モバイル執筆

現在執筆している新作は、実は初めてMacだけで書いている小説です。これまでの作品は、大体半分から3分の2を電車の中で、愛用のiPod touchで書いていました。その時に使っていたメインのテキストエディターが、これ。PlainTextです。基本的にはフリーですが、フリー版には広告が表示されます。アプリ内で「広告なし」を購入すれば、少しだけ画面を広く使えますね。

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PlainTextの入力画面(『さよなら、ロボット』より)

このアプリの特徴としては、シンプルで余計な機能がない。これ、Mac用ワープロの選択基準と同じですね。(ワードは本当におせっかい過ぎて、最低のワープロだと思いますよ!)

便利なポイントとしては、DropBox連携があります。まあ今どきは増えましたが、これを使い始めた当初は、途轍もなく便利なことに思えました。何しろ、電車の中で書いていた原稿が、家に帰ってMacを開いたと同時に同期されるのですから、すぐに続きを書き始めることができるんです!

もう一つは、フォルダで整理できること。しかもどんどん入れ子にできるので、小説/さよなら、ロボット/第8章〜というような整理ができて便利です。

さて、ではどうして新作ではこれを使わなくなったかというと、最も大きな理由は四十肩。やはり小さい画面でちまちまとキーボードを打っていると、手が非常に疲れます。『壁色のパステル』執筆後に、初めてひどい四十肩になりました。それでもその時はiPod touchで書くことを諦めず、新兵器を用意しました。

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7 noteの入力画面

7 note miniです。上の画像は指で入力したところですが、タッチペンでの入力が非常に便利です。小さなキーボードと違って、手書きで大きく字を書けるので、肩の疲れは随分減りました。『さよなら、ロボット』の半分くらい、これで書いたかな。PlainTextも使いましたが。

こちらは、インターフェイスと変換効率がかなり優れています。どんどん書いていくと、するすると勝手に文字変換されていきます。入力に慣れれば、丸々一行以上書いても、誤変換が全くなかったりします。自分の字の癖を覚えさせるまでは、似たような字どうしをかなりごっちゃにしてくれますが。

残念な点は、フォルダ機能がないんです。保存したファイルがずらっと並ぶだけ。まあ、このアプリで小説を書く人はあまりいないのでしょうが…。また、DropBox連携や同期機能がないんです。今、再度調べてみたらEvernote連携機能がありました。知らなかった。有料オプションですが。

もう一つ、これは欠点というより使い方と視力の問題なんですが、手書きの字の形から類推して変換するので、意味のまったく違う、形だけ似た字に変換されることが結構あって、しかも全然気が付かなかったりするんです。例えば、ロ(ろ)と口(くち)。こうやって書いてもそっくりですね!

『さよなら、ロボット』を書いていて、何箇所も“口(くち)ボット”となっていたのには参りました。

『孤独の王』でも、この7 note miniをかなり使いましたが、やはり後になって校正で苦労する原因の一つになってしまいました。

これを書こうと思って書き始めた記事なのに、書くのを忘れていたことを思い出しました。

—> モバイル執筆の最大の弱点とは!?

画面が小さい。これに尽きます。原稿用紙でいうと、一枚の半分程度しか同時に表示できないですものね。縦位置だとキーボードが小さ過ぎてミスタッチも多いので、横位置で使ったりもします。すると…

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PlainText横位置入力。こちらも『さよなら、ロボット』より。

書いている最中の段落以外は何も見えません。集中していても頭の中に先の構成が組み上がっている時はいいのですが、シーンシーンをばらばらに書いていたりすると、もう、前後関係が何も分からなくなってしまう。電車の中で細かくスクロールして見ても、目がちらちらして疲れるばかり。(動体視力0なんです)

それで、書いたテキストを最終的にMacに持っていってから、大変な思いをして組み直したり、気付かずに書いてしまったストーリーの酷い矛盾を修正したりで、これ、せっかく通勤時間を使って書いた意味がないんじゃないの? なんて思ったりした訳です。

長くなりました。次は、モバイル校正について書こうかな。

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