんが使っているのはデスクトップPCですか?
それともノート型PC?

ノート型でテンキー(電卓のように数字が升目状に並んでいるキー)がない場合は、やっておくべき初期設定があります。
初期設定画面を開いてみましょう。

画面上のほうの「File」をクリックすると、ずらりとメニュー項目が現われます。その中の「User Preference」を選択しましょう。
画面上のほうの「File」をクリックすると、ずらりとメニュー項目が現われます。
その中の「User Preference」を選択しましょう。

 

これは、追加機能である「アドオン」を有効にするための設定画面です。
これは、追加機能である「アドオン」を有効にするための設定画面です。

 

上端に並ぶタブのうち、「Add-ons」が青くなっています。ここが選択されているという意味ですね。

その左隣に、「Input」というタブがあります。クリックしましょう。

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表示ががらっと変わりました。左側に注目です。

 

真ん中あたりに「Emulate Numpad」というチェックボックスがあります。これにチェックを入れましょう。

これで、キーボードの数字キーが、テンキーと同じ役割を果たせるようになります。頻繁に使用する機能に関わることですので、チェックを忘れずに。

そしてもう一つ、さらにとても大事な設定があります。これまでずっと読んでくださっている方はもうお分かりですね。

Blenderの初期設定では、「マウスの右クリックで選択操作をする」という変態設定になっています。これは、多くのあらゆるソフトと異なります。
一般的には、
「何かを選択するのは左クリック。右クリックは設定を出したりするもの」
という理解ですよね?

Blenderの哲学ではその根本が異なります。
「左クリックは決定するためのもの。選択は右クリック」
なのです。

確かに、「左クリックで決定」というのはその通りです。それは、一般的なソフトでもそうですから。そして、選択と決定が別のボタンと言われれば、合理的かつ分かりやすいような気さえしてきます。
パソコンの操作に詳しくないと、マウスにボタンがいくつもあるのはちょっと嫌ですよね。
「あんまり複雑にされてしまうと、どこを触ったら良いか分からない」
という人もいるかと思います。

実際、ボタンがたくさんあっても頻繁に押すのは左ボタンが多いと思います。ホイールはとても便利なものですが。

例えばMacでは今もワンボタンでの操作が標準ですし、そうでなくとも左クリックには実に多くの役割が与えられていますよね。
「何でもかんでも左クリック。右は、なんか特別なことをやるときに使うもの」
そんな考えの人も多いのではないでしょうか。

そこを、Blenderは合理的に計画したわけです。右と左の役割をきちんと分けて、操作体系を組み上げたのですね。
Blenderの〈右クリック選択が標準〉というやり方に慣れてくると、確かに制作効率が上がるような気がします。スピードアップしてくるような気がします。

でもね、でもね、
Blender以外のほとんどのソフトは左クリックが標準ですから、どうしても慣れるのが難しいのです。

僕も使い始めてしばらくはBlenderの方針に従おうと思いましたよ、ええ、本当に。
でも、決定的に問題が生じてしまうんですよね。仕事でもプライベートでもグラフィック系のソフトをたくさん使用していますから、〈右クリックで選択する習慣〉というものは、つけようがないのです。

ですから、
「Blender以外はマウスクリックが重要な役目を果たすソフトなんかほとんど使わないよ」
という人以外は、きっと〈左クリックで選択する〉設定に変更したほうが使いやすいのです。

長くなりました。
前掲の図でも「Left」が青くなっていますよね。
「Select With」というのが、「選択するボタンの側を選ぶ」ということです。
「Left」をクリックして青くし、〈左クリックで選択する〉設定に、変更しちゃいましょう!

さあ、必要な初期設定は以上で完了です。

「これをやっておけばもっと便利」という設定もありますが、それはまた次の機会にしましょう。


すっかり長くなってしまいましたので、今回はここまでにいたします。お付き合い頂きましてありがとうございました。

次回はいよいよ3D空間に乗り出しますよ。

では、お楽しみに〜っ!

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